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2.7章

2.7章投稿させて頂きました。

「おじさんっ♪お願いメイにおじさん達の隠れ家教えて欲しいなっ♪」


「うん、おじさん教えちゃうっ。」


 キャピッと効果音がつきそうなカーメイの発言に、あっさり陥落する固い意志を持っていたはずの男。


 後ろで見ていた俺すら不覚にも可愛いと思ってしまった。

 男と知っていなかったら、そして、さっきまでとのギャップを知らなければ俺もあっち側だったかもしれない。


「えー、どこどこ、どこにあるの?メイ知りたいな♪」


 両手を首の下の前まで持っていき可愛くグーを作り、内股で質問を続けるカーメイ。

 その姿はまごうことなき童顔少年を超えた美少女そのものである。


「この街道から外れて、1日歩いた場所に洞窟があって、そこをおじさん達は隠れ家にしてるんだ。ここからだと丁度あっちの方角だよっ。ほらあそこに見える山の麓にあるんだっ。」


 鼻の下を伸ばしきったその姿にもはや固い意志の存在など微塵も感じられない。

 手強そうかと思っていたが、案外脅せば泣きながら話し出しそうなくらいはチョロく見えてしまう。

 もちろんそんなことしないが。


「うん、おじさんありがとうっ!」


「君のためならなん、うっ…!」


 いつのまにか捉えた男の後ろに回っていたシズトが手刀で首を打ち気絶させる。

 ゲームかアニメでしか見たことねぇよそれ。


「お疲れ様、メイ。」


「はいっ、師匠のためっすから。案外意思の弱い人で助かったっす。意思の強い人だとかかりづらいっすから。」


 一仕事終えた、美少女カーメイはいつもの童顔少女カーメイに戻る。


 そんなカーメイに俺も平常心を持って労いの言葉をかける事にする。


「おっおっおっふっ、お疲れえカーメイ、うんうんお疲れ。ふふっ。」


 視線を逸らしながら、何とか言葉を紡ぐ事が出来た。おっと危ないふふふっ。


「あ、えっと、そのお疲れ様ですわ、えっと人の趣味趣向はそれぞれですわ。カーメイさん、わっ、私は全然、全く気にしないですわ。」


 せっかく俺が触れなかったというのに、言葉の端々を引きつらせながらあえて触れてくるクックぶふ。


「おい、やめろよぶふぅ、言葉にしないふふ、のが大人のマナーだぞぉあはははははっ。」


 必死に堪えようとした笑いのダムは早々と決壊を迎えた。

 もう少し笑いの放水を行うべきだった。反省反省。


「オクトッ笑っては失礼ですわっ、カーメイさんは気にしているのですわっ!」


 そういうクックも、さっきまで捕らえられた男よりも青い顔をしてドン引きしてたじゃねぇかと言ってやりたいが、言葉が笑いのせいで出ない。


「うわぁぁぁぁぁぁぁっ、だから、だからこんな魔法、うぅ、魅了魔法なんて嫌いなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっすっ!」


 獣人の男があっさりアジトの場所をゲロッたのは魅了魔法で洗脳したからなのか。


 それと俺が不覚にも可愛いと思ってしまったのも魅了魔法の影響のせいか。

 道理で今は笑いの方が込み上げてくるわけだ。


 納得がいったがやはり笑いが止まらない。


「第一、人にしか使えない時点で使い勝手が悪すぎるんっすよぉぉぉぉぉぉぉ。」


 魔物には使えないのか、クックと真逆だなぶふぅ。


「そうかな、何度も言うけど、メイにはピッタリの魔法だと思うよ。」


 マイペースなナルシスト勇者は盗賊達をいつのまにか出した縄で拘束しながら、カーメイの傷口を的確に抉ってくる。


 信頼する師匠に裏切られ、絶叫するカーメイに容赦の無い追い討ちがかかる。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「ぶっわあはははははははははははははっ!」


 街道の真ん中で1人の絶叫と1人の笑い声がしばらく響き続けた。


お読み頂きありがとうございました。

今日はまた夕方ごろに投稿させて頂く予定です。

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