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1.17章

1.17章投稿させていただきました。


「そうですわ、止血。すぐに止血をしないといけませんですわ。」


 そう言い、俺のベルトを引き抜きズボンを脱がそうとしてくる。


「いや、いいっ、要らない、要らないからやめろってポンコツ痴女。」


 やめろと言うのにグイグイと俺のズボンを脱がそうとしてくる。


「こんな時に何を馬鹿な事を言っているのですわ。恥ずかしがっている場合ではありません、大人しく脱いでくださいですわ。」


 彼女は更に力を強め、俺の健闘虚しくズボンをひっぺがされる。


「早く足の止血を…し……ない…ですわ。」


 俺のベルトを持ち固まる彼女。

 そう、もう血は止まっているのだ。

 俺の触手魔法の一つ、それが再生。

 手足までなら、魔力さえあればギリギリ再生出来るのだ。

 今は魔力が殆ど無く、安全が取れない山の中なので止血程度に済ませているが、魔力が4分の1もあれば数分で再生できるくらいには再生力はチートじみている。


「だから要らないって言っただろ。」


「心配して損しましたですわ。そういうことならはや…、」


 彼女は文句を言いかけてまた固まる。

 彼女の視線は俺のトランクスを見つめ、顔を見る見るうちに赤く染め上げ、パクパクと口を動かしている。

 まぁ、トランクスタイプのパンツなのに急に足を持ち上げるものだから、俗に言うポロリ、ラッキースケベをしてしまった。


「きゃあっ⁉︎貴方は乙女になんてもの見せるのですわっ!」


 スザザザザザッと後ろに後ずさりながら顔を背け目をそらす。

 どうやらアンラッキースケベだったみたいだ。


「アンタが急に足を持ち上げるからだろ。」


「貴方がっ…、」


 言葉に詰まる彼女、自分の早とちりが原因なので強く言い返せないのであろう。

 彼女がボソリと「フラワービーの幼虫みたいでしたわ。」とか呟いたので俺の名誉のためにも早めにこの話題を切り上げる。


「はぁ、まあいいよ、それよりも、あれどうする?」


 俺は超大型ドラゴンに向かって指を指す。


「どうするも何も、あれを運ぶのは無理がありますですわ。」


「良くはありませんですわ。」と叫んだ後、律儀に答えてくる。

 見られた俺が良いと許しているのに難儀な性格だ。


「じゃあ、ここで食べちまおうぜ。」


「本気ですの、あれの一部でも持ち帰って冒険者組合に報告すれば、貴方はたちまち英雄ですわ。」


 あれ、また俺が勇者なの忘れちゃったのかな?元から英雄なんだけどなぁ、最近忘れっぽいぞぉ。


「いや、俺はほら、手配中の身だし、持ち帰ったところで王都への足が着いて、王都への帰還命令が出るか、他の冒険者が俺を捕まえに来るかの二択だろ。」


 あれ、実質一択じゃないか。


「これだけの功績があれば温情を受けて晴れて自由の身も夢ではありませんですわ。」


「自由は流石に無理じゃないか、俺は勇者として呼ばれたわけだからな。」


 そう、俺は使命を持って勇者としてこの世界に呼ばれたのだ。

 別に、なんとなく呼ばれたとか手違いとかではない。

 そして、使命を果たすまでは自由を得ることはあり得ない。


「納得がいきませんですわ。」


 彼女は珍しく俺のために悲しそうな表情を作る。


「気にすんなよ、俺もまだ暫くは冒険を続けるつもりだし、たまにはこんな冒険も悪くないからな。」


 もしかしたら命を失ってしまっていたかもしれない。

 そんな状況に陥ってなお、カラカラと笑って見せる。


「はぁ、分かりましたですわ。私が腕を振るってご馳走して差し上げますですわ。」


 そんな俺に毒気を抜かれた彼女は気持ちを切り替え、腕まくりをする。


「さて、これだけ大きいと流石に食べ切れませんし、貴方はどこを食べてみたいのですわ。なんでも言ってみると良いですわ。」


 彼女がどこを食べたいと聞かれたので、「あれが食いたい」と俺はとある部分を指指す。


「本気ですの?」

お読み頂きありがとうございました。


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