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プロローグ
「……はい。標的を仕留めました。今から本部へ戻ります。」
冷え切った「標的」を再度見つめ、少女は窓からの逃走をはかる。
その時ーー
ピリリリリリリリリリリーーー
さっき胸ポケットに入れたばかりの携帯が鳴り響いた。通信相手はーー「さる」。
「……もしもし。なんですか? 大事なようでないなら今仕事中なのでーー」
「ねこーー!!!! 聞いてよ!!ワンちゃんのメアドをゲットしたんだぁ!!」
淡々と告げる少女に対し、相手はやけに上機嫌に答えた。少女は相手のテンションに呆れつつ、薄く微笑んだ。
「なるほど。で? 私に報告してどうするつもりなんですか?」
「うぐっ。実はまた「たつ」のことで……」
標的の屋敷から離れて行く少女は静かに笑った。
「また……。騒がしくなりそうですね」




