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デジャブだらけのゲーマーライフ  作者: 霧ヶ峰シオン
6/10

セクハラしてしまいました

今回は少し平和(?)なラブコメ的なシーンが多いですね。次もその予定ですので…。ゲームを交えつつのラブコメです!!

僕らはそれからしばらく平穏な日々を送った。その後もたびたび謎の黒服の男たちに襲われることもあったが生徒たちに学校全体のAR機能追加が公表されたこともあってスムーズに対処し、前のように被害者を出すことはなかった。僕が体育館のAR機能について知ったいたことも黒服の男たちの襲撃での功績もあって目をつむってくれることとなった。


そんなことが審議され、やっとひと段落ついたと思われた翌日の朝のホームルーム。絶対にこれ以上厄介ごとに巻き込まれず自分の平凡たる高校生活を謳歌したいと僕が考えた矢先…。これまた我らが2組のメンバー全員を驚かせる知らせが筋肉教師から伝えられた。


「えー、大変特殊なことではあるがうちのクラスに急遽、今日から編入してくる生徒が入った。」


『えぇー!!』


僕も含めこのクラス全員が校舎を揺らしたのではないかというレベルで驚いた。それもそのはずである。この学校は相当特別なことがない限り途中からの編入を認めてはいないうえに編入するとしても途中からの編入であれば確実にスルメ峰くん率いる1組に編入するはずだからでありもちろんそのことをクラスの人たち全員知っていて編入生などまず来ないだろうと踏んでいたからである。


「先生ー!事情をお聞かせ願いたいのですが」


無論こんな特殊なケースの内情を学校の一教師でしかない先生がバラせるはずもなくーー


「校長のお孫さんだからだそうだ。」


『えぇー!!』


2度目のこのセリフ。今回もまたクラス全員が前回に負けないレベルで驚いた。

それもそのはずである。その理由が単純明快で学校の校則である絶対遵守のルールを捻じ曲げたのが校長のコネという草も生えないものでありまたそれをバラすことができるはずもない一教師である筋肉教師が躊躇なくバラしたからである。ここまで説明し終えたころにまた次の質問が来る。


「なんで2組なんですか?」


「お孫さんの強い希望があってのことらしい。なんでも将来の婚約者候補がうちのクラスにいて是非一緒のクラスで学びたいということらしい。」


もう驚かないと言うべくクラス中が静まり返っている中このえぐいフラグのたち用に少年アツシは頭を抱えていた。だがその時、彼の頭にはこのフラグを折る素晴らしい案が浮かんだ。その時彼はそれに全てをかける思いで立ち上がった。


「先生。自習活動を行ってもよろしいでしょうか。編入生の自己紹介等ならば聞きながらいたしますし必要であればこちらから自己紹介もいたしますので」


「おい今野。勉強熱心なのはいいことであるが切り替えも大切であるぞ。何も初対面の人間に向かってゲームしながら挨拶というのは流石にないだろう。」


「しかし先生。今回は特殊事態ですよ。本来ならばもう授業としてゲームを開始していてもおかしくない時間です。さらにちゃんと校則には編入生は受け付けませんとちゃんと書いてあります。僕は編入生による授業時間の減少はないのかというその点についても考慮してこの学校に入学させていただいたのです。なのにその校則を破っている学校側の方が僕の学習を妨害するのは少し酷いとは思いませんか?たしかに特殊事態であるからしてこちらも融通を効かせることは大切だと思います。しかしそれは自身の学習の二の次です。だから僕は編入生とのコミュニケーションはとりますがそれは学習しながらでいいですかと聞いているんです。元々そちら側が校則に編入生はなしということを知っておきながら招いたのですからそちら側が失礼であるというのは論外もはなはだしいと思うのですがいかがでしょうか。」


クラス中がぽかんとする中、筋肉教師は少し混乱しながら結局「勝手にしろ」と言ってくれた。


「(よし。これで僕はこれから入ってくる編入生に顔を合わせずに終われるぞ。今回で言えばクラスのメンバーの目の前であ、お前は…!?とならなければフラグ折り成功でいいだろう。ところでなんで僕は編入生と顔見知り確定だと思ったんだっけ…?)」


新たなフラグが立った今筋肉教師の言葉に合わせて扉が開く。そして入って来たのは…黒髪の女子生徒である。身長普通スタイル良好整った顔に優しそうな雰囲気。


「(誰だこれー!なんだよ。この世界はフラグ通用しないのかよ。普通平凡な日常を求めた日に変則的な編入生来たら顔見知りだろ!!!)」


そんなことを思いながら知り合いだった場合、バレないようにARの世界に逃げ込み見た目を少し変えていたのを恥ずかしく思いクラスの後ろのスペースにいた僕は前の方に背を向け今日の1限目の内容である武具点検を始めた…


武具点検を始めると彼女の自己紹介が始まった。筋肉教師にああ言ったことだしちゃんと聞くかと自分を説得して耳を傾けた。


「えっと、天川奏音あまがわかのんと言います。今回この学校このクラスに編入させていただいたのは少し私事な事情がありまして…。とにかく、仲良くできたら嬉しいです。」


なんと適当かつおっとりとした挨拶の仕方だろう。そう思った矢先彼女の顔を見ると少し赤面している。もしかして彼女は婚約者と親睦を深めたいと筋肉教師にバラされたことを知らないのか…?その時彼女と少し目が合ってしまい咄嗟に後ろを向く。こちらに向かって歩いてくる音がする。


「後でゆっくり話そうよ」


耳元でそう囁く彼女。僕がみんなの前で何か言われたくないのを察してくれたのかそうしてくれたはいいが結局目立ってしまっているうえに少し怖いのだが。僕は彼女とは正真正銘の初対面である…筈だ。


放課後。屋上に呼び出された僕は手招きされて彼女と1mくらいのところに座る。


「えっと、僕に何か用かな?」


「えー?私のこと覚えてくれてないの?」


「ごめん…。」


少しムッとした彼女。こんなありがちなやり取りをする僕ら。当然のことながら屋上には僕ら以外は誰もいなく、ガランとしている。


「昔はよく砂場で遊んだね。君が全然体を動かしたがらないから。かと言ってお互いの家に行ったこともないし私たちは2人で砂遊びするしかなかった。」


「(そういえば、昔よく僕と遊んでくれていた女の子がいたっけ?少し大人しかったけれど笑顔が可愛かった。)」


「もしかして君は…あの時の。でも君は海外に引っ越してしまったじゃないか。小学校3年生の頃に」


「よく覚えてるね。でもパパが高校になったのだからこっちに戻って来てもいいよって言ってくれたの。でもあいにく都合が合わなくて。編入するためのテストやら手続きやらで時間かかっちゃって気づけばもう6月だね。」


「うん。」


「ねぇあっちゃん、私とゲームしようよ、久しぶりにさ。」


「いいよ。」


ゲームすることになった僕らは携帯用アプリのカードゲームをプレイした。


「あー負けちゃった。結局あっちゃんには一度だって勝てたことないよね。」


「その呼び方はやめてって昔から言ってるだろ?紛らわしいんだし。」


そんなやりとりの後、彼女は妙に真剣な顔をこちらに見せて問いかけてきた。


「ねぇあっちゃん…あの約束、覚えてる……?」


「どんな約束だっけ?」


「ひどいなぁ〜。ほら私とゲームして私が勝ったらってやつ。」


「そういえばそんな約束もしたっけな…?まあとりあえず今はもう帰ろうよ。お家の人も心配してるだろうし…。」


「うん。そうだね……」


彼女はまだ何か言いたげだったが僕が早々に身支度して立ち上がり歩き出すと彼女もそれ以上は何も言わずについてきた。


ー淳宅ー


「で…、なんでここにあままで来てるんだ?」


「そんなの私があっちゃんの幼馴染だからだよ〜」


僕が風呂から上がり自分の部屋に移動するとそこにはあまがいた…。


「母さん!もう夜なんだしあま勝手に入れたら迷惑だろ!あっちの親御さんに」


「あら、あちらの親御さんには許可もらっていますよ?」


2階の僕の部屋に聞こえてくる下からの母さんの声…その言葉の内容に思わず心の中でツッコんでしまった


「(ますよ?じゃない!!!何の用なんだよ!全く…)」


「私、今日あっちゃんの家に泊まるから。久しぶりの再会だし色々話そうよ」


「母さんあま泊まるって言ってるけど〜!?」


「うん、知ってるわよ〜。親御さんにも許可もらってるし。明日は一緒に学校行きなさい。」


「(わよ〜じゃない!!!!!!!!男女の青春時代真っ只中な2人…もういいや……)」


「あ、それと部屋あんたの部屋しかないからちゃんとあんた布団に入れて上げなさいよ〜」


「(なさいよ〜じゃなさすぎだ!!!!!流石に同じベッドで寝るのはあまも嫌がって…)」


そう思い彼女を見ると少し顔は赤いがまんざらでもなさそうだ。まああまが嫌じゃないのならいいのだが…。


その夜。僕は寝返りを打つたびに顔は近くなるしあまはずっとこっち向いてるしで全然眠れなかった…。だがふとこんなことを考える…。


「(もし…もしもこの世界に神様がいるのだとしたらどうして僕に幸福をこんなにも分け与えてくれるのだろう。進学してから何もかもがうまく行きすぎている気がしてならない…。もしかしたら神様はいたずら好きで…僕なんか…を…しあ…わせに……)」


朝目が覚めると僕は身動きが取れなくなっていた。よくよく状況を見ると僕と彼女は抱き合い、絡まっているかのようにされていたのだ。とりあえず自分の彼女の後ろに回った手や足をほどき彼女を起こそうと体を揺さぶると彼女はより一層強く抱きしめて来た。そんな彼女の様子を心配そうに見ていると彼女の重い瞼がゆっくりと開いた。


「¥$☆♪→%〜!!」


彼女が顔を真っ赤にしながら奇声を発すと僕のことをうるうるした目で見ながら言った。


「やっぱり私は体目当てで泊めてもらえたんだね!そうだよねそうだよね。男の子だもんね。でも流石にそれは…その…早い…から…心の準備ができてからに……」


「なに言ってるの?僕は君に何かしようとする気はないよ…」


彼女は顔の赤らみをより一層深めて僕の部屋を出て1階へ降りていった…

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はさすがにやりすぎた感じがありますが…まあ良しとしましょう。次回…少年は夏休みを前にしてあの女生徒からある提案を持ち出される……

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