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デジャブだらけのゲーマーライフ  作者: 霧ヶ峰シオン
3/10

何故かよく変な視線を感じるんだが

少し遅くなってすみません!第3話です!

「はぁ…。」


「どうしたんだよ、浮かない顔して。クラスを優勝に導きクラスを2組にして俺との賭けにも勝ったっていうのによ。」


そう言って教室に向かう最中、僕のため息の理由を聞いてくるのは先日の学校行事が終わった後に見事仲直りを遂げたばかりの唯一の友人、詩ヶ崎英夜である。


「それはそうでしょ。家から出て周りを歩くだけで人から見られるなんて。」


「そりゃまあお前の学校行事でのスーパープレイがモニターにより全校生徒に、テレビ局により全国に流されたんだからよ。」


そう。僕はあの時英夜が敵を引きつけている間、ビルの裏側から出てそこで待ち伏せている敵を一人、屋上へと登り奥のマンションにて英夜を狙っている5組のクラス代表をまた一人、ビルの上からマンションの中から英夜を狙っている敵3人をあっという間にヘッドショットで瞬殺したのだ。


「そんな他人事ひとごとだと思って。僕が注目されるの苦手なことくらいそろそろわかってほしいよ。」


そんな友達のような会話に僕が一人小さな喜びを感じていると一人のとんでもなく髪の毛の長い女の子が僕の正面に立って僕の目を見てくる。自然と目を下に向けると彼女の髪の毛は地面についてしまっていた。


「なにかな?僕に何か用でもあるの?」


僕の子供を相手にしているかのような対応にイラついたのか不機嫌そうに頬を膨らませて答える。


「そうです!あなたに用なのです!突然ですが私のFPS同好会に入っていただけませんか?」


「ごめんなさい。丁重にお断りさせていただきます。」


そう言って少年は斜め45度のお辞儀をすると彼女の横を通り過ぎて隣のイケメンとの会話に戻る。それを見て幼女と呼ばざるを得ない女の子をより一層怒りをあらわにして少年の方を向き叫ぶ。


「わ、私だってどれだけ上手いかもわからない人間を同好会に入れたくはないわよ!でもそれは私が熱で学校行事を休んであなたのことを見られなかったことが原因であってあなたに非はないのだから誘ってあげようと思ってそれでそれで…。」


気がつくと彼女の目からは涙がポロポロとこぼれ落ちていた。いうまでもなく僕に小さな女の子を泣かせたという責めの視線が集まる。僕はしょうがなく彼女へと歩み寄りハンカチを差し出して話す。


「あんまり泣かないで。せっかく可愛いのに涙で顔が見えなくなっちゃうよ、ほら。」


そう言って僕はおんぶをする姿勢になり泣いている少女を乗せる。僕が英夜に先に行っててと言い彼女に話を聞くことにした。


「で、とりあえず話は歩きながら聞くよ。どこに向かえばいい?それと君は誰?」


「えっと、科学研究室。私は瀬戸琴葉せとことは


それから僕は彼女が科学研究者であることやFPSが大好きなこと、彼女と一緒にFPS同好会を開いてくれた友達がいること、その友達から自分のことを紹介されたことなどを聞かされた。


「着いたよ、科学研究室。」


「うん、ありがと。」


その後ドアの前で立ったまま少しの沈黙。


「さっさと降ろしなさいよ!子供じゃないんだからもう歩けるわよ!」


「ちょ、暴れないでって。わかった、わかったから!」


「ここがFPS同好会の部室よ。というか勝手に使ってるんだけど。さあ入って。」


「いや、僕はいいよ。悪いんだけど部活動とかに入る気はないんだ、ごめんね。じゃあ僕は行くね。」


そう言って少年は中腰になって彼女の頭をそっと撫でて小走りになって走り出した。その頃彼女はひどく顔を赤くしていた。


学校が終わり、僕が家に帰ると一人の元気一杯の2歳年の離れた妹が出迎え、同じく2歳年の離れた姉もリビングから顔を出しておかえりと言ってくれる。僕はこの時デジャブとはまた違う、胸がもやもやとするような感覚をよく感じる…。


「それにしてもお兄ちゃんはすごいね。あの名門のGr校に受かっちゃうんだもん。」


「そんなことないよ。ひとみもきっと受かることはできると思うよ。」


こんなやりとりをしてこっちに笑顔を向けてくるのは妹のひとみである。


「そうそう。おにいちゃんはただただゲームして遊んでただけなんだからさ〜」


そう意地悪っぽく言ってニヤニヤしてくるのは姉のみやびである。


「姉ちゃんだって家ではゲームしかしないじゃないか。」


「そんなことないよ〜だ。家では家事もたくさんしてるしね。」


こんな家族らしいやりとりに胸がいっぱいになる、僕であった。


翌日学校に行くと何やら今までとは別の視線を感じる。こっそりとゲーム感覚で罠にかけておびき出すと僕をつけていたのは瀬戸琴葉だった。


「なに?まだ僕に何か用でも?」


「えっと、その…。昨日はありがと!おぶってくれて。よかったら、その…」


そう言っている彼女は手を合わせて下を向きもじもじしている。


「うん?どういたしまして?まあそれだけなら僕は行くね。」


僕はその日中追いかけ回された。結局屋上に呼び出し話を聞くことにした。


「で?なんで僕を追い回すの?他に用でもあったの?」


「その…なんていうか、私と……友達になってくだひゃい!」


「あ、噛んだ。」


『…』


「か、噛んでないし!そっちが聞き間違えたんじゃない?全く自分の耳の悪さを主張するのも大概にして欲しいものね」


「じゃあなんだよ、その動揺ぶり!第1噛むということを聞き間違えるとかおかしいだろ!」


そこでむすっとなった少女を微笑ましく見てからフォローするように一声かける。


「ふふ。まあなんて言いたかったかは聞こえたからいいとして。僕と友達になってもいいことないと思うよ」


「いや、楽しくゲームしてくれるだけでいいっていうか、一緒にいてくれるだけでいいっていうか…」


そう言って赤面して俯く彼女を理解できずとりあえず承諾することにした。


「うん、いいよ。僕とゲームしよっか。」


「うん!」


その様子を誰かが見ていたような気がして僕はちょっとだけ悪寒を感じた…


翌日、僕は英夜と歩くはずが後ろからこそこそと誰かが付いてきているのがわかるが正体は丸わかりである。ましてや授業まで一緒のを受ける始末…。そういえばこの子何歳だっけ…?


「あなたたちと同い年に決まってるでしょ!私はゲームの研究をしているから授業に出るあなた達とは違う立場だけれど最近活動もないから朝昼晩行動は自由なの!」


お昼のランチにて聞いてみたところ怒鳴られてしまった。僕らはいつも屋上でランチをするのだがそれをどうやって知ったのか屋上のドアが開き舞さんが顔をのぞかせていた。


「ご一緒させてもらってもいい?」


「うん、いいよ!」


普通に舞さんを含めて話していると琴葉が黙って舞さんを睨んでいるので聞いてみることにした。


「どうしたの、琴葉?お弁当食べないの?」


「淳、この女とはどういう関係?」


「ど、どういう関係ってそりゃただのクラスメイトだけど。」


「ふーん」


そんな会話をしている時、またしても僕は悪寒を感じていた…。


僕が目を覚ましたのはすっかり日も暮れた教室だった。5時限目の授業は実践ではなく講習だったため寝てしまっていたようだ。目をこすりながらクラスに誰もいないことを確認し英夜も琴葉や舞さんも誰も起こさず帰っちゃうなんて酷いなぁと思いながら視線を前に向けるとそこにはこちらを睨んでいるかのような観察しているかのような目をした琴葉までとは行かずともロングな黒髪に整った顔をしたバッジからしてうちの生徒で同学年らしい女性が座っていた…

少年はあの学校行事以来よく顔の知られる人間となりました。そんな中少年の周りには女の子が集まってくるように…!?

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