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デジャブだらけのゲーマーライフ  作者: 霧ヶ峰シオン
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自分はゲーマー??

新人ですが読んでもらえたら嬉しいです。不定期で投稿しますが週一は目指したいと思います!コメント等々待ってます

今は2054年7月。現実離脱高校(略してGr高校)に転入する1人の可愛い系のイケメン少年がいた…。


「(今日はいよいよ転入日かぁ。7月ならもう人間関係とか固まっていそうだなぁ。っていうかGr高校って普通の授業とかするのかなぁ。それだとしたらついて行けそうにないなぁ)」


ーGr高校1年1組の教室ー


「えっと、今日転入しました、今野淳こんのあつしです!よろしくお願いします!!」


そう言ってお辞儀すると手提げ鞄の中の教材と思しき本という本が彼の頭に降り注いだ。しかもその本というのが「人とのコミュニケーション」第1弾から第4弾

である。彼はそれを赤面しながら拾い上げるとそそくさと自分の席に向かった。クラスにはそれを苦笑いするものとなんの反応も見せないものの2種類いた。


「(さてと、やらかしてしまったことはもう忘れよう。それにしても教材も何も配られてないし時間割もわからないからとりあえず誰かに聞きたいのだけれど…なにこの空気…!!クラスには誰も立とうとする人いないしなんかゲームやってる人ばっかりだなぁ。よし、思い切って隣の眼鏡の女の子に聞いてみよう。)」


「えっと、次ってなんの時間かわかる?何か必要なものあるかなぁ?」


「…」


「(あー無視ですか無視ですか。あーそうですか。ならもう知らない。さっきからクラスの雰囲気悪いし。今日は徹夜でゲーム攻略してたせいで眠いしもう寝る!誰も授業の準備とかしてないみたいだしもういいよね。)」


「の!…んの!…い今野!おい今野!」

「あ、はい!」


ゆっくりとまぶたを開けると怖い筋肉質の先生が自分の顔を覗き込みながら名前を呼んでいる。


「起きろ!授業中だぞ!最初の授業から居眠りとはいい度胸だな!ったく!」


そう言いながら筋肉教師は黒板の方へ遠ざかって行く。見ると自分の机の上には一つのゲーム機が。


クラスの人たちは皆そのゲームに夢中になっている。

しょうがないから自分もそのゲームを開く。すると見覚えのあるゲームで、RPGものだけれど少し頭を使うところがあって攻略には時間のかかるものだった。

僕は前攻略したこともあってか罠も覚えていたし謎も簡単に解けた。自分でも不思議なほどよく覚えていたのである。


「先生〜。全クリしたのですがどうすればいいですか?」


そう言うと共にクラス中の人の視線が彼に集まり、先生ですらクリアしておらず先生もやりかけのそのゲームを教卓の上に置きこちらへ歩み寄ってきた。


「そんなはずなかろう。このゲームはアミュールの完全新作で難易度も一段階上げたとアミュール自身が言っていた代物だぞ。たかが30分で終えられるはずがない。」


そう言ってゲームを覗き込むもゲーム画面にはエンディングが流れている。先生は唖然としてムンクの叫びのような顔をしたままゲーム画面を眺めている。


「ほらね、終わってるでしょ?で、あとの時間はどうすればいいですかね??」


クラス内が多少ざわめいている。少しの沈黙があったのち、1人のいかにもな感じのチャラ男くんが画面を覗き込んできて聞いたことのあるようなセリフを口にした。


「なんでや!そんなのチーターや!チーター!どうせ新しいチートでも見つけてぱっぱとクリアしたんやろ!」


もう一歩だな、もしくは蛇足と心の中で思うと少年は立ち上がりまた思っていることをそのまま口にした。


「数十年前のゲームならともかくこの時代のゲームに即全クリできてしまうようなチートがあるわけないでしょう。しかもあのアミュールですよ?何人ものテストプレイはもちろん、最終的には機械での審査までしてるのにこんな簡単にチートが発見できるわけないでしょ。僕は普通にプレイして普通にクリアしたんですぅ〜」


僕の最もなセリフを前に全員が驚きのあまり口が開いている。そこでクラスの前のドアがピッという電子音ののち自動で開いた。言い忘れていたがこの学校、いやこの世の建物すべてには電子ソルジャーと呼ばれるものが組み合わされており、それぞれに設定された動きをセンサーにより何かが感知されると同時に行なわれる仕組みになっている。この電子ソルジャーはほとんど全てのものに組み込まれておりそれは学校のドアも例外ではない。


「お前らうるさいんだ!最底辺のクラスのくせして!今の時間は全てのクラス共同でアミュール制作の「紙類王の財産」を攻略するはずだろうが!僕だってやらなきゃいけないのにクラス代表だからとか言ってみんなに…」

そんな彼がクラスの愚痴を始めたところでうちのクラス代表と思われるいかにもなメガネ君が口を挟む。


「すみません。2組代表、スルメ峰くん。だがうちのクラスに今日転入してきた子がもうクリアしたと言っており騒いでしまっていたのです。」


なんだ今の会社の部下と上司みたいなやりとりはと思いながらスルメくんの方を見る。


「そんなはずなかろう。だって今回のゲームは…カクカクしかじか…そんな早くクリアできるわけないだろう」


筋肉教師と同じようにまた歩み寄ってきてまた唖然として筋肉教師と同じようにムンクを演じている。時代の差を超えて流行っているのかとツッコミを入れたところで彼は気になっていることを聞いてみることにした。


「ところで最底辺のクラスとはどういうことですか??というかこの授業はなんなのですか?なぜ授業なのにゲームをしているのですか?」


するとスルメ君がまたおしゃべりな口を開く。(ダジャレじゃないヨ?するとスルメ…)


「君は何も知らずに入学してきたんだなぁ。この学校は日本の首都、東京都に位置する現実離脱学校、略してGr学校と呼ばれる学校さ。」


「うんそこまでは知ってる」


スルメ君がチッと舌打ちをして続ける。


「名前から分かる通りこの学校はゲーマー育成学校なのさ。ただしいつ、誰の手によって作られたのかも不明。わかっていることは2022年にノーベル賞をもらったホワットゲームズ君の「ゲーマーの価値の教典」という本の中でゲーマーがいかに優秀かつ存在価値の高い生物であるかが証明されて建立されたとされていることだけである。ちなみにGrとはGamerのGrでもありそこもまたゲーマー育成学校とかけられているんだ。」


スルメ君の聞きたくもない豆知識を披露されたところで未だに立ったままの寝不足そうな顔の少年はまた口を開く。


「ではこの学校の授業は基本ゲームをするということですか?」

「そういうことになるな。」


興奮のあまり心の中でノリノリの音楽をかけながらオタ芸をしているとスルメ君が少し照れながら聞いてきた。


「と、ところでそのお前ってそんなにゲーム上手いのか?よ、よかったら俺と友達に…」


そこで今まで一言も喋らなかった少年の右隣の席のかっこいい系のイケメン少年が意地悪そうに言葉を遮った。


「それにしてもお前すげえな!結構ゲームできるのな!よかったら俺と友達になんねえか?」


少年はパァっと明るい顔になって当たり前の答えを口にした。


「うん!もちろん!!よろしく!えっと…」


「詩ヶ崎永夜しがさきえいやだ。英夜でいいぜ。あつし!」


「う、うん。よろしく、英夜。」


「それにしてもこんな俺やあつしは1組の連中の中じゃレベルが卓越してると思うけどな。クラス移動とかないのかよ。俺は試験のときたまたま熱出ててこんな低いとこに下げられちまっただけだしな。むしろ熱出てても倍率1.6倍のゲーム試験に受かる実力をもっと評価して欲しいもんだぜ」


「そ、そんな言い方よくないよぅ、英夜。仲良くしようよ、ね?」


そんな僕の忠告を無視してえいやは今一度問いかける。


「で?どうなんだよ。クラス昇格はあんのかないのか。」


そこらへんは何も知らないらしいクラスメイトのみんなやスルメ君の視線は自然と筋肉教師へと向かい、筋肉教師はため息をついて答える。


「ある。第一に俺ら1組が上がれんのは2組だけだ。そこは勘弁してくれ。2組のクラス担任に2組に入りたいという申請書を書いて2組側が決めたゲームでクラス代表と勝負して勝てばいいんだ。そしたら入れる。この場合2組側には拒否権はないがその代わりに代表の得意ジャンルのゲームで戦うことができる。このゲームでは2組側にも利点がある。2組代表が勝てばクラスポイントを加算することができるのだ。」


「そう、この学校には各学年にクラスポイント、略してCPという制度がある。クラスポイントで2組を上回ればそのままクラスメンバーは変わらずに2組になることができるのだ。しかし、1組はその昇格はほとんど不可能なのだ。入学時にもらえるCPは1組が100。2組が1000。3組が1500。4組が2000で5組が3000という皮肉さなのである。CPは2週間に一回というハイペースで行われる学年行事や学校行事で稼ぐことができる。」


スルメ君が言葉巧みにそう答えるとえいやは聞いてねえよとツッコミを入れている。


「ちなみにその学年行事は次いつなんですか?」


「明後日だ。その上その翌日には学校行事であるクラス別VRゲーム大会がある。そこで活躍して学校長の目に留まれば飛び級して3組や4組、ワンチャン5組にもなれる。」


えいやがそう言うとクラスメイトはちょっとしょぼんとした雰囲気になる。僕がこそっとそのことについて聞いてみるとえいやはまた意地悪そうになって大きめの声で言った。


「そりゃそうだろ〜。このクラスのメンツじゃどうやったって勝てっこないもんなぁ。この学校は有名校だからテレビの取材まで来るんだぜ?全国に俺らが無様にやられる様を見られるってわけよ。だから俺は早く2組に上がって少しでも勝つ可能性のあるとこに行きたいんだよ」


僕はその言葉に我慢できず言い返してしまった。


「そんなのまだわからないじゃないか!このクラスだってそれぞれに得意ジャンルとかがあってたまたま噛み合ってなかったってことだってあるよ。ゲーマーに対して一番やって行けないのは…その人の可能性をなくすことだよ!」


「何お前偉そうに語ってんだ。ならこのクラスで学校行事、一位になれるとでも思ってんのか?学年行事の時にこいつらの動きを観察してもいいぜ。それで学校行事に2組に勝てたんなら俺が悪かったことを認めてやるよ。」


ここでカッとなってしまい僕の悪い癖が出た。


「なんだよその言い方!2組にとは言わず学年で1位になってやる!そしたら英夜も2組に行くとか言わないよね!?じゃあ僕は2組にすら勝てなかったら君に対して土下座するしもうえいやも2組に自由に行っていいよ。その代わり!1組が1位になった時には英夜はクラスのみんなに土下座して2組にも行かせないからね!」


ここまで言ってハッとなった時にはもう遅かった。英夜くんはわかったとだけいい、その日僕は後悔するも話しかける度胸もなく一日中全く話さずに僕の転入初日は終わった。


翌日から僕はクラスメイトの情報収集をした。いろんな人に関わっていろんな人と話していろんな人のことを知った。それは敵クラスのこともだ。自慢じゃないけれど僕は人の懐に入る事がとても得意らしくいろんな人の情報を得られた。そしてとうとう英夜と一言も話すこともなく学年行事を迎え僕はエントリーされておらず見守ることしかできなかったが惨敗して今、ロングホームルーム、略してLHRを迎えている。


「(つまり学年行事はクラス対抗でいろんなジャンルのゲームをする。今回で言うとFPSか。で学校行事は様々だけれど大体は今回みたくいろんなジャンルを入れてクラスで選抜したメンバーがクラスごとに戦う制度か。)」


いろんな人の得意ジャンルを知り尽くした僕は次々と指名して出場種目を決めていった。


「ねえ。英夜はなんのジャンルのゲームがいい?」


恐る恐る聞くと無視せず普通に返してくれた。


「なんでいいわ!」


不機嫌そうに返すもまだ無視しないところあたりもうそこまで怒ってないらしい。


ー学校行事当日ー


「ついに学校行事!せめて恥のないよう動いてくれ!」


「僕らは実力はなくとも知恵がある。それに今回は淳も参加してくれる!淳の期待にも応えるために一位、取るぞ!」


『おー!』


筋肉教師、クラス代表の順に演説するととうとう学校行事が行われる大ホールへと移動を始めた…


その通路でふと少年は思った。


「(なんで僕は新作のはずのゲームのあらすじや攻略法を知っていたんだろう…。僕は本当にここにいていいようなゲーマーなのだろうか…。

いや、今は大会に集中しよう!)」

最後まで読んでいただきありがとうございます!!今回はまだ色々と説明不足も多く、イメージも膨らまず面白いかどうかわからないですが、次も見ていただけると嬉しいです!今少年はまだ自分の存在のデカさに気付いてないのですがこの学校行事が終わるにつれて少年の過去が明らかになります!今はのろのろしたペースで話は進んでいますがこれからはもっとハイペースなストーリー展開になると思います!必ず完結させるつもりなのでよろしくお願いします!

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