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水無月学園生徒会は、どんな世界でも最強なのです!  作者: 葉月 都
第一章 水無月学園生徒会は、チュートリアルに向かいます
6/68

6,戦闘チュートリアル


すると、またもや目の前の景色が変わり、今度は奥深い森の中になる。

そして、ぽんっと目の前に、あの有名RPGゲームと似たスライムが現れる。



【ワールド外の森、野原などは『フィールド』と言います。

フィールドには、何百種類ともなる魔物、『モンスター』が出没します。

モンスターは、その視界にプレイヤーをとらえることによって戦闘態勢になります。

ロックオンされると、強制的にバトルモードへ入ります】



そのテロップが流れた後、ヒマリとスライムのあずきみたいな小さな目と視線がバチッと合う。


(えっ?)


すると、今までほのぼのとしたBGMだった音が、いきなりファインティングな軽快なロック調の音に変化する。



【バトルモードは、『コマンドボード』を使ってバトルをします。

戦闘をおおまかに言うと、コマンドボードでコマンドを入力し、武器にその力を宿して戦う感じです。

魔法・弾幕の場合は、遠距離攻撃となるので、コマンドを入力後すぐに発動されます。


まずは、炎コマンドを入力してみましょう。】



その時、今度は4×4の緑や赤や青をした球体が並んだ画面が目の前に表示される。



【炎コマンドは、炎のフィンカーを四つつなげることで入力完了となります。】



(炎…………ってことは、赤い丸を四つつなげればいいのかな?)


ヒマリはぐるりと画面を見回すと、赤い球体ー 炎のフィンカー ーを縦に四つ並ぶように球体を動かす。

すると、四つ並んだフィンカーがポオッと光り、ボード上から消滅する。



【今回は、チュートリアル用の剣に炎の力を宿してください】



というコマンドがボードの横に現れたかと思えば、いつの間にか銀色の剣が右手に握られていた。


(ぅおっ?!い、いつの間にっ?!)


だが、なんとか冷静になると、ヒマリは剣を持ち直す。

すると、剣の刀身が赤白く光り輝いた。



【そのまま、スライムに刀剣をあててください。】



言われた通り、ポスッと間抜けな音を立ててスライムに赤い刀剣を当てる。


こんなんでダメージが入るのか、とヒマリは思ったのだが、



ピロリン♪

スライムLv1を倒しました



(うそぉ……………)


可愛い鈴みたいな音が鳴り、コマンドボードの横にそんなテロップが流れる。

そして、目の前にいたはずの水色スライムちゃん(女の子か分からないけど)が、霧のようになって消滅する。



【おめでとうございます!

無事、スライムを倒しましたね。

コマンドは、戦闘外の場面でも使用することがあります。何がどんなコマンドかを忘れてしまった場合、右横にある『?』ボタンを押していただくと、調べることができます。

また、出したいフィンカーがない場合、ヘルプボタンの下にある水色のボタンをタップしていただくと、ボード上のフィンカーが新しいものに変化します】



(へぇー…………じゃあ、つなげれなくなったらシャッフルしてもらうんだね。)


なんとなく、このゲームの仕組みが分かってきたヒマリ。

すると、表示されていたコマンドボードとテロップが消え、またもや新たなテロップが表示される。



【続いて、精霊術による攻撃のチュートリアルです。

今回は、チュートリアル用の精霊と共に、エリアボスに挑戦していただきます。】



(へー、エリアボスかー………………………なぬ?!)


ヒマリは、びっくりしすぎてテロップを二度見する。

そこには、確かに「エリアボス」と書かれている。



「いやいやいや、チュートリアルでエリアボスとか!無理だよ!」



思わず反対の声をあげる。

すると、



『だいじょーぶ!始まりの森のエリアボスは弱いから♪』



すぐ近くで鈴のなるような可愛い声が響く。



「へー、そうなんだぁ………………え?!」



芸人に勝るとも劣らぬ素晴らしい反応を見せるヒマリ。

驚いて見たヒマリの横には、半透明の羽にピンクの腰まで垂らされた長い髪、お花をそのままドレスにしたような洋服、そして、柔らかいピンク色をしたバレエシューズを履いた、世間一般で言う「妖精」がヒマリにウィンクをする。



「誰?!」

『チュートリアル専用の妖精の、フィラメントだよ☆よろしくね!』

(フィラメントって、電球についてるやつの名称だよね…………すごい名前。)



あはははは………………とヒマリは小さく苦笑い。

すると、フィラメントはヒマリの目の前にやってきて、にっこりと笑った。



「えと……………フィラメントさん、私まだ弱いでしょ?エリアボスって…………怖いんだけど。」

『大丈夫!私、意外に強いからさッ。それに、二人で戦うとそうでもないって!ヒマリが弱くてもカバーしあえるから!!』

「それ、フォローになってなくない?」



ヒマリが、ドヤ顔のフィラメントをジト目で見る。

不思議な空気を切り裂くように、ヒマリの視野の片隅に、テロップが表示された。



【それでは、エリアボスとの戦闘に移ります。】






ーーーーーーーー



「………………え………………………」



真っ暗闇の部屋の中。

三つのPC画面の光だけが、その部屋を照らしている。


そして、その前に陣取る人影が、ある一つの画面を食い入るように見つめていた。


そこには、たくさんの人々の個人情報が表示されていて、三十秒に二人ぐらいの速さで次々に追加されている。

だが、それは"後ろの画面"の映像である。

その人影の目には、ある一人の情報だけが映っていた。



「………………………なんで、いるの………………………」



大きく見開かれたその黒い眼に映るは、四つの漢字。






「ひよ………………………」








次回は、エリアボスとの対決です

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