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水無月学園生徒会は、どんな世界でも最強なのです!  作者: 葉月 都
第四章 水無月学園生徒会は、平凡なる毎日を所望しています
32/68

32,どれにする?


「所で、クエストってもしかしてたくさん種類があるの?」

『はい。【通常クエスト】・【NPCクエスト】・【プレイヤークエスト】・【キークエスト】・【緊急クエスト】・【シークレットクエスト】・【種族クエスト】・【職業クエスト】のソロクエストが8つ。【パーティクエスト】・【テイルクエスト】のチームクエストが2つ。計10種類のクエストが存在しています。』

『通常クエストは討伐系ばっかりの野蛮な奴だけど、NPCクエストや緊急クエストは【○○○を取ってきて!】とかそんな感じだからさ!』



ほぼ、テンプレだね、やっぱり。

私はその後、ウィルの説明、ララの補足という順番でクエストの説明を受けた。



【通常クエスト】

参加条件:三人以下のパーティ、ソロ

内容:討伐系統が主。


【NPCクエスト】

参加条件:同略

内容:採集系統、討伐系統が主、NPCからの依頼


【プレイヤークエスト】

参加条件:同略(自由)

内容:討伐、採集が多い。プレイヤーから発行されるもの


【キークエスト(別名 ストーリークエスト)】

参加条件:ソロのみ

内容:特別な街道に行けたり別の国に行くためのもの、ストーリーを進めるうえで必要なクエスト


ーーーーー


ここで、私は口を挟んだ。



「ストーリーって……………ファンツリにはストーリーがあるの?」

『うん!と言っても、ストーリークエストにたどり着けるプレイヤーはあまりいないんだけどね。』



ララは苦笑いしてそう言う。

キークエストを受けるには、攻略とか進めないとだめな気がするしね。なんとなく。


ーーーーー


【緊急クエスト】

参加条件:同略

内容:主にNPCから発行される。緊急なためクエストランクが高めのものが多いが、その分報酬が多い。


【シークレットクエスト】

参加条件:ソロ

内容:特定の条件をクリアすることで、そのプレイヤーに直接通達される。シークレットクエスト中はログアウトができない。


【種族クエスト】

参加条件:指定された種族だけで三人以下のパーティ、またはソロ

内容:特定の種族にのみ攻略ができるクエスト。


【職業クエスト】

参加条件:指定された職業のプレイヤーだけの三人以下のパーティ、またはソロ

内容:特定の職業のプレイヤーのみ攻略を許されたクエスト。


【パーティクエスト】

参加条件:二人以上八人以下のパーティ

内容:討伐系統のものが多い。


【テイルクエスト】

参加条件:テイルメンバーのみ(八人以上)

内容:討伐系統のものがほとんど。



ーーーーー



「うーわぁ、絶対覚えられない……………」

『ふふふ、覚えなくても大丈夫ですよ。ちゃんと表示されますから。』



ああ、ウィルが女神様に見える……………

鮮やかに笑うウィルを見ていて、私はほわんと女神様を想像した。



「じゃあ、ちょっとギルドに行ってクエストを見にいこっか。」

『わぁーい!お散歩だ!』

『この時間帯ですか…………人が多そうですし、少し間を置きませんか?』

「え?」



ララと私は行く気満々だったけど、ウィルが苦虫をつぶしたような顔で止めた。



「どうして?」

『たぶん、この時間帯だとクエストを終えたプレイヤー達がたくさんいると思います。情報ギルドもかなりの人かと。』

『ああ、ウィルのいーたいことわかったぁ!』



そう言うと、ララは私の目の前に一つのウィンドウを表示させた。



「…………【天使姫について語ろう!スレ】?」

『ヒマリ様は、ここ数日のうちにファンツリの中の超有名人に名を連ねているんですよ。可愛すぎて。』

「ええええええ?!そ、そんなことないよ!他にも可愛い子はいるんじゃあ…………」

『この世界に現実の容姿が反映されることはわかるでしょ?だから、素でこんなに可愛い子はめったにいないの!』



二人そろって親指を立ててグーサイン。

私は一瞬二人に殺意がわいた。もちろん、大切なパートナーだから、倒したりはしーませーん!


……………たぶん。



「ぅぅぅ…………分かったよ。でも、フードかぶってララの結界かけて行こう。」

『でも、それではばれるのでは?』

「二人とも幻影スキル持ってたでしょ?それをかければ。」

『了解だよっ、ヒマリ様!任せて!』



グーと二度目のサインを出すララを見ていて、私はふと気が付いた。


…………あ、私、フード持ってない。


そういえばそうだったよ。あのフードはシノのを借りてたからであり、今回のアップデート前に返したんだった…………よし。


私は、ギルドに行く前にリユさんのお店に行く旨を二人に告げ、人目を気にしながら外へ出た。



ーーーーー


【NPCショップ リトルドール】


「こんにちは!リユさん。」

「あ、ヒマリ。久しぶり。」



カウンターで何やら裁縫をしていたリユさんは、私が声をかけても顔を上げずに針を動かし続けていた。

私は、集中しているところを邪魔してはいけないと思い、静かにショーウィンドウを見て回った。





数十分後。

私が、悩みに悩みぬいた結果、最終選考に残ったのは三着のフードパーカだった。


一つ目が、藍色の猫耳パーカ。

丈はポンチョみたいにやや短めで、本当に猫みたいな立った耳。丈の裾には白い肉球マークが一つ刺繍されている以外シンプルなデザイン。


二つ目は、白色のパーカ。

丈はさっきよりも長くて、トップスと同じ長さだから普通のパーカ。背中に色とりどりのお花が刺繍されていて、とても鮮やかで綺麗。若干裾にレースがついていてドレスっぽい。


最後は、水色のワンピースパーカ。

体に合わせてみると、大体膝ぐらいの丈のワンピース……というかマントで、イルカとか魚が刺繍されているということは、海がモチーフなんだと思う。青と藍色の糸で簡単なテッチで花がかたどられていて、それが波みたいに縫われてるから、その通り波を表現しているんだろうな。



う~~ん………猫耳もいいけど白パーカもなんだよね~~

だけど、マントの方が装備しやすそうだしなぁ……………ステータスも一応マントパーカの方がいいしなぁ…………


全然決まらず、結局私はウィルとララに決断を委ねることにした。




結果。

一対一。

ちなみにララが猫耳パーカ、ウィルがフードマントを選択した。

この時点で、白のパーカが落選となる。


最終判断は、残された唯一のNPCに任された。



「リユさん……………あの、どっちがいいと思いますか?」

「…………え?」



私の声に、裁縫の手を止めたリユさんは、数秒だけ私の持つ二着のフードをチラ見してから、すぐに作業を始めたが、ぼそり、と言った。



「………私は、フードマントの方がいーと思う。」




最終結果

一対二

フードマントに決定した。

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