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水無月学園生徒会は、どんな世界でも最強なのです!  作者: 葉月 都
第三章 水無月学園生徒会は、隠れ最強副会長 望月日葵を育成します
26/68

26,初めての状態異常

頑張りました。



「よし、よし。確認したぞ。そうしたら、門の横にあるボックスに冒険者カードをかざしてくれれば、フィールドに入ることが出来るぞ。」

「ありがとうございます。」



衛兵さんに礼をして、私は、校舎の何倍もある木製の門の横にあるカードリーダーに、リコルさんからいただいた淡い青色のカードを当てる。カードには、ギリお爺さんから貰った国章と同じ形をした紋章が右下にプリントされていた。


ピッと言う機械音が聞こえたと思いきや、隣にそびえたつ門が、ゆっくりと、大きな音を立てて開きだした。





ゴゴゴゴゴゴゴ…………………………………





やがて門が全開になり、私はフィールドへと一歩踏み出した。

そこは、うっそうと木々が生い茂る【森林フィールド】だった。


私は、すうっと深呼吸をしてから、ウィルとララと一緒に森林へと吸い込まれていった。



ーーーーーーー



【レッドスライム Lv5】

属性 火

詳細 炎のスライム。初心者向けのモンスター



フィールドに入ってから、私の目に最初に飛び込んできたモンスターは、チュートリアルでも出てきたスライムだった。ただ、このスライムは真っ赤な深紅の色をしている。


火属性ってことは………水属性の私とウィルが有利だね。


…………………でも。



「ねえ、ウィル、ララ、今日はちょっと二人は後ろでのサポートを頼めるかな?今日はまず私のプレイヤーレベルを上げたいから。私が瀕死になりかけたら回復してくれたり。」

『了解しました。』

『分かった!』



といっても、Lv5のモンスターだし、たぶん弱点属性だし…………それに、私の規格外のATKなら。

私は、初級水魔法【ウォーター】を、コマンド操作しながら発動。

青いフィンカーが消えると同時に、杖の先から水の玉が現れてレッドスライムに激突。




ピロリン♪

レッドスライムLv5を倒しました


ドロップしたアイテムは、クエスト終了後にまとめて表示されます。




あ、そうなんだ。

私は、コマンドボードの横に表示されたテロップをちらりと見てから、改めて前を見る。



おや?今度は違う魔物みたい。



【リズムラビット Lv8】

属性 光

詳細 摩訶不思議なダンスで敵を惑わすウサギ。集団行動を好み、10~15匹前後で生活している。



ええ?集団行動!?

しかも、敵を惑わすって……………


確かに、草原から何匹ものウサギの耳が見える。

リズムラビットと言うそのモンスターは、一見若干茶色な体のウサギだけど、肉球っぽいところに青や緑や赤の音符がついている。



「精霊魔法【ホーリーアーチャー】!」



光フィンカーを移動させ、私は、まばゆい光を放つ、攪乱用精霊魔法【ホーリーアーチャー】を発動。

リズムラビットの耳がたくさんたっている場所に、出現した金色の幻覚弓で太陽光の半分くらいの光量の光を落とす。



「キュウッ!」

「キュウウ!」

「キュキュゥ!!!!」



たくさんの鳴き声があたりから聞こえる。

すると、



『ヒマリ様!状態異常です!』



ウィルの切羽詰まった声が聞こえてきた。

後ろを振り返ろうとするけど、振り替えられない。

体が動かないのだ。


慌ててステータスを開く。



【ヒマリ Lv2】

属性 水・光

職業 精霊術師


HP 155/160〔混乱〕

MP 80/120

SP 100/100


スキル 精霊魔法 光の神ライト・ライティアの加護

備考 特殊スキル 水操作ウォーターコントロール 破壊の力デストラクション・パワー



あーーーーーーーもう!突っ込みは後だ!

状態異常〔混乱〕になっちゃってる!だから動けないんだね!


混乱と状態異常のヘルプは後で見るとして、この後どうしよ!



と考えていると、私が混乱になったのを見て、リズムラビット達が一斉攻撃を仕掛けてきた。

その数、ざっと20匹。




情報ちゃうやないかぁーーーーい!!!!




私は動けない体の中、唯一動く思考で、関西弁の鋭いツッコミを入れる。

と、その時。


バサァッ!


大きな網が、四方八方からリズムラビットを捕獲する。



…………………………………へ?



すると、どこからともなく、熊の毛皮を着た屈強な男の人達が現れる。その人達の手には、銃や剣が。



「よぉし、やっとふいをつくことができたなぁ!」

「ああ!今日はリズムラビットの丸焼きだな!」



狩人を思わしきその三人組は、バタバタともがくリズムラビット達をひとまとめに網でくるんで、森へと消えていった。



『ひっ、ヒマリ様ぁ!大丈夫?』

「あ…………………………うん。」



猟師達が私に声をかけなかったのは、一歩遅れてララが出してくれた幻影のおかげらしい。

それにして、運がよかったな。



『危ないところでしたね。』

「うん。あの人達のおかげだね。」

『たぶん、エルフの国の猟師さんだね!この辺りは魔獣がたくさんいるからさ!』

「エルフの国かぁ………早く行ってみたいな。」



じゃあ、あの人達はNPCかな。

びっくりしたぁ。


ほっと息をついたところで、私は状態異常が解除されていることに気が付いた。

よかった。



私は、ララに結界を張ってもらって、状態異常のヘルプを確認することにした。




【状態異常】

モンスターが持っているスキル。

〔毒〕・〔猛毒〕・〔出血〕・〔混乱〕・〔暗闇〕・〔攪乱〕・〔幻覚〕・〔鈍足〕・〔麻痺〕・〔凍結〕がある。

それぞれ、時間経過で消えるものもあれば、専用のポーションでしか消えないものもある。




うん。たくさん種類があるみたいだから、見るのはいいや。

それぞれの状態異常の詳細を簡単に見てから、私はララに結界を解いてもらった。



「よぉーし!じゃあ、今日はわたしのLvが10になるまで戦うぞーーー!!」

『『おおおおお!!!』』



頑張るぞ!

10になったらログアウトだ!!


そう言って、私は再び魔獣狩り(?)へと向かったのでした。






















【セーブ完了 ログアウトしますか?】

YES NO



YESで……………










ゲームを終了しています………………………












ーーーーーーーーー


「ふわぁあ……………」



日葵は、大きな欠伸をしながらヘッドバンドを外した。

窓から差し込む光は、真っ赤に染まっていた。



「いやぁ、よくやったなぁ、我ながら。」



目を瞬かせながら、日葵はベットへとダイブした。

結局、Lvを11まであげた日葵は、あまりの疲れに近場のギルドでセーブをして、すぐにログアウトしてきた。翔達には、フレンドチャットでそのことは伝えてある。



(おかげでお昼ご飯食べそこなっちゃったな………………うーん、ちょっと外出てコンビニで何か買ってこよ。)



落ちそうな瞼を上げて、日葵は財布を持って、ワンピース姿でそのままコンビニへと向かった。




現実世界では三人称で、ゲーム内ではひよりん目線です。

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