1,私立水無月学園
おはこんこん!葉月都です。
本来なら、夏休みぐらいに投稿しようと思ってたミナガクのを、ちょっと早めにあげました!
でも、ドラすくが少し遅れ気味なので、ちょっとずつ不定期で出してきます。
今度こそ、削除は阻止したい…………
私立水無月学園
それは、伏見町という町の隣にある、意外に都会的な町【亜南町】の、とある小高い丘の上にある全寮制の中高一貫校である。
制服はなく、私服での登校が許されており、お昼はお弁当持参or食堂の学食の、絵にかいたような町の小学生アコガレの学校。
だが、その学校に入れた"普通の人"は、いまだかつて誰もいない。
それもそのはず。
実は、この私立水無月学園は、【超能力】・【異能力】と呼ばれる、非科学的な力を持つ中高生を"保護"するための学校なのだから。
だから、普通の人たちが学校に入ろうとしても、大学生でも解くのが必死な超難関の受験を受けなければならない。
もちろん、そんな受験に合格するものはほとんどいない。
もし、稀にその受験に合格すると、その人も色々な意味で【超能力者】と認定され、学校に入ることができる。その時は、この水無月学園の秘密を話され、それでもこの学校にいると本人が言った場合、正式な生徒となる。
水無月学園では、普通の学校のように授業をするが、それと並行して、自らの能力の向上・抑制を促進させる。
そういう意味では、この学校は、【保護所】でもあるが、【養成所】でもあるのだ。
そして、今から約二年前の春。
この学校に、ある女生徒が入学してきた。
名前を、
【望月日葵】
という。
彼女は、いつも笑顔を絶やさず、誰にでも親切にして、勉強の成績も運動の成績も良好。
俗にいう、【優等生】である。
だから、周りの者も日葵を頼った。
もちろん、日葵を妬ましく思う者もいたのだが…………………そこはノーコメントとしよう。
だが、周りの者は、日葵を不思議に思った。
「彼女は、何の異能力を持っているのだろうか。」
と。
なぜなら、彼女は人前で自らの力を使わなかったからだ。
そして、同じように人々が思ったことがあった。
それは、彼女の右耳に光る銀色のイヤリングである。
楕円形をした銀色の円盤に、不思議な印が刻まれているそのイヤリングは、彼女が肌身離さず付けているものであった。
数人が、彼女に一時期その二つのことについて問いただしたことがあった。
その時の光景は、いまだ人々の記憶に焼き付いているであろう。
問いただした瞬間。
彼女の顔から、表情が消えてなくなる。
そして、一瞬、問いただした者達を、ライオンでも熊でもひるむほどの殺気を放つ。
だが、すぐにそれは消え去り、さっきと一転、瞳から大粒の涙をこぼし始めたのだ。
それ以来、「彼女の能力について聞く」ことは、学校内の禁止事項の重要ランクSになった。
そして、彼女が二年生になり、日葵は、学年選挙投票によって、水無月学園の生徒会に入り、副生徒会長となった。
日葵は、二年生になったことで、ますますクラスの仲間たちと親しくなり、信頼も厚くなった。
この物語は、ここから、始まる