06
今日から魔法訓練というものが始まった。武器に魔力を込めて魔物を倒すという簡単な授業だが、私にはとても難しかった。1つは、ここにくる前に博士に魔力を制御する腕輪をつけられたのでどこまで魔力が使えるかわからないこと。もう1つはこの授業はチームで行うということだ。私は入学してほとんど人と会話をしたことがないのでどうしていいか全くわからない。
考えている内に周りの人達はどんどんチームを組んでいた。同室のガーネットさんもすでにチームを組んでいるようだ。
「はい!皆さん!チーム組んだかなぁ?あぁ、やっぱり余ってる子たちいるねぇ。じゃあリンリーとカロルとジンとシックスでひとチームね!はい!これでみんなチーム組めたね!森に移動するよー!!」
いきなり魔力訓練の担当教師のルル先生が大きな声で喋ってから教室から出ようとしてる。
「おい!勝手に決めんな!なんで俺がこんなやつらと組まなきゃならねーんだよ。」
「なにかなー、カロル君!もう君達以外はチーム組んでるんだから!異論は認めないよー!君達はチームナンバー32ね。さぁ、チームで集まって森に向かってぇ!時間ないからね!」
そう言って、あっという間に教室から消えてまった。他の人達も出て行ってしまって、残っているのは私を含めて4人。
「おい!もうこうなったらチーム組むしかねぇな。一応、自己紹介な。俺はカロルだ。武器は剣。足だけは引っ張らないでくれよ。下手に手出されると戦いにくいからむしろ何もしなくていいけどな。」
「なにその言い方ー?自分が一番的な?そういうのやめたほうがいいよー。あ、私リンリーね。可愛いけど好きにならないでね!武器は弓ね。まぁリンリーも群れるの嫌いなタイプだからこの授業以外はほっといてくれていいから。」
「このチームではチームワークというものは皆無なんでしょうか。私はジンです。基本は回復系なので戦闘では当てにしないで下さい。軽傷のものは回復しますよ。」
ジンさんの眼鏡を上げる仕草が様になるなぁと思っていると3人からの視線を感じた。私も自己紹介というものをしたほうがいいのか。
「シックス、です。剣を使います。よろしく。」
「は?それだけ?お前、幽霊かよ。前髪長すぎて顔見えねーし。お前は邪魔だけはするなよ、評価に響くから。」
「ちょっとそれより早く森行かないとー。リンリー達最後になっちゃうよー。」
リンリーさんの言葉に頷いて教室から出て行ってしまった。慌てて私も続いて教室から出た。