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次の日、目が覚めるとまだ朝日が昇る前だった。部屋のカーテンの向こう側に居るガーネットさんはまだ寝ているようだ。誰も私を見る人をいないのを確認して長い前髪をかき分けると視界が広がった。色素が薄い青い髪にグレーの瞳はあまり好きではない。伸ばしっぱなしの髪は腰のあたりまである。


「はぁ。」

と、短いため息をしてシャワー室に向かった。昨日かいた汗を早くに流したかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

またいつもの朝が来て、学園に向う。季節はもう夏というものらしい。太陽はすでにカンカン照りで、虫が鳴いている。さっき汗を流したはずなのにもう汗ばんできた。

学園の門をくぐるとリンリーさんに声をかけられた。

「シックスおはよー!!」

この数ヶ月でいつの間にかちゃん付けがなくなったのが少し嬉しい。いつも明るいリンリーさんに憧れる。

「おはようございます。」

「いつも堅いよぉー、もう少し肩の力抜いていこっ!!今日は森での魔法訓練じゃなくて実務訓練なんだから!!そんなんじゃ騎士団の人に睨まれちゃうよー」


そういえば今日から実務訓練だった。

実務訓練は国の壁を出て、国の近くまで来ている魔物を騎士団と一緒に外に出て討伐するらしい。昨日の頭痛ですっかり忘れていた。


リンリーさんと話ながら教室に入るとすでにカロルさんとジンさんも教室にきていた。

「お前らさっさとこいよ!!今日から実務訓練だぞ!!!」

「わかってるよぉー。騎士団に会えるからって張り切り過ぎ!もうちょっと落ち着きなよー!シックスなんてビックリするぐらいいつも通りなんだから」

「そうですよ。緊張してるのか朝からずっとこの調子なんで、、」

「そんなんじゃねーよ!おい、シックス!お前はもうちょっと緊張感持てよ!!」


なぜかジンさんに困った顔でこちらを見られた。


「はーい!皆さんおはようございます。今日からついに実務訓練ですよー!!!」

ルル先生が明るい声で教室に入ると、教室内が一気に静かになった。


「あらあら、みんな緊張してるかなぁ?そうよねぇ〜。でも先にペアになる騎士団とチームを発表するわ。チーム1は先行討伐騎士団アン…」

そう言って、チーム1からルル先生が発表していく。この数ヶ月の訓練で少しチーム数が減った。貴族の人は訓練に耐えれなくて実家に帰る者がちらほら居るようで、残った者同士でまたチームを組んで、という感じで実質のチームは少ない。



「えっと、最後ね。チーム32は討伐騎士団トロワ。以上です」


「え?トロワ!?トロワって第二王子が副団長のとこだよね??リンリー緊張してきたぁ!!」

「おい、まじかよ、、、」

「これはまた、、」

なんだかクラスの人が私達を見てざわついている。カロルさん達も何か言っているけどよくわからない。


「はい!皆さん静かに〜!!どこの騎士団とペアになろうがいつも通りやって、騎士団の人にこてんぱんに指導されてきて下さいねっ!魔物と戦うこととは、人を守るとは、たくさんのことを学んできて下さい!半端な気持ちでいくと二年生にはなれないのですからね〜。では、北門に移動してー」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

北門に行くまでにカロルさんは深呼吸したり、ジンさんに何か言ったりと落ち着きがない感じだったがリンリーさんに思いっきり背中を叩かれてスッキリしたようで騎士団の人達が見えてくるといつものカロルさんだった。


「君達がチーム32かな?隊長のキールだ。今日から少しの間だがよろしく頼むよ。こっちは副団長のアルベルクだ。今日は後方からの援助ということでそんなに緊張しないでくれ。」


アルベルク???アルベルクって、、、




「今日からよろしく。副団長のアルベルクだ。騎士団では身分なのど関係ない一騎士なのでそのつもりで。」


そう言って前に出てきたのは、いつも会っているアルベルクさんだった。

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