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ーーー夢を見ていた。ーーー


私はたくさんの花に囲まれていた。綺麗で可愛くて、いい匂いがする。これはコスモス、これはガーベラ、薔薇も綺麗。


そうだ。博士にも見せてあげよう。綺麗な花を。塔の中にはなかった色を。。。

たくさん摘んで、たくさん見せたい。博士は喜んでくれるだろうか。ねぇ綺麗でしょ?



「No.006」

博士?私を呼んでいるの?(ねぇ、博士。見て欲しいの。この花を!)そう言おうとして口を開こうとした瞬間、、、、、、周りが火の海になった。え、なに、これ。ねぇ博士。どうして燃えてるの?やめて、博士。はかせ…


ーーーーーーーーーーーーー


「はかせ!!!!」

「おい、大丈夫か?」

気づくと、すぐ近くにアルベルクさんの顔があった。

「まだ、顔が赤いな。やっぱり救護室に。」

「………それは、だめ。お願い、嫌なの。」

…思い出した。図書館にいたら頭痛がして薬を飲もうと水を取りに行こうとしたんだった。途中で意識を失ったのか。いつ薬を飲んだのだろうか、もう頭は痛くない。

辺りはもうすっかり夕暮れになっていて、私は木陰の下のベンチで横になっていたようだ。背中が汗でベトベトしていて気持ち悪い。起き上がろうとすると

「もう大丈夫なのか?うなされていたが…」

「大丈夫。ただの頭痛。」

アルベルクさんが心配そうな様子で私を見ている。そんな顔でこっちを見ないで欲しい。

「それに初めて見る薬だったが…」


え、、、アルベルクさんに薬を見られてしまった!?どうしよう塔に戻らないといけなくなる。それはー嫌だー

「なんでもない。もう大丈夫。お願いこのことは誰にも言わないで。」

伝わっただろか。必死に伝える。私はまだあの塔には戻りたくない。思わず手を握ると包帯が巻かれていた。寝ている間に手当てをしてくれたのかな。


「大丈夫。言わないからそんな顔するな。」

そう言われて頭をなでられた。優しかった。一度だけ博士に頭をなでられたことがある。大きな冷たい手だった。アルベルクさんは博士と違ってゴツゴツしていたけれど優しく温かい手だ。

「歩けそうなら寮まで送るから、今日はもうゆっくり休め。」

「大丈夫。1人で帰れるから。」

そう言って逃げるように女子寮に戻った。


部屋についてもやる事がなかったが早く寝ることにした。ふとアルベルクさんが撫でた頭を自分でもなぞってみたけどやっぱりなにか違うなと思ってるうちに寝ていた。




ーーーーー彼女の背中を見送って1人、初めて見る青い薬に疑問を持ちながら帰るアルベルクはシックスを調べようとしていた。

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