悪役令嬢大学
最近話題の、悪役令嬢に挑戦してみました。
幻想新聞日本語版5月30日付
5月29日、悪役令嬢の最高学府である王立悪役令嬢大学は、13人の学生が不正行為を行わなかったにも関わらず、「学園追放処分」を受けたとして、処分の取り消しを行ったことを公表した。
記者会見の場で、ゲール学長は「学生たちが不正行為を行ったと言う自白を、十分な調査も行わないまま信用して、『学園追放処分』を行った事が原因。不正行為を行わないまま、不正に『学園追放処分』を受けるという悪役令嬢が出てしまったことにより、質の高い悪役令嬢を輩出するという当大学の趣旨に反し、ベンウルフ王子や社会に対して当大学の信頼を損なったことに対して、深くお詫びいたします」と謝罪。
不正に「学園追放処分」を受けた学生たちに対して、処分を取り消し大学に復学させるとともに、大学事務局学園追放課長及び担当係長に懲戒処分を下す意向を表明した。ゲール学長自身は、自らの報酬を1年間30%自主返納するとのこと。
今後の対応策についてゲール学長は、「今後は、不正に『学園追放処分』を与えることが無いように、事実関係を十分に確認した上で処分する事や、再発防止マニュアルを新たに策定するために、ベンウルフ王子や第三者を含めた再発防止委員会を立ち上げる」と発表した。
なお、記者団からの「先日発表された、元悪役令嬢大学学生のリリマー令嬢と、ベンウルフ王子との『婚約破棄』についても不正があったのではないか?」との質問に対し、ゲール大学長は、「『婚約破棄』については、王国婚約破棄院が厳重な審査を踏まえた上で実施されたことであり、悪役令嬢大学から王国婚約破棄院に対しては、リリマー令嬢の情報を提供しただけであり『婚約破棄』には関与していないことから、今回の事件とは無関係である」と発言し、今回の事件との関連性について否定した。
○今日の解説
・悪役令嬢大学
これまで、悪役令嬢の存在は、少女マンガの世界ぐらいにしか需要がなかったことから、自然に発生した悪役令嬢がその役割を担うことで十分な需要を満たすことができていた。
ところが、近年、「乙女ゲー」の登場や「ネット小説」の普及により、多くの悪役令嬢役が求められるようになった。
しかしながら、天然の悪役令嬢には限りがあり、「転生時の記憶が戻った」と主張し、悪役令嬢がすべき行動を行わなかったり、「主人公の方が悪役令嬢よりもたちが悪かった」などといった、悪役令嬢の質が低下する状況が発生した。
このため、王国は、優秀な悪役令嬢の人材を確保するために、17年前に王立悪役令嬢大学を設立した。
悪役令嬢役を希望する少女たちは、入学後、これまでの身分に関係なく、「王子との婚約」、「悪役令嬢にふさわしい爵位」、「優雅な生活をするために必要な資産」が与えられる。
彼女たちは4年間の間に悪役令嬢に必要な知識や教養、礼儀作法等を修得し、卒業するまでに「学園追放処分」が受けられるように勉学に勤めている。
この結果、悪役令嬢大学は設立4年目にして、「世界悪役令嬢輩出大学ランキング」で1位を獲得し、昨年までの15年連続で1位の座を守りとおしている。
さらに、悪役令嬢大学出身者からは、これまでに、「王子との婚約破棄」悪役令嬢及び「爵位剥奪」悪役令嬢を数多く輩出し、悪役令嬢の最高学府としての地位を揺るぎないものとしている。
挑戦した結果が、これだよ!




