60. 第3章その24 毒見役
風呂から帰ってくると、先にシルフィもギルドから戻ってきていた。
「シルフィ、お疲れ様 どうだった?」
「ああ、今日はオーク狩りの依頼を受けてオーク3体と途中でワイルドボアーを1頭倒した。
ワイルドボアーの肉は、さっきヤスミーンに渡したから夕食に出るはずだ。」
「それは楽しみだね。」
「報酬はエミリアに渡しておいたがオーク3体で18シュケルスだった。
ワイルドボアーは依頼とは関係なかったので肉屋に売ったら1頭で5シュケルスだったよ。美味しい部位を一部もらってきた。」
ワイルドボアーは、頻繁に狩れるわけではないのと肉が美味しいため、比較的高額で取引されている。
「ショウ、あなたの方はどうだったの?」
エミリアから確認が入った。
「久しぶりで緊張したけど、普通のポーションとドープポーションがそれぞれ10本ずつ作れたよ。
ポーションの方は、2級と3級の間ぐらいの品質はあると思う。」
「へえ、それはすごいわね。
冒険者じゃなくて、薬師になった方が収入良いんじゃない?」
「うっ、それを言ってくれるなよ。
これはあくまで戦いの準備のためなんだから。」
「冗談よ、本気にとらないで。
まあ、特技があるのは良いことね。
効能試した後、私たちにもちょうだいね。」
「毒見兼務かよ、信用ないなぁ。」
軽口を叩き合っているとヤスミーンから声がかかった。
「みなさーん、夕食の準備が整いました。」
ダイニングテーブルに付くと、ご馳走がならんでいた。
「うわー、うまそう、早速いただきます。」
3人とも若さゆえの健啖で次々おかずを食べていく。
「このワイルドボアー、ずいぶん柔らかくなっているわね。
美味しいわ。
ちょっと悔しいけど、私が料理するより上手よ。」
「ありがとうございます。
母親から教わった方法で、肉を叩いて柔らかくしてから焼きました。」
少しワイルドな味わいだが、ハーブを使って上手く仕上げているため、においも気にならず、塩コショウとオリーブオイルだけで上品な一品となっていた。
「お肉は量が多かったので、残りは冷蔵庫にしまっておきました。
少し熟成した方がさらに美味しくなると思いますので5日後ぐらいに、また使おうと思います。」
冷蔵庫は、氷を使うタイプだが、氷は将がその場で製造可能なため、便利だったので購入していた。
食事を食べ終わり、ヤスミーンが紅茶を出しまったりしていると。
「ねぇ、シルフィ、ショウ。」
「なに」「なんだ?」
「私、明日は訓練がないから、当初の予定だとギルドの依頼を受ける予定だったけど。」
「確かに。」
「それを止めて、教団に行って神聖魔法のバリエーションを増やそうと思うの。」
「いいんじゃないか。
なあ、シルフィ。」
「ああ、全く問題ないと思うが、なぜそんな事あらためて聞くのだ?」
「だって、その分収入が減るし、神聖魔法を教わるには少しお金がかかるの。
まあ、私は信者だからそれほど高額ではないし、自分のお金を使うつもりだけど。」
ヤスミーンは空気を読んで、すぐに皿洗いをしに奥に引っ込んでいた。
「収入のことは気にするな。
私が稼ぐし、ショウだって大丈夫だよな?」
「もちろん。
それに、俺たちは戦力の底上げという事で、それぞれが自分の考えで力をつける期間にしようとしたんじゃないか。
それにかかる費用は、訓練にしろ神聖魔法の教授にしろパーティのお金を使用するべきだよ。」
「ああ、私もそう思う。」
シルフィも将も同じ意見をエミリアに言う。
「ありがとう。
じゃあ、遠慮なく二人の意見に従うわ。」
「俺の方は、明日はギルドで依頼を受けるよ。
ドープポーションの毒見もしないといけないしね。」
将がそう言うと、3人で笑って夕食は終わりとなった。
次の日、将とシルフィは二人でギルドに向かった。
シルフィは訓練、将は依頼を受託するためだ。
将はギルドに付くと、掲示板の方で適当な依頼を探していた。
今日は、実戦による訓練でもあるがドープポーションの威力を試すこともしたいので、それにあった依頼を探していた。
ソロであるため、あまり強い魔物との1対多数になる様な依頼は避け、単体で防御力が強い魔物の討伐依頼を選ぶつもりだ。
しばらく、依頼を眺めていると
依頼ランクD
【魔物討伐依頼】
内容
街の北5kmほどにある湖にジャイアントタートルが住み着き、漁の邪魔になっているので駆除を依頼したい。2匹確認されているので、2匹とも討伐を依頼したい。
達成報酬 10シュケルス
追加報酬 1匹につき5シュケルス
場所に関しては依頼人より詳細な地図有。
期限:二日以内
この依頼を受ける事にした。




