41. 第3章その5 寝物語?
エミリアが手早く受付を済ませて、早速出発する事にした。
目的地までの道は、途中までは通常の街道だったが、分かれ道からは3人で歩くのがやっとぐらいの細さに変っていった。
「受付でもらった地図がなかったら、分かれ道から迷ってしまっていたかもね。」
「ああ確かに、それもあって依頼に受付をする事と書いてあったんだな。」
「そうかもね、それに他に2組が同じ依頼を受けていると情報をもらったわ。
魔物と間違えて攻撃したりしない様に注意を受けたの。
そういった事も含めて情報を渡す必要があるのね、きっと。」
エミリアとそんなおしゃべりをしながら3人で歩を進めていると、日が落ちる時間が近づいていた。
「ショウ、そろそろ野営に適した場所があったら、そこで準備をした方が良いと思う。」
シルフィが指摘する。
「そうだな、この辺りは、まだ少しみはらしが良くないから、もう少し視界の良い場所まで行ったらそこで準備をしよう。」
しばらく歩を進めると、周辺の木が少なく、ある程度視界が確保できる場所があった。
「よし、今日はここで野営をしよう。」
3人で手早くテントを作り、たき火の準備をする。
「じゃあ、食事をしてから、順番に見張りをしながら休もう。」
将がバックパックを置くと、すぐにミューが出てくる。
「ほら、これ食べな。」
好物?の干し肉を渡すと、嬉しそうにモシャモシャと食べだした。
ショウ達も干し肉やパンで簡単な食事を済ませる。
シルフィの視線は、相変わらずミューに釘づけだ。
最初の見張りはエミリアになったので、将とシルフィはテントに入る。
「なあ、シルフィ。」
「なんだ?」
「あのさ、まだ眠くなければ少し教えて欲しい事があるんだけど。」
「ああ、まだ眠くはないからかまわない、なんだ?」
「開拓村って、どうやって作られるんだ?」
「開拓村を作る最初の段階は、国軍の兵士が人外魔境の周辺の魔物狩りをして、拠点を確保するんだ。
その後、村民を募集する、募集に応じた人間には家畜と土地の権利を無条件で与えられるんだ。
ここまではだいたいどの国でも同じシステムを取っている。」
「へぇ。」
「ここからは、国や領地ごとに違うんだが、ある一定期間の納税義務が免除される。
バスラ王国では基本5年間は納税が免除される。」
「結構長いんだな。」
「ああ、バスラは国土自体が肥沃で、交易も盛んで経済的にはかなり裕福だ。
だから、治安も安定しているおかげで、治安部隊にかける人数分を軍にあてられるから、結果として国軍の維持費用も他国に比べると低く抑えられているらしい。
そんな国だから、開拓地の拡張にも積極的で優遇するんだろう。」
さすがに、伯爵令嬢は各国の国情に詳しいらしい。
「ありがとう、良くわかったよ。」
「いや、問題ない。
もう少し、バスラの特徴を知りたいか?」
「ああ、迷惑でなければ。」
「そんな遠慮はするな、わかった。
ショウ、あの変な滝のオブジェを見ただろ。」
「ああ」
「あのオブジェに特徴が現れているが、バスラは水魔法の活用が盛んだ。
近くの川から城壁の外の堀だけでなく、上水や下水も完備されている、そのおかげで風呂も入れたわけだ。
他国からは、ブハーラーは南の水晶宮と称えられる事もある。」
「へー、確かにあれだけ、人が多かったのに道も綺麗だったし、変な匂いなんかもしなかったな。」
実は、ちょっと気恥ずかしさもあって将は話題をふったのだが、勉強になったし話を聞きながら眠くなってきた。
「ありがとう、シルフィ。
ちょっと眠気が出てきたから寝るよ。」
「ああ、それがいい次の見張りは私の番だから、ゆっくり休むのだな。」
シルフィの言葉を聞きながら眠りに落ちる将だった。




