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40. 第3章その4 王都での初依頼

 宿屋の受付、ここではホテルのフロントと言った方があっている感があるが、そこで鍵を受け取ろうとしたところ、すでに同室のエミリアが受け取っているとの事で部屋に行った。

「あら、おかえりなさい。

 ショウは防具を買ったのね、良い依頼はあった?」

「ああ、シルフィに防具屋へ連れて行ってもらったんだ。

 依頼の方は、良いかどうかはわからないが、エミリアとも相談してから決めようと思ってね。」

「どんな依頼?」

「ああ、人外魔境近辺の開拓地での魔物討伐はどうかな、と思って。」

「うーん。」


 どうやら簡単には賛成できないといった風である。

 最初に提案しているシルフィが言葉を継いだ。

「自分の力をつけるという意味で良いと思うのだが。」

「そうね、確かにそういう意味では悪いとは思わないんだけど。」

「だけど?」

「どのくらい危険があるかが読みづらいのが心配なの。

 シルフィ、もちろん不測の事態はあるから依頼の情報が確実ってわけじゃないけど、基本的にはどのくらい危険な魔物がいるかとかがわかっていたじゃない。

 今回の依頼は、それが判らないのが心配なの。」


「まあ、確かにそうだな。」

 将がうなずく。

「しかし、それだといつまでたってもBランク以上の依頼は受けられないぞ?

 どこかで思い切りをつけないと、それ以上強くなれない。」

 シルフィが持論を強く主張する。

「まあ、確かにそうだな。」

 将がまたうなずく。


 エミリアは、その将の様子を見てちょっとイラついた様で。

「ショウ、あなたどっちなのよ?優柔不断ね。」

「うーん。どちらかと言えばシルフィの意見に賛成かな。

 結局、安全を見て行動するなら、極端な話、討伐系や護衛なんかの依頼を受けられないだろ。」

 シルフィは、うんうんと頷いている。


「二人がそう言うならしかたがないわね。

 ただ、今回はポーションや防具なんかもしっかり準備して万が一が無いようにしましょう。

あと、誰か一人が怪我をする様な戦闘があったら終了後帰還しましょう。

 何か決まりを作っておかないと、ずるずる戦闘を続けてしまいそうだから。」

「全く、エミリアはすごいな。俺なんかよりずっとリーダーらしいよ。」

 将がちょっと自省気味に言う。


「そんな事ないわ、私はただ心配性なだけ。

 もし、私がリーダーになったら、きっと成長が遅くなっても安全な方ばかり選んでしまうわ。

 みんなの目標を早く達成するには、どこかで思い切りを持たないといけないけど、私には無理だわ。」

「まあ、そう言ってもらえると少しは気が楽になるけど、命はひとつしかないからな。

 色々意見を貰えるのはありがたいよ。これからもよろしく。」


「じゃあ、依頼の事も決まった事だし、お風呂に入ってくるわ。」

 今日は言われる前に、別部屋に将は移動した。


 移動するときに、ミューが後をついてきた。

『ショウ、お腹すいた。』

「そうだな、干し肉で良ければあるけど。」

『ちょうだい、ショウ、大好き』

「あー、癒されるなぁ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 次の日、荷物をまとめて宿を引き払い、ギルドに向かった。


依頼ランクB~C


【討伐依頼】

内容:

 徒歩2日ほど北の距離にある人外魔境近辺の開拓地での魔物討伐を依頼したい。


達成報酬:

 魔物のランク毎に決定、5体以上で10%、10体以上で15%、20体以上の討伐で20%追加報酬を支払う。


期間:特に限定しないが、出発時に申請する事


備考:申請後14日以上報告が無い場合は、捜索依頼がかかる場合有。

   捜索された場合は実費を請求します。

   魔物はBランク相当のワータイガーなどが確認報告あり、注意が必要。


「よし、じゃあこの依頼を受けるか。」

 将が言うと、シルフィとエミリーの二人は力強くうなずいた。


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