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3. 第1章その3 修行は甘いかしょっぱいか?

 「えー、見事に10日間の修行による成果がみられたによって。次の段階に移行する。」

 「1しか上がってないけどね。」


 いじけた将がつぶやく。

 「ほらそこ、参考までに普通の赤ん坊が魔力が初めて上がるときは1から2なんじゃ。」

 「ほんと?」

 「ほんとうじゃ。だから悲観する事は全くない。しかも15歳?ぐらいの年齢でたった10日で向上が見られたんじゃ、成長力が赤ん坊並みという事じゃぞ。」


 「それって喜んでいいんでしょうか?」

 「あたりまえじゃ、赤ん坊の成長力をなめてはいかんぞ、全く身動きできない状態からたったの1年で歩行出来る様になり、身長は1.5倍、体重は2倍以上になるんじゃからな。」

 「妙に詳しいですね。」


 「一般常識じゃ。さて、次の修行に移るぞ。

 次は、走りに加えてこの木剣での素振りを行ってもらう。」

 「あのー、これ魔法に関係あるんでしょうか?」

 「魔法には関係ないが、まずは魔法を使うに必要な基礎鍛錬が必要と最初に言ったであろうが、魔力2では魔法もなにもないわ。」


 そう言われると、将は背を丸めて下を向いてしまった。

 「いや、言葉のあやというやつじゃ、まずは魔力を高めるためにも体力をつける必要がある。ワシが見本を見せるの良く覚える様に。」

 そういうと、カゼールは4つの型を示した。

一の型、上から下への直線的な振り下ろし。

二の型、左から右への直線的な振り。

三の型、右下から左上への直線的な振り。

四の型、左上から左下への曲線的な振り。

 魔法使いの様な姿をしているカゼールが熟練の剣士の様に流麗な型を披露する。

 おもわず将は拍手をしてしまった。


 「すごい、綺麗です。」

 「ありがとう。だが、そう思えるという事はお前さんも筋が良いと思うぞ。この4つの型をスムーズに振れる様にするのだ。足運びに関しては足元に跡がつけてあるからそれを参考にしなさい。」

 確かに足元を見るとそれぞれの型に対しての足型と数字が書いてあった。これはカゼールが地魔法により作った跡なので上で動いても消える事はなかった。


 この時すでに夜の勉強でこちらの世界の数字も習得しており、10進数の数字が存在していて同様の使い方が可能である事は知っていた。


 そんな修行を2週間ほど行ったところ。

 その日の夜の勉強の前に魔力を測定すると。。。

 魔力は4に増えていた。


 「2回目に上がるときって普通の人はいくつぐらいになるんですか?」

 「うん。 ああ、 普通じゃな。 まあ、普通は、だいたい。」

 「だいたい?」

 「5になるな。」


 将は、それを聞いて凹んだ。

 「まあ、あまり人と比較をしてもしかたないじゃろう。ショウはショウなんだから。」

 「そんな、お母さんみたいな慰めやめてくれよ。どうせ、俺なんて。」

 「あのな、普通の人と比較するな。普通の人だって色々あるんじゃ、一般に成長力に優れる者は3つに大別されておる。」


 「どんなふうに?」

 「A級、B級、G級と言われておる。A級は能才、一般人の約3倍の成長力を持っている。」

 「おー、すげー。そんな人に比べたら普通の人はいやになりますね。」

 「そうじゃ、しかし努力をした一般人でA級を上回る能力を持つ者はざらにおる。」

 「そうなんですね。でも、それって一般人より成長が劣っている私じゃあ、よりいっそう凹むだけなんですが。」

 「まあ、あれじゃ。がんばれ というエールなわけで。」

 「もういいです。勉強しましょう。」


 今日も頑張って語学勉強、最近はこの世界の一般常識も学ぶ将だった。


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 「さて、さらに成果が見られたことから。」

 「まあ、魔力4ですけどね。」

 「ごほん、げほん。次の修行に移行する。」


 「今までの修行に加えて、これからはさらに魔力コントロールの修行を加える。」

 「おぉ、とうとう魔法が。」

 「これは魔法ではなく、あくまで魔力のコントロールを目的としているため魔力消費はしない。」

 カゼールは将の額に触れるとそこから何か温かいものが入りこんで来るのがわかった。

 「それが魔力じゃ、今ワシは自分の魔力の一部をお主に注ぎ込んだ。その力を全身にくまなく行き渡らせ、その後また額に戻すイメージを持ってみろ。」


 将は目をつぶってイメージする。自分では見えていないがほんのりと輝く部分が額から薄く全身に広がり、それがまた額に戻っていくのがカゼールには見える。

 「そうじゃ、そんな感じをとにかく繰り返すのだ。最終的にはほとんど無意識で循環出来る様になれば魔力コントロールが十分にできたとなる。さあ、続けるのじゃ。」


 修行は、走りと剣と魔力コントロールの3つに増えた。この修行をさらに4週間ほど行った。


 夜の勉強は一般常識も教わり始めて時間の概念はほとんど変わらないが、暦に関しては若干の違いがある事が判明した。1週間は6日間で5週でひと月になる。(地水風火光闇)で1週、一般に闇曜日は安息日となってた。

 1年は12か月で12月最終日の翌日から送年祭を2日と1月1日前の3日間新年祭があり合計5日行われ、4年に1度は送年祭を3日行い合計6日行われる事でずれを少なくしていた。なかなか理論的だと感心した。


 さて、4週後に恒例魔力測定を行うと。(測定そのものは毎日やっている)

 魔力が増えていた。

 なんと8になっていた。

 「今までで一番すごい伸びですよ。やったー。」

 「うむ。よかった。」

 「ところで、普通の人はだいたいどのくらいになるんですか?」

 「うん。。前も言ったが人と比べてどうするんだ。ショウはショウだぞ。」

 「いくつなんですか。」

 将が少しジト目で聞く。

 「まあ、そうだな、一般的には10ぐらいかな。」


 将は凹んだ。


 それから、若干のバリエーションを加えながら、走り、護身術、剣術、魔力コントロールの修行を続け2か月半経った頃、ついに魔力が50を超え魔法の訓練ができる事になった。

 ちなみにその頃は、一般の人と比べるのはやめていた。


 「よし、それでは魔法の訓練にはいるぞ。」


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