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31. 第2章その22 護衛依頼

 昨晩の小ハプニングはとりあえずなかった事にして、今朝は仲良く3人でギルドに訪れていた。

 将は、正直なところ女性のこういう面倒くさいところをケアするのがおっくうで、独り身を満喫していた事もあり、ちょっと疲れていた。

 依頼の掲示板を見ても都合よく護衛の仕事はなかったため、どうしようかと他の依頼も見ていると後ろから声をかけられた。


「どんな依頼を探しているのかしら?」

 ルカイヤさんがにっこり笑っていた。

「ええと、王都までの護衛依頼なんかあればなぁ、と探してました。」

「ふーん、護衛依頼なんて初めてですよね、どうしてですか?」

「ええと、実は冒険の拠点をここから王都に移そうと思って、どうせ移動するなら依頼を受けながらと考えたんです。」

「え?そうなの。

 残念だわ。。。」

 ルカイヤが悲しそうに見つめてくる。

「すいません、お世話になったのに言わなくて。」

「ううん。いいの、冒険者なんですもの、そんなの普通だわ。

 でも、やっぱりね、新規登録からずっと見ていたから、もしいなくなってしまったらさみしくなるわ。」

「ごめんなさい。でも、2度と戻ってこないというわけではなくて、色々な場所に行って見聞を広めたいという事なので、また帰って来ることもある。。。と思います。」

「そう、わかったわ。」


「えーと、お二人で盛り上がっているところすいませんが、依頼の方がなかなか良いのがなさそうだけど、どうする?ショウ。」

 エミリーが割り込んできた。

「そうだなぁ。

 じゃあ、とりあえず、またこの“ワーウルフ討伐”をやらないか?」

「わかったわ、じゃあルカイヤさんこれの受託よろしく。」

 そう言って、依頼の紙を押しつける。

 要するに、さっさと仕事に戻して将から離したかった様だった。


 ワーウルフは、すでに前回の依頼で経験済みだったが、群れの数と群れのリーダーの頭の良さで難易度がずいぶん変化する。

 今回受託した群れの数は8頭となっていたが、3人で受ける依頼の群れの規模としては少々多い。

 ただ、場所がある程度はっきりしていれば遠距離からの魔法攻撃で半数以上を無力化できるのと、シルフィと将が前衛としてエミリーを守れば、それほど難しくなく倒せるほどに連携が機能する様になっていた。

 1頭当たりの報酬が10シュケルスと高額なのも受ける理由になっていた。これは、ワーウルフが家畜だけでなく、狩人の標的となる鹿や猪なども食べてしまうため害獣として早めに討伐してもらいたいという要求があるからだった。


 将達が2日でワーウルフ討伐を達成して報告に戻ると、掲示板に依頼があった。


依頼ランクC

【護衛依頼】


内容:

 王都までのラキフェン商会の商隊を護衛。街道に沿って移動するので約4日間かかる。出発は3日後を予定。


達成報酬 16シュケルス および1シュケル/日

     さらに道中の食費および宿泊費は商隊持ち


期限:移動期間(約4日予定)


注意:盗賊の被害記録あり。魔物に関しては特段危険なレベルが目撃された記録は無し。

その他:護衛中に魔物を討伐した場合、そのレベルにより別途報酬あり。

    護衛人数は5名の予定。


「おっ、護衛依頼があるね。」

「そうね、じゃあワーウルフの報告をした後、これ受けられるか聞いてみましょう。」

 エミリーがワーウルフの依頼を報告して80シュケルスを受け取り、その後、依頼受付で護衛依頼の件を確認する。

 どうやら、すでに2人申込みがあったようだが、まだ3人分の枠が空いており、ギリギリ依頼を受託する事ができた。

 報酬的にはそれほど高くないが、安全性が高い上に移動場所が王都であるため、比較的人気のある依頼であるのでラッキーだったと言える。

 掲示があってから1日過ぎているので、2日後の朝にギルドへ集合し、護衛者全員で顔合わせを行い商隊と合流する事となった。


 将は、その2日の間にお世話になった宿やポーション作製の道具などを購入したお店などに律儀に挨拶をして、その日の朝を迎えた。


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