23. 第2章その14 2人の女子会
その日の夕方、シルフィとエミリアは宿の部屋で2人で夕食を取っていた。
「ねぇ、シルフィ。
ショウの事どう思った?」
「ああ、使えそうだな。」
「ええ、想像以上ね。
剣術でb級(brillant)の才能を持つあなたと互角で、魔法もb級もしくはそれ以上の可能性もあるわ。」
「互角じゃない、私が勝った。」
「そうね、でも彼は魔法剣士よ。
剣だけであそこまで戦えるなら、魔法も使ったら。。。
わかるでしょ。」
「魔法を使う間など与えない。
それでも私が勝つわ。」
「まったく、シルフィは負けず嫌いね。
ま、いいわ。
しかも、彼なかなか素敵じゃない、礼儀正しいし。
特にあの黒い瞳は哲学的で魅力があるわ。」
「ふん、エミリーがあんな軟弱者を好みだったとは。」
「ゴリマッチョなおじさん達よりずっといいわぁ。
シルフィが興味ないなら、私がもらっちゃってもいいのね。」
「いや、興味がないという事はないが。
って、何言わすの。」
「ふーん、興味があるんだぁ、へーえぇ珍しい。」
怪しい目でシルフィを下からめねつける。
「い、いや、そういう意味ではなくって。
まったくエミリーは本当に。
そうじゃなくって、例えばショウは”ショウ クガ”と名乗っていたわ。
姓を持ってるという事は、貴族の生まれなのかな?とかね。」
「貴方と同じように?」
「エミリー!!」
「わかっているわ。
今は二人だけだし、いいじゃない。
それともご主人のお許しがなければ戯言もだめかしら。」
「ふざけないで、エミリア、ひどいわ。」
「ごめんなさい。
ふふ、冗談が過ぎたわね。」
「わかればいいわよ、まったくもう。
それに彼の魔術。
私は魔法は門外漢だから、詳しくはないけど、明らかにおかしいわ。」
「そうね、私は神聖術しか使えないけど基礎的な知識は習ったわ。
魔法の原理を正しく理解してイメージができれば無限の可能性がある。
というのは一つの理念だけど、実際には長い年月を積み重ねられ、教授された魔法以外を使える魔法使いなんて見たことないわ。
魔法の使える回数からb級以上と言ったけど、それとは別の意味で才能があると思えるわね。
ふふ、本当に不思議。」
「エミリー、あなた本当に?」
「安心して”まだ”、違うと思うわ。
興味をそそられるってだけ。
彼、秘密が多いもの。
なんで、帽子をずっと脱がないのかなぁ?とか
バックが時々動いてたけど何かなぁ?とか
魔法大全を知らない魔法使いがいるのかなぁ?とか
いっぱいあるわ。」
二人とも話しながら大いに食べ飲んでいるため、だんだん様子がおかしくなってきた。
「エミリー、あなたなんでそんなにショウの事観察してるのよ!!」
「あら、初めて会った殿方を観察するのはレディーの嗜みじゃなくて。」
「そんな嗜み聞いた事ないわ。
はしたない。」
「は、はしたないぃ。
シルフィ、言って良いことと悪いことがあるわ。
貴女なんて、ぶっきらぼうにしゃべって、恥ずかしがっちゃってさ。」
「外であまりしゃべりたくないだけよ。
恥ずかしがってなんていないわ。」
「そぉねぇ、試合でショウを組み敷いた時なんてずいぶん嬉しそうだったわね。」
「な、なにを言うの。
勝てたから嬉しそうにしただけよ。」
「へぇ、すぐにどけばいいのに、ずいぶん長く彼に跨っていたわね。
いやらしい。」
「いやらしくない。
そんな見方をしていたエミリーのほうがいやらしいわ。
神に仕える身がどうかと思うわ。」
「わ、わたしをいやらしいと。
そんな事、今まで一度も言われたことないわ。
この大食いの粗忽もの」
「ぶりっ子の腹黒おんな」
・・・・・自主規制・・・・・10分経過・・・・・
「エミリア、あなたがどういう人かよくわかったわ。」
「シルフィ、あなたこそ。
まあ、いいわ。
とにかく、明日は実戦で彼の力を見させてもらいましょう。」
こうして二人だけの女子会の夜は暮れていった。




