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終りの世界と白衣の悪魔

まずは、まだ人類が滅亡して間もない頃の話でもしましょう。

ワタシは最初何が起こったのか分からず、閉じ込められていた実験室から外に出ました。

ええ、勿論人の気配などはありません、というか、ワタシの場合は感じない。が正しいのかもしれません。

まだ最初の頃ということもあり、目だった変化はなかったのですが。

まぁ、閉じ込められていたワタシからすれば、全てが新鮮でした。

しかし、人が居ないというのは異様なのです。本来居るべきものが居ないというのは、それだけでとても不気味で。

車も走っていない道路の真ん中をひたすら歩きました。

余談ですが、、ワタシは身長などの外見的な部分は女性の平均値でできています。

そんな新鮮味のある世界を怖がりつつ眺めていたら、ワタシの前には謎の者がいました。

それが悪魔です。基本的な部分は人間とそう変わりはありません。


「…。おや、こんな終った世界で悪魔以外のものと会えるとは、私はついている」


恐らく悪魔に性別は存在しないでしょう。ここではとりあえず彼と述べることにしましょう。

彼の容姿を言葉で説明するとなんとも奇妙な存在です。勿論、悪魔だから。

白と深海のような黒い色の髪の毛に血走った白い目に全てを憎むような黒い目。

そしてその二つを全て否定するような三日月のように笑う口元。

服装な新品のように綺麗な白衣をきている、そんな奇妙な存在なのです。

勿論手や足だって普通ではありませんが、まぁ隅から隅まで説明すると長くなるのでこの辺りで。


「あなたは…ドナタですか?」


ワタシは喋る事も勿論可能です。

こんなに人間に近いのに、不良品なのです。


「君は…現代技術で生み出されたロボットか!素晴らしい、喋れるんだね。是非解剖したい…けどそれはやめておこう。今はお腹がすいているんだ。人間が食べたいな。もう動く気力もない。君、とってきてくれないか?人間なんてそこらじゅうに転がってるからさぁ」


ふむ、とワタシはこの何かが人間ではない事を肯定することにしました。

いや、外見をみるからして人間ではないことは確かですが。

そして、彼の言葉を聞いて周りを見回してみると、そこには沢山の死骸がありました。

ええ、蚊や蟻などではありません。それはまぎれもなく人間です。

なぜワタシは気づかなかったのでしょうか?そんなの答えは明白。

単純に興味がなかっただけなのですよ。人間の死骸よりもワタシはこの世界に興味があった。

それだけなのです。

ワタシは彼に言われた通り無傷で転がっている死骸を持ち上げて彼のとこまで持っていきました。

するとどうでしょうか。彼は三日月の口から長い八重歯をだして首元に噛み付きました。

ふむ、どうやら彼はヴァンパイアという種類の悪魔らしいです。


「ぷはー、生き返った。ありがとうロボット君。なるほどー。まだこの世界にはロボットという希望が残っていたのかぁ」


血を吸い終えると同時に、彼は立ち上がり感謝を述べてきました。

一仕事終えたところで、ワタシもこの世界に何が起こったか聞きます。


「この世界でなにかが起こったんですか?人類が滅亡したような何かが」


「そうか、君には感情というものがないから、なにがおこったのか分からないんだね!」


「感情はあります。ただ、ワタシは生まれた当時から外にはでれませんでしたから」


彼は驚いた顔をしました。目の焦点があってないのが不気味です。


「そうか!すごい!感情まであるとは…それじゃまさに人間だね。あ、じゃあこの世界で何が起きたのか分からないよね。まっ、簡単に説明すれば、私達悪魔がこの世界を乗っ取った。ってことかな」


「…。なるほど、ではアナタは悪魔ということですか?」


「そうだね、私は悪魔。あ、でも勘違いしないでほしい。君の大事な人類を殺してしまったのは、まぁ一種の事故なんだ。すまない。だが私達悪魔は人間のことが好きだった。悲しいよ。まさかこんなことになるなんてね」


「…。そうですか。ワタシはもう少しこの世界を見たいので失礼させていただきます」


ワタシは取り合えず彼の話に納得をして、もう少しこの世界を見て結論づけようかと決めました。

彼も分かったのか、ワタシを興味深そうに眺めながら立ち去りました。


「あ、そうそう」


と、立ち去る前に彼がワタシに何気ない質問をなげかけました。


「君の親は人間だよね?」


「そうですが?」


「…。そっか、残念だ、君は失敗作だよ。」


ワタシはその場を後にしました。

二話から何故か敬語になっていました…。

こちらのほうが書きやすいので次話からもこの形でやっていきたいと思います。

申し訳ございません。

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