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第3話.死ぬ国造

 ここは現代のとある歓楽街。ここで今まさに戦闘が行われていた。葛城国造葛城国造(かつらぎ こくぞう)、その人だ。


「お主よ。懲りぬようじゃな」


 彼が戦ってるのは百人神百人神(ひゃくにんしん)、これは通称である。


 国造は人を探してここに来たが、その場所には百人神が待ち伏せしていたのだ。


「これでもくらえー!」


 国造は怪しげな布の中に包に包まれたが、ひるがえってこれを背負った。


「これでどうじゃ」

「くっ!」


 国造はこういう袋を持つことに慣れている。


 百人神は国造に襲い掛かってきた。


 百人神は国造を切りつけたが国造は何とか袋で身を守った。


「ふっ、これでもう袋は使えねえなー」


 と言って、百人神はまた襲いかかってきた。


 国造は咄嗟に剣を交えた。国造は青銅の剣を持っており、これは戦う相手の神格によって性能が変わる代物だ。国造はその剣で鍔競り合いに勝って百人神はのけぞった。


「何!?」


 百人神はその瞬間、大きく飛び跳ねた。窮地に陥った百人神は飛び跳ねて、大きな火の石を顕現させる。


「死ねーーーーーーーーっ!」

「何!?」


 百人神は国造に火の石を投げた国造はよけたが、石が多きすぎてそのまま直撃し、またもや死んでしまった。


「ふっ、ざまあみろ! 本当に死ぬまでやってやらあ!」


歓楽街に百人神の勝鬨が響く。


********


「はっ!」


 国造が気付いた時には、自分の家にいた。


「ワシは、死んだのか?」


 国造は死んだ。死んだのだ。


「神は死んでもいくらでも生き返る。即ち、また戦わなければならぬのか」


 それは国造にとって絶望以外の何物でもない。気持ちを落ち着かせるため外に出た。


「おーおー、餌をやらんとな」


 これは国造のペット、兎である。兎の名前はワニだったりする。この兎も、任務で赴いていた際に仲間外れにされてた赤い兎を国造が持って帰ってきたものだ。兎はワニがいる湖の前で拾われた。だから名前はワニなのだ。


 国造が餌をやり終え、家の中に入るとガラス越しに女性がいた。


「誰じゃ?」

「私はスセリー。あなたに会いたくて来ました」

「お主はそこにおるのか」

「いえ、ここにはいません。別の場所からガラス越しで通信しています」

「なんとも、不思議なことをしおるな」

「あなたは?」

「ワシは葛城国造じゃ」

「今、敵と戦ったりしていますか?」

「何でわかるんじゃ?」

「私はなんでもお見通しですから」

「お主は不思議じゃのう」

「敵を倒せるよう、頑張ってくださいね」


 その女性はそれだけ言い残してノイズが入りながら消えて行った。


そのあと、国造はまた戦いに出かけなければならないのだった。


「ワシも、どうしてもお守りしたいものがおるからな」


 国造はそういって足早に戦地へ赴いた。


********


 国造は百人神と戦うために、以前会った繁華街で彼と対峙していた。


「八神さんはどこだ!?」

「お前に言えるわけねーだろ!」

「何!?」


 国造が怪しがったその時、百人神は建物を破壊させた。そこに国造は巻き込まれて死んだ。


「威勢のいいやつめ、死ね!」


 国造はこんどはあっさり殺されてしまった。


********


 気が付くとまた国造は家で目が覚めた。二度目の死亡だった。


 国造は立ち上がって再度戦いの準備を始めようとしたが、止まった。


「これでは埒が明かぬ。しかしわしがあの町から消えたら町はどうなる。人間界のためにもわしがあやつを追い出さねれば……」


 こういう神のいざこざは人間界に必ず影響が出るようになっている。特に神徳が縁結びである国造があきらめたら、街から出会いが消える。と、国造は思うのだった。


 その時、この前この場所で見た女性がまた姿を現した。


「またお主か」

「はい、私は応援しています。ぜひ倒してくださいね」

「お主は不思議じゃのう。ワシが頼んでもないのに応援するとは。じゃが応援されて悪い気にはならん。礼を言おう」

「どういたしまして。なら私も駆けつけましょう」

「何? 加勢するのか?」

「加勢? 考えてはいます」

「悪いが奴はワシが倒す。救援はいらん」

「そうなのですね。ああ、残念です」


 スセリーは分が悪い顔をしながら消えて行った。


「もう、落ちる灯のような展開にはしたくないんじゃ」


そんな国造に一つのアイデアが浮かぶ。


「そうじゃ、あやつを頼ろう」


 国造が向かった先は不動産屋だった。ここには家の神がいて、現在国造が住んでる家もこの人が紹介した。


********


「ここじゃな」


 ここにいるのは大屋大屋(おおや)と名乗る不動産会社の神。以前は尊たちと一緒に暮らしていたこともあり、国造を尊に紹介したのもこの大屋だ。


「大屋、入るぞ」

「待て! ってもう入ってるな」


 大屋は腕を組んで国造の方を見る。


「大屋、実は、相談がある」

「何だ?」

「百人神と戦っているのだが」

「百人神に殺されるばかりするのだろう」

「お? なぜ分かったんじゃ?」

「勝てないから相談に来てるのじゃろう。勝てたら相談なんかいらん」


 大屋はそう当たり前のことを口にする。


「ああ、ワシはどうすればいい?」

「それならワシよりもミコトを頼ればいいぞ。で、今あやつは立派な城に住んでおる。ほれ、地図を渡そうかの」

「城? 尊は城に住んどったかの」

「最近住み始めたそうじゃ。これじゃ」

「お、大屋、すまないな。じゃ、これからここへ行くとしよう」


 国造は大屋からもらった地図をもとに尊のもとへ向かった。


 大屋の元へは国造とすれ違いで誰かが来た。


「おい、確かここにいたよな」

「誰じゃ」

「おい、ジジイじゃねえか。なんだよ」

「ジジイとは何じゃ」


 大屋は怒り狂ってお供え物の刀を手に取って戦った。


「それは神様への差し向け物じゃねえのか?」

「うるさい!」


 大屋は百人神に向かって斬り付けたが、あっさり避けられた。


「後ろがガラ空きだぜ。ジジイ」


 大屋は百人神に後ろから斬り付けられ、敗れた。


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