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なろラジ6参加作品

ルームメイトに魔法陣で召喚されてしまったけど、まさか男装バレちゃった?

「なぜ、お前が出てくる、ルーグ」


(突然召喚しておいて、その言い草はない)


 状況を把握するのに一拍。

 足元にある魔方陣と周りを見て、自分の立つ場所が同級生エバンの公爵家だと認識すると、ルーグことルミィはイケメンすぎる相手を見た。


「俺は、婚約相手のルミィを()んだはず……」


 (つぶや)く朴念仁に、どう抗議したものかと思案する。


 婚約者として彼と会ったのは数回ほど。

 おかげでこうして男装して(・・・・)学園に通い、あげく寮で同室なのにも関わらず、(いま)だルームメイトのルーグが、ルミィ本人だと気づいてない。

 勿論(もちろん)バレないよう必死の回避があってこそと自認しているが。


「……前触れなく、婚約者を部屋に呼び出す(ヤツ)だとは思わなかった」


 ルーグは不機嫌な声で、エバンを見据える。


「相手が着替えや入浴中だったら、どうするつもりだったんだ」


 指摘に、エバンはグッと息を詰まらせた。


「い、いや、しかしこうでもしないと、俺は彼女と話も出来ないんだ」

「それはエバンが会いに行かない上に、令嬢の手紙を無視するからだろ。冷めた仲だと有名だぞ」

「! お前に俺たちのことは関係ない!」

「まず召喚陣で()()巻き込んだ非礼を謝れ」


 いまは伯爵家の長女ルミィではなく、仮の身分、男爵家子息ルーグとして彼の前に立っている。

 学生間での身分差は不問。堂々と非難すると、エバンは慌てて謝罪した。


「そ、それは、すまない。手違いがあったみたいだ。それに」


 続く言葉はルーグ(ルミィ)を驚かせた。


「恥ずかしい話だが、ルミィから手紙を貰ったことはない。俺が行っても、いつも会って貰えないんだ」


「……は?」


(そんな訳ない。()()折につけ手紙を書いたし、彼がうちに来てくれたことなんて──)


「伯爵邸では彼女の義母(はは)(ぎみ)義妹(いもうと)(ぎみ)が応対してくれて、ルミィは遊びに行って留守だって……。朝帰りして寝ているというケースも多い」


「はああ?」

「っ! 彼女を責めないでくれ。きっと何か事情があるんだ。幼い頃、ルミィは真面目な努力家だった。伯爵が後妻を迎え、環境が変わったから。俺は相談に乗りたくて、それで今日、強硬手段に出たわけで──」


「なるほど。だから召喚陣」

「以前預かっていたルミィの私物から、持ち主を呼び出したんだ。出てきたのは何故かお前だったけど」


「ニブさが天然級(レアレベル)

「何っ!」

「ごめん、エバン。怒らせるつもりはなくて。ただ、そう、"私に"気づいて?」

「──?」



 義母たちの妨害を暴き、円満なカップルが誕生するのは、すぐ先の未来の話。




 お読みいただき有難うございました!


 こちら『なろうラジオ大賞』参加作品のため……。

 1000文字! きっつい1000文字! 1000文字制限でやっちゃいけない題材だった(ノД`)・゜・。

 でもいつかやってみたかった男装もの。とりあえず"なろラジ"開幕初日に投稿したくて、10時から書き始め…。11時に投稿したかったくせに、書き始める時間も遅いわぁぁぁ!_| ̄|○;

 えっと、1000文字を楽しんでいただけましたら幸いです。(∀`*ゞ)テヘッ


 たぶんルミィからは会いに行けないんですよ。女の子から行くなんてはしたないとか何とかあって。

 でも、はしたないどころか家飛び出てしまってますが。仮の身分はお小遣いを投資して、密かに稼いだお金で買ったというか借りたというか。きっとそんな感じ。

 あああ、1000文字と言わず、もう少し丁寧に書きたい…!かも。

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― 新着の感想 ―
男装してるという設定に甘えない、なんというおもしろい展開!これがプロの発想なんですね。勉強になります。読んでいて、初めて「終わらないで……!」と思いました。
短!と思ったけど続く詐欺というか短編詐欺というか最近流行りの形式と比べたらちゃんと短編してるわ。 ドアマットヒロインの婚約者のスペックが人間召喚できるほど高ければ、悲劇は回避できるんだなー……
短かったです。 え?もう終わり?今からがいいところじゃないの感が半端ないです。 もう少しこの先が欲しいです。
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