寸劇 秋の憂鬱の猫明神
猫明神はお月様を観ると
故郷に帰りたくなるそうです
何処に帰るん? と聞いたら
「ミャオゥ!」と言いました
なんか知らんけど
猫明神は外来の猫らしいです
まぁ
長毛種だし白いし
何となく外国の猫の気はしていました
だけど
おいらは猫明神を帰すわけに行かないのです
だけど
おいらは猫明神の面倒は看れないのです
だけど
おいらは…と思って居たら
日本に来たマルコ・ポーロも
何処かのお殿様に気に入られてしまって
国に帰りたいと言う願いを
受け入れてもらえなかったらしい
と言う話を思い出しました
面倒が看れないんだったら帰そう
さぁ
お帰りよ猫明神
雲の上ですっくと立って
お月様を遠く見つめるくらいなら
お帰りよ
だけど
何処の国に帰るんだい?
たぶん鳴き方からして
英語圏だと思うんですけど
その恰好(何故か袈裟を着ている)で帰るのかい?
後
英語圏で雲の上に乗っている者は
死んでることになるんやで?
雲の上って
天国なんやで?
極楽とは違うんやで?
「天国から見ている」と言う言葉はあるけど
「極楽から見ている」と言う言葉は無いんですよ
現実の話としてその昔に
地上の楽土と呼ばれた山があるらしいです
熊○って言う名前の土地で
死んだ者達が集まる場所だから
この世の楽土だと言う話が広まったそうなんですね
まだ日本に神道しかなかった頃は
死は穢れなのでその熊○と言う土地は
どちらかと言うと畏れられたのですが
仏教が渡来して
もっと心にゆとりを持とう的な運動が始まって
其れまで畏れられていた事を覆して行こう
みたいな気運の中で
熊○は楽土(もしくは浄土)と言う事になったそうです
昔はあの世は地上にあったって言う話も
その辺りから来ているのだろうかと
素人考えながら思った物です
あれ?
猫明神よ
なんで床でゴロゴロしているんだい?
外国に帰るんじゃなかったのかい?
まさか…
帰る道筋を忘れたのかい?
しょうがない
面倒は看ないけど
時々ゴロゴロしに来なさい
だけどパトロールも忘れないようにね
じゃぁ俺は風呂入って眠るから
布団を乗っ取るでないよ




