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乙女ゲームの傍らで  作者: 適応障害の人
2章 prologue
6/9

prologue 『沈丁花が散る前に』

長い夢を見ていた。

その夢の中で思い出したことがある。

自分の前世の記憶、今生での過去のこと。未来のこと。

何故忘れていたのだろう。

前世でも自分は男だった。

知らない世界。知らない国。何より魔法が存在しないことに衝撃を受けた。

ありとあらゆるゲームが好きだった自分は、乙女ゲームというものも少しだけ嗜んでいた。

それが『沈丁花が散る前に』だ。よくありがちな中世ヨーロッパ風の学園物の内容で、攻略対象者は隠しキャラも入れて全部で6名。その内の1人は王子で、隠しキャラの名前が今生の自分の名前と一致した。

リィンジーク=フォン=プラチドゥス=アルミン=ローゼンフェルト。ラインフェルド王国筆頭公爵家、ローゼンフェルト公爵継嗣テオドールの第一子。現当主はテオドールの父グレゴール。グレゴールの職は宰相。公爵夫人は先王の娘ロレーヌ。王位継承権を持つロレーヌの孫であるため、リィンジーク自身もまた王位継承権を持つ。プラチドゥスの称号がその証。この国の貴族としては最高の身分。ローゼンフェルト家は国王の忠臣として名高く、故に先王の娘の降嫁があったのである。そんな恵まれすぎた立場にいるのが今の自分。

しかし、よりにもよってゲームの世界に転生してしまうちは。

前世では一部の人達にそういった小説が人気であることは知っていた。だが、まさか自分が経験することになろうとは思いもしなかった。

ゲームの内容はというと、平民の主人公が王侯貴族が集まる学園で学園のトップに君臨する男性達と出会いめくるめく恋をする……というこれまたありがちなストーリーだったはずだ。

リィンジークは攻略対象の1人だが、主人公との恋を邪魔し盛り上げる役どころとして登場する悪役令嬢の中に妹クリスティーナが存在する。

妹の所業は家中にまで及び家は没落することになるのだが……。

そんなことは自分がさせない。

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