処女作
深い息を帯びた低空飛行
特にすることもなく
出たとこ勝負で
世界を一望する
かき混ぜない交ぜの濁色
そこに
つけ足すとすれば
小説のように何章にも区切る
お話を添えるべきだろうな
嘘も本当も
向き合うためには
描き分けなきゃいけない
空がいつだって青いとは限らないし
暗いとも限らない
忘れがちなんだ
一人にならなくちゃ
信じれないものがあるから
細かな
表現や言葉
どれ一つとっても
輝きが
煌めきが
身を潜めてる
一般的に小説家と呼ばれる
書き手はそれをすくいとって
意味を見出だす
過ぎてゆく秒針の後を追いながら
止めなく想いを綴る
その果てが
駄文ばかりの駄作だとしても
費やした時間は
きっと何にも代えられない




