表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マキとマサキの物語   作者: 森嶋直斗
3/10

マキとマサキの物語③ 隣もマキ?隣はマサキ! 働き出した店は、”生き物美容室、カヨリーナ”蛇や亀も来る美容室?トリマーじゃなかったの?マキがスパーテクニックで大活躍!

大宮で働き出したマキ。生き物美容室カヨリーナで実力を見せつける。トリマーの実力に留まらず。お酒の方も解禁だ!直斗と培った実力を思う存分発揮して、大宮の街を引っ掻き回す!ところが、その様子をやつが見ていた。普段はおしとやかなマキちゃんが酔ったらどうなるかバレちゃった。恋の行くへは、いずこへ・・真樹の隣は、やっぱり真樹だったのです。


第3曲 隣もマキ、隣はマサキ


田原市の伊良湖岬から埼玉県の大宮に引っ越してきた小久保真樹マキ

大宮は、全国で一番労働人口が多い町、ありとあらゆる仕事が有る。トリマー見習

で働き始めることになった。店までバスと電車で40分。朝9時から18時まで、

残業もあり、週休二日だが不定休。


昨日、引っ越してきたばかりだが、引っ越し荷物は少ないので、片付ける物も

ほとんどない。携帯で、近所の生活雑貨の店を調べていた。


”ピンポーン”ドアの呼び鈴がなった。

マキ:誰かな?はい!

宅急便:宅急便です。

小包が届いた。

マキ:誰だ?見たことがあるパッケージだ・メロンだな・引っ越し祝い、早いな

住所を見ると間違ってない。バニーコート201号 小久保真樹

マキ:私に間違いないけど・・住所は、誰にも言ってないからな。

やっぱりメロンだった。地元、伊良湖岬の知っている農家の直売所のパッケージで

見覚えがある。送り主は、小久保梨々花とあった。

マキ:梨々花?知らないな? まてよ!

窓を開けると目の前に壁、顔を出して、触れそうな隣のアパートの壁を見上げる。

バニーコート2と書いてあった。マキは、メロンを持って隣のアパートに行った。

表札を見て、

マキ:バニーコート2 201号室 小久保真樹 同姓同名!?部屋番号まで・・


”ピンポーン”

マサキ:はい

マキ:すいません、宅急・・

ガチャ、ドアが開いた。

マキ:ごめんなさい。こくぼまきさん・・

マサキ:小久保マサキです。

マキ:あのこれ間違えて私の家に届いて、開けちゃったんです。

   ごめんなさい・・送り主が小久保梨々花って・・

マサキ:あー姉ちゃんです。大丈夫ですよ。ありがとうございました。

ガチャン、ドアが閉まった。


マキ:うううん 同姓同名だよ。バニーコート2 2が有るか無いかしか違わない

   んだよ・・偶然にしても凄くない!はい、ありがとう・って・・淡泊だな。

   伊良湖だったら1か月は噂が飛び交うと思うんだけど。


しょうがない。相手は、マキの名前も住所も知らないんだから。


マキは、部屋に帰り窓を開けた。少しずれて隣の小久保マサキの部屋の窓がある。

マキ:窓開けてみて!あっ、さっきの人!ってなるでしょ、小説なら・・・


マキ:黒いカーテンって、趣味・悪いなあ・・

マキの部屋には、まだカーテンもないが・・・


 (^^♪隣も真樹マキ隣は真樹マサキ♪♬♫



バスと電車を乗り継いで、雇ってくれるトリマーの店、カヨリーナに着いた。

朝8時55分 まだ誰もいない。9時15分、髪を振り乱した女が走ってきた。

レン:(霧島恋)お客さん?

マキ:今日から働きに・・

恋:新人か、間に合った・・・

恋がカギを開けて中に入った。

恋:はい、これ、明日から9時出勤の鍵開け当番おねがいします。10時開店だか

  らね、もし、プードルつれたおばちゃんが来ても店に入れちゃあダメだから。

  外で待たして。そのおばちゃんが来たらその日は、泊まりになるからね。

マキ:は?はい・・店長さん?ですか

恋:従業員。店長は来るか来ないか・・あっ来た・・

大久保佳代子、生き物美容室カヨリーナのオーナー兼店長。獣医師資格もある。

腕は、ぴか一、時間にルーズ、お金にはうるさい。酒が好きで、男はもっと好き。

佳代子:新人さんね。小久保真樹さんね。こっちは霧島れん、ちょっとだけ先輩。

恋:大分先輩ですよ。3か月も下働きですから。やばっ、来たよ・・・プードル!

フミ:(白鳥文)良かったー開いてた!佳代ちゃん!

      お願いね・・いつものフルコース。

佳代子:行ってらっしゃーい。恋、小次郎ゲージに入れといて!

恋:嫌ですよ。噛まれるから、だいたい、まだ開店10分前じゃないですか。

マキ:可愛いー、小次郎って言うの!

恋:危ない・・・

マキがプードルを抱いて撫でている。

佳代子:あれ・・噛まないね。

マキ:この子、噛むんですか

恋:噛むのなんのって・・これ見て!

恋が、自分の手の甲の傷を見せた。

マキ:うわー、痛そう・小次郎君が噛んだんですか・・そんな感じじゃないけど。

佳代子:危ないからゲージに入れといて。

マキが、ゲージに入れると素直に入って座った。

恋:絶対帰ってきませんよ。ペットホテル代わりに使って・・明日帰ってくれば、

  ましな方だ。

佳代子:良いじゃなの、儲かるんだから。深夜割増も付くし。

恋:佳代子さんは帰っちゃうから良いけどソファーで仮眠するこっちの身にも

  なってください。


11時過ぎてもお客は誰も来ない。このプードル?だけだ。

マキ:終わりました。

佳代子:それじゃあ小次郎でやってみて。

佳代子は、マキにビデオを見せて犬のシャンプー、爪切りなどの仕方を覚えて、

小次郎でやってみろと言う。

マキは、小次郎をシャンプー台に乗せて洗う。おとなしく洗わせている。石鹸を

流し終わると、小次郎が体をブルブルと振るわせて水気を飛ばそうと構えた。

その瞬間、マキが、バスタオルで、すかさずくるんだ。

ブローも終わり、カットを始めると何度もマキの手を噛もうとするが、肘で小次郎

のアゴの下を抑えて噛まれないようにカットした。爪切りも苦手なようで、低い声

で唸りながら本気で噛んでくる。小次郎の下あごの付け根を右ひじで軽く押さえて

前足の爪を切った。後ろ脚を切るときには、くつろいで寝ころんでいた。


恋:マキちゃん・・すご!

佳代子:今日から店長で良いわ。

マキ:専門学校でやってましたから。

恋:私も学校は行ってたけど。


結局、この日のお客は小次郎だけ、恋の言う通り飼い主の文は、帰ってこない。

16時過ぎた。佳代子は昼から姿を消した。

マキ:恋ちゃん、小次郎の飼い主さんが帰って来なかったらどうするんですか。

恋:今までは、店長か私がここに泊まってた。

マキ:ここに!ソファーが一つあるだけじゃないですか。

   食事はどうするんですか・・

恋:出前館かウーバー。一応、店長が店を指定してきて、ツケで食べれる。

  駅前のココ壱がおすすめ。イケメンの店長が持ってきてくれて、小次郎と

  遊んでくれるから、ちょっとだけコンビニに行って息抜きできる。

  夜間割り増し無しだけど時給は出るよ。

マキ:小次郎も、寂しいよね。

結局、この日はマキが止まりで面倒を見た。食事時になったのでココ壱に電話して

野菜カレーを注文した。宅配で持ってきてくれたのは、不愛想なおばちゃんで、

小次郎が、吠えたので、すぐに逃げて行った。

マキ:小次郎、吠えちゃだめでしょ。

マキが、カレーを食べると小次郎がねだるので、小次郎に左手でチュールをやり

ながら右手でカレーを食べた。


翌日、恋は休み。腹痛とのことだが、小次郎を文が迎えに来ないと、今日は自分が

泊りになるから仮病に違いないと佳代子が来て言っている。


昼過ぎに飼い主の文が、迎えに来た。

文:ごめんなさい。急に不幸が出来ちゃって、携帯も充電切れで・・

文がチュールを出すと、小次郎が自分からゲージに入った。

佳代子:文さん、来れないときは電話だけでもお願いできると、嬉しいです。

文:ごめんなさいね。これで、勘弁してね。

と、5万円払って帰っていった。

佳代子:マキちゃん今日は、閉店にするからこれで帰っていいよ。

マキ:ありがとうございます。

マキは14時過ぎに帰っていった。引っ越した部屋に何にもないので買い物にも

出たい。電子レンジや冷蔵庫をリサイクルショップで買って届けてもらった。


この日は、恋が珍しく定時に出勤した。マキは、当番と言われて、ずーっと早出で

鍵開け当番。当番じゃない日は無いから鍵開け係と言われれば納得する。いつの間

にか、名札掛けが出来ていて。”本日の店長”と、書いてある下に小久保真樹の

札が掛けてあった。その後もマキ以外の札が掛かることは無い。


マキ:本日じゃなくて毎日、店長兼、アシスタント兼、夜間宿直係なんだけど・・


佳代子は、けちだけど、働いた分は払ってくれる。小次郎が月に2回は、泊まりに

来るので、その分は手取りも増える。一人暮らしができるだけの収入になった。

恋:マキちゃん、今日飲みに行こうか!

マキ:大宮で飲むなんて初めてです。

恋は与野の出身で、この辺には詳しい。というより実は、


居酒屋で

恋:頂きまーす。

マキ:久しぶり!乾杯!んーおいしー!すいません!もう一杯お願いします。

恋:マキちゃん早いね。飲める方だ!

マキ:あったり前田・・じゃない・・飲めるよ!恋ちゃんは?

恋:まったく、レモンサワーの焼酎抜き。店長が知ってるから、勝手に焼酎入れ

  ずに作ってくれるの。

マキ:飲めないのに居酒屋に来なくても・・

恋:まー、いろいろあってね。実はさあ、マキちゃんにお願いがあって・・

マキ:なんですか?

恋::アルバイトしない。

マキ:アルバイトですか?

恋:スナックなんだけどね。私も実はやってて、

マキ:なんとなくと言うか、この間、南銀で見かけました。チャイナドレスで・・

恋:バレてたか。中国人スナックのアルバイト。ママからいい子いないかって

  カヨリーナで私と一緒に働いてるマキちゃん見て、誘ってみろって言われて・

マキ:やったこと無いですよ。

恋:おっちゃんの話聞いて笑ってれば良いだけだから時給もカヨリーナよりは

  いいから。お試しで・・

マキ:すいません日本酒冷酒で!

恋:しかし飲むね・・

マキ:考えときます。すいませんワインも白、デカンタで!

恋:・・・・


会計で、

恋:マキちゃん、誘っといて申し訳ないけど・・割り勘で良い?

マキ:エーっ!割り勘で良いんですか。ありがとう!

割り勘では、恋が払い過ぎだ。


カラオケボックス、JoyJoy大宮店で

店長:もしもし、あ、出た助かったー、あの悪いんだけど今からシフトに入れない

   かな。欠勤続出で、人が居なくて、タクシー代に割り増し付きで頼むよ。

マサキ:えー、しょうがないですね。・・わかりました・・

アルバイト先から急に呼び出された小久保真樹。カラオケボックスのカウンターに

入った。そこへ、マキと恋が入ってきた。

恋:2時間で、二人。 マキちゃん、初めてだからこれ書いて。

マキが、受付でメンバーカードの申し込み用紙に記入する。

       大宮市吉敷町2-2バニーコート201 小久保真樹

真樹が、マキが記入しているカードを見て気が付いた!

マサキ:??!あの時の! 自分の荷物を届けてくれた近所の女性だ。

    隣のアパートか・・同じ部屋番号・・同じ名前・・間違えるわけだ。

お互いマスクで、顔が分からない。マサキは、住所でマキと分かった。

マサキ:21号室でお願いします。


部屋に入ると恋が注文した。

恋:すいませんレモンサワーで、酎ハイぬいちゃってください。マキちゃんは?

マキ:あの・・ジンのロックと2杯、日本酒の熱燗2本で、ポテトも

恋:・・・・・・

マサキ:ジンのロックも凄いけど、今どき若い女性が熱燗・・無敵だな・・

一応、徳利もあった。レンジで燗をつけて持っていく。


マキ:歌うか!津軽海峡冬景色っと、

JAの宴会では、大喝采になる。ノリノリで、振り付きで歌い。

                    ・・ふーゆげーしきー・・と、

    なるのを待って、マサキが部屋に入ってきた。

マサキ:お待たせしました。ジンのロックのお客様・・

マキ:はーいい!

マサキ:熱燗のお客さまは、こちらですね。

恋:はー

と、言っていったんもらって、マキの前に並べた。


マサキが、熱燗からマキの顔を見上げると・・・

           ”♪ご覧あれが竜飛岬北のはずれと♫・

                           マキが歌い出した。


マサキ:片方は、酒なしのレモンサワーでマキさんは、ジンと熱燗、津軽海峡か

    大宮は、恐ろしい街だ。

           いやいや、マキは、田原出身です。


その後も、マキの快進撃は止まらない。直斗と飲んだ、あの雨の夜以来の酒だ。

許してあげて欲しい。とうとう、店の一升瓶が空になった。日本酒はもう無い。

徳利もなくなったので、空の徳利を下げに来た。

マサキ:すげー叫んでるな・・シャウトと、言うよりうめき声だ・・・

嫌な空気感だ。

マサキ:失礼します。お酒がもう無くなっちゃって・・

マキ:お兄さん!いいとこに来た・飲もう!どうぞ、、座って、すわってよ!

店員のマサキにまでマキが酒を進めてくる。徳利だけ持って部屋から逃げだした。

マサキ:おしとやかに見えた彼女とは別人だな・・大宮、恐ろしい・・

               だからマキは田原で、母の美沙は鹿児島だって!

大宮は、いい街だ。

マサキ:お時間になりました。

マキの部屋に電話をした。

恋:すいません。ちょっと手伝ってもらって良いですか!

マサキが部屋に行くと

恋:すいません。もう一人が、立てなくなっちゃって・・

マキが、泥酔してソファーに横になっていた。マサキが抱き起そうとマキを支える

と、マキがマサキに抱き着いてきて、

マキ:よし!一緒に飲もう!ん・・ん・・あんた誰?

と、マサキの名札を見た。

マキ:ん、小久保真樹・・・ん!真樹!・・・・・・小久保まさき!

                   一瞬、顔を見て死んだふりをした。

身長170cmの大女を身長150cmの恋と、

       小太りのマサキが抱えて行き、タクシーにつめこんだ。


転げ落ちた、片っ方のパンプスは、恋がひろって持って帰った。


第4曲 ♪Bunny'S Shout♫♬





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ