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悪役令嬢だから知っているヒロインが幸せになれる条件  作者: 音無砂月


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「リスティル様、大丈夫ですか?」

「幾ら陛下の妾子だからってあの方少し生意気ですよね」

「リスティル様、私たちはリスティル様の味方ですからね」

私がメロディから遠ざかった途端に三人の令嬢が近寄って来た。三人とも伯爵令嬢だ。

あからさまに媚を売りに来ているのが分かる。あまり関わり合いになりたくないな。

私をダシにメロディを排除したいのだろう。万が一露見しても私のせいにすればいいだけだし。

「リスティル様は何も心配しなくていいですわよ」

「そうですわ。全て私たちにお任せください」

「私たちがいいように処理致します」

ほら、来た。

「余計なことはしなくて結構です」

「ええ、ええ。分かっていますわ」

いいや、何も分かっていない。

「リスティル様は何も知らなかった。それだけですわ」

うわ、もう。面倒くさい。

「私をダシにしないでいただきたい。私があなた達に頼むことなんて何もありませんわ!」

仕方がない。

悪役令嬢としてあまり目立ちたくはないけどこの三バカが余計なことをして私に頼まれたからだと捏造されたくはないから目立つように口論しておこう。

そうすれば仲間だと思われることもないだろう。

「そ、そんな声を荒らげなくても」と、三バカは困惑したように私から離れる。

「勝手に祭り上げて自分たちのしたいようにして、最後は私に全責任を負ってもらおうという魂胆が見え見えですわ。それで怒らない人がいますの?」

「そ、そんなつもりは」

「私たちはただリスティル様の為を思って」

はい、来た。『〇〇の為』。なにそれ、何の免罪符なの。

「なら先ほどの言葉通り、余計なことはしないでいただきたい。不愉快です」

周囲に視線を向けると何人かが騒ぎに気づいてちらちらと不躾にならない程度に見ている。これぐらいでいいだろう。

「それでは失礼します。くれぐれも余計なことはしないように」


◇◇◇


それから数日は何事もなく穏やかな日々を過ごしていた。

けれど暫くして人々の視線が気になるようになった。

特にあの三バカ伯爵令嬢は私を見てニヤニヤしている。嫌な感じだ。

「リスティルっ!」

どんっ。

えっ。

「きゃあ」

強い衝撃を背中に感じたと思ったらそのまま階段を転げ落ちた。

死にはしなかったけど体中が痛いし、起き上がる時に上手く息ができなかった。多分、ショックによる一時的なものだろう。

「リスティル」

階段から落ちる前に聞こえた声と同じ声が再度私の名前を呼ぶ。

階段の上にはハロルドがいた。そしてハロルドの腕にしがみ付き目を潤ませ、なぜか怯えた表情で私を見つめるメロディがいた。

「リスティル、メロディから全部聞いたぞ。彼女を虐めていたようだな」

「は?」

悪役令嬢の私がそんなことするわけないでしょう。ちょっと言葉はおかしいけど。そんなことしたらバッドエンドだって分かっているんだから。

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