マリーたちのイベント検証
30分後、私たちの店に一組のパーティーが入ってきたわ。彼らは先頭から金髪で腰に鉄のロングソード、鉄の防具を着た【魔法剣士】のライア、全身を鉄の防具で堅め背中に巨大な盾を背負う【重戦士】のタツヤ、頭に鉢巻き、手にはガントレットを着けている【格闘家】のゴウ、黒いローブに魔導書を持った【魔術師】のユウカ、白いローブを着て大きい杖を持つ【僧侶】のマリア、緑のレザー装備に巨大な弓を背負う【ハンター】のチヤ。
先ほどインフォメーションで流れたようにシンソの森のエリアボスを初めて倒したパーティーで、現在知られている攻略トップね。まあケン君を除いてだけど
「シンソの森エリアボス討伐おめでとう」
「ありがとうございます」
「素材や情報は売ってくれるのかしら?」
「はい。それと装備の更新もお願いしたいんですけど?」
ライア達はエリアボスの攻撃パターンなどを教えてくれたわ。どうやら木のツタの攻撃と土魔法がメインで、岩猪や咆哮熊の様な第2形態は無いみたい。素材もランクの木材が多いみたいね。
「どうです?グレート・ポイズン・スパイダーと同じランク3の素材ですよ。これでマリアの杖、チヤの弓は作れそうですか?」
バイロンは素材を見ながら少し考えている。あの顔は変なこと考えてるわね
「今のままでも強い杖と弓は作れるが、この店で入荷したいくつかの素材を買ってくれたらさらに強い装備が作れるぜ」
「何か珍しい素材でも手に入ったんですか?」
あら、もう伝えるのね。確かにライア達ならお金も持ってるし買ってもらえるかも。私はケン君から買いとった『ミルキーフライの上質なまき糸』と『ハウル・フォレスト・ベアーの毛皮』『ガイア・レイア・バロゥフの大骨』を見せた。するとライア達はこの素材の意味が分かると慌てて質問をしてくる。
「何、この糸?今まで見つかった糸とは全然違うんだけど?」
「それにこれらの素材、まさか倒したのか?あのバカみたいに強い岩猪と咆哮熊を?一体誰が?」
まあ、そうなるわよね。だってライア達は岩猪と咆哮熊を一番倒そうと頑張ってたけどまったく倒せなかったのに、いきなり素材が目の前に出てくるんだもの。
「うふふ、そうよ。プレイヤー名は言えないけど今日とあるプレイヤーが持ってきてくれたの。岩猪と咆哮熊の戦闘パターンの情報も売ってくれたわ。糸に関してはとある方法で入手したんだって。これに関しても購入制限があるけどね。ちなみにこれらの素材はここにあるだけね」
うふふ、迷ってるわね、ライア達。確かに全ての情報を買えばすごい金額だものね。でも、買うんでしょ。
やっぱり、まいどあり。じゃあ教えてあげようかな。
私の話を聞いたライア達は色々考えているわ。おそらくケン君がしたことをできるかどうかを考えてるのね。確かにまねできるところはあるけどアイテムを揃えられるかはわからないものね。さてこっちの話も進めましょうか
「もう一つとっておきの情報があるの。これに関しては検証を手伝ってくれたらただで教えるわ。どうする?」
ライア達は少し相談したのち、手伝ってくれることが決まった。私はケン君に教わった情報を伝え、その場所にライア達のパーティーと私たちのパーティーで向かった。しかし
「あれ、ライア君達がいなくなったわよ?」
カオリの言う通り先ほどまで隣にいたライア達が消えていた。いそいで『フレンドコール』で連絡を取ると
「みんな無事」
『ええ、そちらは?』
「こっちも大丈夫よ。どうなったのかしら?」
『歩いていたらいきなりマリーさんたちが消えたんです。おそらく特殊なフィールドに行ったのではないですか?』
「ちょっと待ってて先に進んでみるわ」
私たちは森の中を進むとケン君が言っていた通り大きな木が生えていた。木の根から下を覗くと確かに空間が見えた。ここね、ケン君が言っていた場所。
私たちは一度戻りライア達と合流し、パーティーを入れ替えて検証を行った。わかったことはあの場所に向かうにはパーティーかレギオン(パーティー同士で組むこと)内で中級以上の⦅伐採⦆スキ
ルを持つ者がいる事が条件みたい。
次にケン君が言った通り地面を攻撃したりしてみたけど全く効かなかった。そして木の根の伐採に移ったんだけど、これには苦労したわ。まず第一条件として⦅伐採⦆持ちしか木の根を攻撃できないの。さらにケン君が言っていた通りこの木は1分経つと完全に元に戻るわ。
この木を切るにはオノ装備+バフでアタックが300以上、そして常に⦅強化伐採⦆を発動して1分間オノを振り続けることで伐採できるみたい。一度一定の領域を伐採すると修復はしないんだって。
私たちの場合、⦅伐採⦆スキル持ちのバイロンに『鉄の斧』を持たせて、装備をアタック上昇系にして、バフをかけ続けて、MPが切れそうになったら『マナポーション』を投げつけて回復させることで成功したわ。今回は純生産職のバイロンしか⦅伐採⦆を持っていなかったからアタック不足、MP不足で困ったけど、戦闘職に⦅伐採⦆を覚えさせて不足している能力を補うのがいいわね。
そして木が伐採できると同時に地面が崩れ下の地底湖に落ちたわ。ここら辺はケン君と違うわね。地底湖についても調べたけど特に何もなかったわ。そしてとうとうボスの扉の前についたわ。そこでライアが
「しかし、よくこの情報を教えたプレイヤーはこのイベントを見つけたね。見つける条件結構難しいよね?」
知らないよね、ケン君がイベントを見つけやすい⦅発見⦆スキル持ちだなんて。さすがに個人情報すぎて売れないもの。それにプレイヤーに知られたらたくさんの人が押し寄せるからね。私たちは笑いながらしれっと会話を流した。
扉の中に入るとケン君の言った通り中央に人型の骨が座っていた。そして私たちが近付くと起き上がり、全身鎧、盾、剣を装備し、周りに10匹のスケルトンドッグが現れた。
いろいろ違うわね。お供のスケルトンドッグの数はケン君の時が4体、私たちの時が10体、これは挑んだ人数で変化するのね。次にボスのダークスケルトンナイトだけど装備に全身鎧が増えてるわ。これは人数が原因、それともレギオン?これはわからないわね。さて戦闘パターンに変化はあるのかしら?
そして戦闘が終わり、ダークスケルトンナイトが倒れるとインフォメーションが流れるわ。
『イベントクリアおめでとうございます。報酬として『ランダムスキルロール』が送られます。このイベントは残り8回まで他のプレイヤーが挑戦できます』
「本当にランダムスキルロールがもらえた」
「私もよ」
「俺も」
どうやら挑戦した全員にもらえるみたいね。ダークスケルトンナイトの攻撃パターンは変わらずに攻撃力、耐久力が増えたようだったわ。そしてこのイベントは何人で挑戦しても1回と数えられるみたいね。これは売れる情報よ、うふふふふ




