錬金術で作ったポーションの価値
ギルドに入るとアズチさんが受付にいた。早速ポーションについて話そう。僕達が近付くとアズチさんも気が付いて声を掛けてくれる。
「こんにちわ、ケンさん、ヒミコちゃん、シズクちゃん、ヒビキちゃん」
「こんにちわ、アズチさん。あの~ポーションの事で相談したいんですけど」
「まさかアレ(錬金術)関連ですか?」
「はい、アレ関連です」
「ちょっと待ってください」
アズチさんは別の店員数人に話しかけいくつかの書類を渡している。そして
「すみません、それではギルマスの部屋に向かいましょう」
「ケン君いらっしゃい。今日はどうしたの?」
部屋の中ではマイラさんがいくつかの書類の整理をしていたが僕らに気づくと書類を放り出し近づいてくる。
「ギルマス、錬金術の話があるそうです」
「なんですって?一体何があったの?教えて」
僕たちはテーブルに座り、錬金術関連のイベントを話し出す。
「まず、この街の錬金術で作られた『未開の箱』に行ってきました」
「ザビア様が最後に作ったアイテムね。あれが何のために作られたのかはわからないのよね」
「そりゃそうよ。『未開の箱』は復活した錬金術師にのみ反応するんだから」
「えっ?」
あ、ちょっとワイズ。今から紹介しようと思ったのにいきなり声あげないでよ。ほら、いきなり声が聞こえたからマイラさんとアズチさんが驚いてるじゃん・・・ん?なんで、僕の方を見てるの?まさか今の声僕が出したと思ってる?早く誤解を解かなければ。
「『未開の箱』に触れると別の場所に転移してそこでこの球体:ワイズに会ったんです。ほら、ワイズ!」
「私の名はワイズ。ザビアに作られた最後の錬金術の傑作、ホムンクルスのコアよ。今はケンの腕輪兼師匠として一緒にいるわ」
ワイズに注釈を入れてもらいながら、あの時ザビアに聞いた錬金術師の歴史について話した。アズチさんは話を聞くごとにより真剣さが増し、何かを考え始める。逆にマイラさんは話を聞くごとに目をキラキラさせ聞き入っている。そして話が終わるとマイラさんはテーブル越しに乗り出し僕に、というより僕の腕のワイズに話しかけてくる。
「ねえ、ワイズさん。私は錬金術師になれないの?」
「あなた~?・・・ちょっと待ってこの魔力、あなたザビアの血族ね。だったら素質があるはずなんだけど・・・やっぱり、たしかマイラっていったわね。あなた薬品関係の⦅調合⦆系しかあげてないわね。それじゃだめよ」
「え?」
「錬金術はね少し変わった職業なの。いわば生産の総合職なのよ。だから⦅調合⦆だけじゃなく⦅鍛冶⦆⦅農業⦆⦅料理⦆⦅細工⦆などの他の生産系スキルも基礎程度なら覚えとかなければならないの。それにさまざまな属性の魔力も扱うから様々な⦅属性魔法⦆も必要よ。あと生産だけじゃなく素材を実際に現地で見て感じることで新しい発見があるから戦闘力も必要なのよ」
そうなのか。確かに採取系を除けば僕のスキル編成にばっちし合う。一応『AI』で生きていけるようにスキル取ってたけどラッキー。
「そうだったんだ。よし、いろいろ頑張らなくちゃ」
とマイラさんが部屋から出ようと椅子から立ち上がるとアズチさんが首根っこを捕まえてマイラさんの動きを止める。わお、初めて見たぞ、この場面
「落ち着いてください、マイラさん。ケンさんは今日錬金術師の話だけではなくポーションの販売もしに来たんですから」
「つまり、錬金術で作ったポーションてことね。見せて見せて」
錬金術で作った各種ポーションを置く。マイラさんとアズチさんは真剣にそれらのアイテムを見ていく。何、あの集中力、結構緊張するんだけど。全て見終わるとマイラさんは使った素材についても聞いて来た。僕が答えると
「すごいわね。軒並み効力が高いわ。まず『低級回復ポーション』『低級マナポーション』、今回ケン君が使った素材は『低級回復ポーション』を作る上では下級のものよ。それでも⦅上級薬師⦆が上級のアイテムを使った『低級回復ポーション』並みの回復量があるわ。マナポーションも一緒ね。次に『低級毒ポーション』『低級麻痺ポーション』。付与率100%は⦅中級薬師⦆以上が作れば作れるわ。だけど⦅継続時間増加⦆は『低級回復ポーション』では初めて見たわ。最後に『低級毒消しポーション』ね。これはすごいわ。今まで100%の確率はダンジョンでたまに出てくるのみだったからとても高いのよ。それを含めてこんな感じね」
そのばでいくつかのポーションを売った後商業ギルドを後にすると通知音が聞こえた。どうやらマリーから連絡、フレンドコールのようだ。
(はい)
(今、ケン君大丈夫?)
(大丈夫ですよ)
(カオリとガイウスに頼んでいた装備ができたんだって。店に来てくれない?)
(えーと、商業ギルドの生産用個室ですか?)
(あら、そういえば言ってなかったわね。私、ガイウス、カオリ連名でお店を買ったのよ。場所はここよ)
地図のスクショが送られてきたのでその場所に向かってみると大きな建物があった。看板には『インフォ・プロダクト』と書かれている。店の中に入ってみると中には冒険に必要な様々な道具、武器、防具などが置かれていた。そして奥のカウンターにはマリーさんが座っていた。
「こんにちわ」
「いらっしゃい、ちょっと待っててね」
マリーさんは店員に受付を譲ると一緒に来るように言ってきたのでついていく。すると2階の一室に案内される。そこにはカオリ、ガイウスの他にもう一人赤毛の男性がいた。
「お、こいつが昨日いっていたケンってやつか。初めまして、俺はバイロン、ジョブは〖木工技師〗だ」
「〖木工技師〗?」
「おう、〖木工技師〗ってのは⦅木工⦆と⦅細工⦆のスキルをある程度のレベルまで上げると取ることができるジョブだ。で俺は弓や杖、アクセサリーなどを専門にしている」
「昨日弓や杖についても頼んでたでしょ。で私が腕のいい生産者に頼んどくって言ったじゃない。それが彼ってわけ」
「おう、初めての素材だったからてこずったが良い物ができたぜ」
「じゃあ、お披露目ね」
こうして僕たちの装備のお披露目が始まる。




