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『Wonderful Mystery Marvel Planet』  作者: アマテン
新年と試練の塔
603/723

試練の塔㊼ランク4:血染めの赤鎧とイリーガルモンスター:光星スティンガー

イグニス・ケンタウロスの討伐報酬である金の宝箱を開けてみると


「ああ、今回は魔装備の流れか」


出てきたのは〖血染めの赤鎧〗という防具。魔装備でステータスはHP・ガードのが上がり、MP・マジック・スピードが下がり


メリット:⦅ブラッディ・カウンター⦆・・・使用中、回復効果無効。5回分のダメージを吸収。吸収完了状態で盾を当てることで吸収したダメージ分のダメージを与える


デメリット:アイテムのクールタイム2倍


 デメリットに関しても今更だし、ガードも今の鎧より3倍近く上がるため、みんなに相談して装備することに。血染めの紫鎧はベースの色が濃い紫だがところどころに血が滴るように赤い模様が目立っている。


 さて全員装備を整えまだ誰も見たことがない21層へと向かう。11層の流れから新しいギミック・魔物が追加されているはず。蘇生薬にも余裕があるし、⦅生命の嘆き⦆のストックもある。ここまできたらできるだけ進もう。


 23層、エリアは蜂の巣の中。インフォ・プロダクトの攻略本にも載っていない新エリア。足元にははちみつがたまっている場所があり、触れると移動速度低下・一定時間継続ではちみつ硬化により移動停止のデバフ。触れる面積が多いほどデバフの効果増大。さらに魔物を引き付ける効果あり。


 蜂の巣エリア内の魔物は蜂型で、名前の階級により装備や体格が変わってくる。さらに四方八方様々な場所から出てきて襲い掛かってくるため、完全に多性に無勢で全員は守り切れないため、転移門を探しながら巣の中を駆け巡る。そして、ついに


「あそこの壁!」


ボタンが転移門を発見。ある程度近づくと敵の方を向き⦅バキュームフィールド⦆でダメージを肩代わりして、みんなを先に転移門に。さらに今のスキルで⦅ブラッディ・カウンター⦆のカウントもたまった。⦅ブラッディ・カウンター⦆だが戦闘が終わるとカウントが0に戻るため、皆の攻撃力が高く1戦闘ではたまらなかった。だがこのエリアでは敵がひっきりなしに襲ってくるため常に戦闘状態、簡単にカウントをためることができ、無力の大盾が赤黒く輝く。


僕は盾を近くにいた中佐ホーネット (体長3mほど、巨大なハンマーを持ったスズメバチ)に向けて振り下ろす。


ドガン


「へ?」


 一撃で中佐ホーネットを倒してしまう。この中佐ホーネットはHPが高く他のメンバーでも結構攻撃を当てないといけない。それに⦅ブラッディ・カウンター⦆だが溜めたダメージは20ほど。全然計算に合わない。


よくわからず困惑していると中佐ホーネットの死体が消滅した後に銀の宝箱が出現。だが他の蜂がすぐそこまで来てる。急いで宝箱を開けアイテムを回収して転移門に。


 24層は遺跡の中。探索の前にさっきのアイテムを確認。えーと〖魔装集めし者の証〗?これって職業だよね。能力を確認してみると専用スキルは

⦅魔装コレクター⦆・・・魔装備の数によりステータスに倍率 (現在は3つ装備しているので全ステータス1.2倍)

⦅魔負荷制御⦆・・・使用すると魔装備のデメリットを一定時間無効。使用するごとに無効時間が減り。スキルのクールタイムが伸びる


 特定のステータスの伸びは無いけど全ステータスUpは嬉しい。それに⦅魔負荷制御⦆も生命の嘆きのデメリットを打ち消せばボタンからも回復を受けれる。まあ、使い過ぎには気を付けないといけないけど。


「さっきの⦅ブラッディ・カウンター⦆のダメージどういう事かしら?」

「ケンさん、ダメージはどのぐらい溜めてたんですか?」

「20ダメージだよ」

「じゃあ受けたダメージと与えたダメージが計算に合わないわね」

「クールタイムは長いんだけど試してみるしかないね」


 24層で少し時間をかけながら⦅ブラッディ・カウンター⦆の性能について検証してみた。結果⦅ブラッディ・カウンター⦆は確かにダメージを蓄積するが自分が受けたダメージではなく、攻撃元々のダメージを蓄積するみたいだ。スキル名が⦅カウンター⦆ (受けたダメージを返す。アタックの値で補正アリ)に似ていたので勘違いしてた。


さらに進み29層、どこかの部屋の中。壁は白い金属製でところどころに電気のシグナルが走っておりまるで研究室。通路を抜け進むと2手に分かれ、目の前には看板が

右の通路・・・30層への転移門

左の通路・・・イリーガルモンスター:光星スティンガー

(あまりに凶暴なため、部屋には強制排出ボタンがあります)

と記されている


「みんな、どうする?僕は報酬が金箱確定だし、⦅生命の嘆き⦆のストック・蘇生薬の数・一度全滅できるから行くべきだと思う」

「私も行くべきだと思います。ただ引き際は考えた方がいいです」

「私も挑戦したいです。引き際に関しては蘇生薬を5つ使ったらでどうでしょう?」


他のメンバーも戦いたいと賛同してくれたので左の通路を進む。左の通路の先は大きな部屋になっており、中央には大きな電磁の檻で拘束された巨大なサソリが伏せている。部屋の入り口には2つのボタンがありそれぞれに〖解放〗〖強制排出〗と書かれており、ボタン下には


『解放ボタンを押すと扉のロックがかかり檻の電子線が解除されます』


と書かれている。僕が光星スティンガーの近くまでより息を整え背後のみんなにOKサインを送る。OKサインを見たミコが解放ボタンを押す。すると目の前の電子線が解除され


のそりのそり


と内部で体を丸めていた光星スティンガーが起き上がる。身長は3mほど、尻尾は毒々しい液体を垂らす生体と金属のうろこでで作られた機械の2本がゆらゆらと宙を動き、ガシャンガシャンと生身2本と機械2本の4本をかち鳴らす。光星スティンガーは機械を取り込んだ機械装甲サソリだった。


「⦅硬化気功⦆」


右の鋏の振りが見えたので強化魔法を使い受け止める。ダメージは3%ほど、更に連続でたたきつけられ、最後に尻尾で突かれて吹き飛ばされる。ダメージは15%ほど、最後の尻尾の攻撃だけ今のノックバック耐性だと吹き飛ばされるから躱さないと。


「⦅破砕撃⦆」


 僕が飛ばされた後、後方にいたノエルが切りかかる。ノエルの攻撃は生身の鋏部分にあたるが弾かれる。光星スティンガーは体を回転させ尾でノエルを攻撃しようとするが、ノエルは地面に伏せることで攻撃を回避。ノエルはそのまま胴体の下に潜り込もうとするが機械の尻尾の先が光りはじめビームを放とうとしている。


「⦅ボルテック・スナイプ⦆」


 ペコラの放った雷属性の魔力の矢が光星スティンガーの機械の尾に当たり弾き飛ばしノエルを救う。ペコラは新しく〖エレメンタル・ストーンのネックレス〗というアクセサリー (レア度:シークレットユニーク)を手に入れ、すべての属性の魔法の矢を使える⦅エレメント・ロール⦆を使えるように。でもペコラ曰く


「一気にスキルが増えて管理が大変なのね」


 光星スティンガーの足元に入り込んだノエルは強化で進化した〖貪欲金鰐の大剣〗で腹の機械装甲のない部分を攻撃する。光星スティンガーも尻尾やハサミでノエルを排除しようとするが捕らえられない。ノエルが足元である程度ダメージを与えると光星スティンガーの腹がぱっくり開き口が現れる。このままだとノエルが飲み込まれてしまう。


「⦅カバームーブ⦆⦅巨人の盾⦆」


スキルでノエルの前に移動して盾を巨大化させ噛みつきを受け、ノエルは下がらせる。光星スティンガーにかじられ連続でダメージを受けていくが、全体の2%が連続で減っていくだけなので倒れることはない。これなら


「⦅ブラッディ・カウンター⦆」


 ⦅ブラッディ・カウンター⦆の発動中回復無効でも問題なし。すぐにカウントは溜まり赤黒く光る盾を腹の口にぶつける。凄いダメージエフェクトと共に光星スティンガーはのけぞり倒れる。どうやら腹の口内は弱点のようだ。


「ケンさん、さがってください。⦅アリゲハイドロン⦆」


ノエルが飛び上がりながら叫ぶ。慌てて後ろに下がると腹の口に大技が当たる。皆が攻撃している間にHPを回復して次に備えよう。


 ダメージを与えていると光星スティンガーが飛び上がり天井に生身の尻尾を差し身体を固定して体が発光するまるで光の星だ。頭上をとった光星スティンガーは体中から光の塊を放出して床に落ちていく。光の塊は床に落ちると周囲に電流を発する。


 光の塊だが完全にランダム落下なのでヘイト管理ができず全員を守り切れないので、ここは回復役であるミコを守ることに。


「ケンさん、見て」


 ミコが光星スティンガーを指さす。光星スティンガーの体の光が鋏に集まり始め


パカ

ジュガガガガガ


鋏が開き光線が発射され盾に当たりすごい音が鳴る。HPも1%ずつじりじり減っていく。このままだと⦅自動回復4⦆の効果で大丈夫だが鋏は4つありすべての光線が僕に集中しHPが減り始める。すでに使用できる強化スキルは使用済み。


 HPの減りを心配しつつビームが終わるのを待っていると、今度は機械に光が集まりさらに追加の光線が襲ってくる。これはヤバい、さらにHPの減りが加速する。どうにかクールタイムが終わった⦅ダイヤモンドボディ⦆で被ダメージを減らし耐える。早く終わって~。


「あ!」


今度は腹に光りが集まり極太の光線が発射され一気にHPを削り切る。⦅生命の嘆き⦆が発動され復活する。僕を倒した光星スティンガーは体の発光をやめ動きを止める。他のメンバーが攻撃している間にさっきの攻撃を考える。


 今の攻撃他のメンバーだとおそらく鋏の攻撃だけで倒れていたと思う。多分僕が狙われたのは必要ないと思ったけどヘイト管理していたからだろう。さっきの攻撃の頻度によるけど魔装備の力がある僕でも毎回⦅生命の嘆き⦆のストックが無くなる。ここはあのスキルの出番だ。


 体の発光が戻った光星スティンガーは再び鋏に光が集まる。僕は⦅魔負荷制御⦆で〖生命の嘆き〗の


デメリット:HP1/5 所持者以外の回復・補助効果無効


を無効化する。これでHPが増えるだけでなくミコの回復・補助を受けれる。これでさっきの光線連打も耐えられる。巫女の力もあって光線連打を受けきるとまた光星スティンガーは動きを止める。どうやら光線連打→停止→光線連打が攻撃パターンのようだ。


 最後にずっと光線連打をしてきたが⦅魔負荷制御⦆のおかげで耐えることができ光星スティンガーを倒すことができた。


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