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『Wonderful Mystery Marvel Planet』  作者: アマテン
文化祭とアイテムコンテスト

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智秋との食べ歩き①

模擬店で出す料理の試食会を終えた翌日。今日は土曜日、特に用事もないから家事を終えたら暇になったので散歩がてら商店街に行こうかな。ついでに模擬店の下見がてら食べ歩きもいいかも。


 徒歩15分ぐらいの商店街に着くとまずは馴染の和菓子屋に向かうために足を進めようとすると


「険人君!偶然ですね」

「智秋」


 後ろから声を掛けられる。そこにいたのは智秋だった。


「何してるんですか?」

「時間ができたから模擬店の下見がてら食べ歩きでもしようと思って。智秋は?」

「私は新発売の本とレコード探しの帰りで、どこか食事をとろうと思ってたんです。あの、険人君?わたしもついていっていいですか?」

「いいけど時間は大丈夫?一応4時ぐらいまでの予定だけど?」

「はい、大丈夫です」

「だったら一緒に行こうか」


 こうして智秋も一緒に食べ歩きをすることに。


「この道を進むってことは紅葉堂にいくんですか?」

「うん。大福を食べに行こうと思って」


 

僕達が最初に向かったのは和菓子専門の喫茶店『紅葉堂』。外観はこじんまりとした落ち着いた色合いの喫茶店。売り出している和菓子は自分たちで作成した手作りでお持ち帰りも販売している。


「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

「2名です」

「こちらへぞうぞ」


 店員さんの案内で席に座わり早速料理を注文する。僕はさっき言った通り大福と緑茶、智秋は羊羹と緑茶。注文した品物が届く間周りの装飾を観察する。


「さすがに暖簾は出せないよな?宣伝にはいいと思うんだけど」

「通行の邪魔になりそうですからね・・・校舎の外からわかるように廊下の窓に何か設置しましょうか?」

「いいかも。僕達のクラスの窓は校門側についているから、いい宣伝になるよね」

「何の宣伝ですか?」


 さきほどの店員ではない恒例のおばあちゃんが商品を持ってきてくれた。この人は花江おばあちゃん、紅葉堂の店主で僕達も小さい頃からの知り合い。


「今度の文化祭で模擬店だすんだ。ある程度進んではいるんだけど何か他にアイデアがないか探しに来たんだ」

「そうなんですか?何かいいアイデアは見つかりましたか?」

「はい。のぼりを見ていい宣伝法が思いついたんです、花江おばあちゃん」

「よかったら、花江おばあちゃんも繁じいを誘ってきてよ。丁度定休日と重なるから」

「そうね、繁君を誘っていくわ」


 繁じいは花江おばあちゃんの旦那で紅葉堂の厨房を取り仕切っている。花江おばあちゃんは世間話を終えた後厨房に戻っていく。智秋は携帯で羊羹の写真を撮って、何やら捜査している。ツイッターかインスタにでもあげてるのかな?


「じゃあ、食べようか?」

「ええ」

「「いただきます」」



紅葉堂で大福を食べた後、次に果物を用いた料理を提供している『フルーツ・フェスティバル』へと向かった。『フルーツ・フェスティバル』は紅葉堂とは違い外観はカラフルでところどころに果物のオブジェが設定されている。内装は比較的明るい色を使っているが外観よりは落ち着いておりゆったりできるように調整されている。ここで僕達が頼んだのはフルーツが大量に盛られたパンケーキとカフェ。これをシェアして食べ進める。


「うん、パンケーキ自体は甘みが薄いけどフルーツと一緒に食べると、フルーツの甘みが合わさっておいしいね」

「パフェもフルーツと一緒に食べることでいい塩梅になるように調整されていておいしいです」

「模擬店のホットケーキにも果物を入れたかったけど予算上厳しいんだよね?」

「そうですね。そこは自作のソースとシロップで勝負するしかないですね。クラスでは評判でしたし。はい、険人君」

「ん・・・ありがとう、智秋」


 模擬店の会話の合間に時々スプーンで食べさせ合いながら2店目を終える。ある程度お腹に溜まる食べ物を食べたので川向かいの商業施設にバスで向かう。時間としたら40分ぐらいかな。


 商業施設につき公園に並んである出店に向かって歩いていると、ふとベンチに座る女の子が視界に入った。なぜか違和感を感じる。格好は薄ピンク色のワンピース、頭にはつばが広い帽子、肩からは青いポシェットがかけられている。うーん、少しおしゃれした女の子って感じなんだけど?


~智秋視点~


 私が新刊の小説と雑誌、古いレコードを買った帰り、どこかで食事しようと商店街を歩いていると偶然険人君に会いました。話を聞くとどうやら模擬店の下見のために食べ歩きをするそうです。これはラッキーです。他に人もいないようですしデートができます。私は荷物を近くのロッカーに預け食べ歩きに参加することにしました。


 最初に向かったのは花江おばあちゃんと繁おじいちゃんの和菓子屋『紅葉堂』。子供のころお祭りで繁おじいちゃんのりんご飴を食べてから月に何度か通っています。私が頼んだのは羊羹。今日の夜、冬美に自慢するために画像に残しましょう。


 次に向かったのは最近できた『フルーツ・フェスティバル』。ここではパンケーキとパフェをシェアしました。普段間接キスは気にしないですが、こう2人きりだとカップル感が出て気恥ずかしいですね。えへへ、いい思い出ができました。


 空腹にはならない程度にお腹が膨れたので川向かいの商業施設に向かうことにしました。バスで揺られること40分、商業施設に着いた私たちは早速で店が並ぶ公園に向かうことにします。しかしその途中険人君が立ち止まり、ベンチに座る女の子を見ています・・・?あの女の子靴がおかしいです。あの服の組み合わせなら運動靴はあり得ませんし、すごくくたびれています。よく見たらスカートも少し破けてますし。まるで長時間歩いているようです。


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