ユグドラシエルでの死闘㉓イヴィル・フェリアス黒世界樹吸収体①降り注ぐ死の剣
フェリアスは黒世界樹をすべて吸収すると全身を黒いオーラで包む。まるで卵のようだ。数秒後黒いオーラからフェリアスが現れる。彼女の姿は大分変化しており、背中には8本の太い枝が広がるように生えて、右手には黒世界樹でできた大きな槍、服には黒い蔓が模様みたいにまとわりつき、顔半分は黒世界樹でできた仮面で覆われている。
彼女はそのまま空中に浮かび上がると槍を掲げる。すると戦場全てを覆う透明な大型魔法陣が現れる。さらに彼女の周りに大きな黒い球体が多数出現する。黒い球体の数は・・・40個。その黒い球体から黒いレーザーが放たれる。その大きさは黒世界樹の巨人モードの口からビームと同じ範囲。そのレーザーが彼女を中心に様々な方向に放たれる。
僕は⦅危機感知⦆の効果で事前に現れる直線状の軌道を地面に転がりながら避ける。事前の軌道が分かるからといってもこのレーザーは予想軌道から実際の攻撃の感覚も短く、攻撃範囲・攻撃時間も長い為、よけ方によっては袋小路に追い込まれるから大変だ。余裕がある時は袋小路に追い込まれそうなプレイヤーにも避ける方向のアドバイスを伝える。今まで一緒に戦っていたので僕が敵の攻撃を予測できることに気づいているプレイヤーも多い為多少の犠牲があったけど比較的指示は効いてくれる。あ!
「広範囲に弾幕追加。速度は未知数」
レーザーの攻撃だけではなく弾幕の予想攻撃も追加。これはさすがに無理。レーザーで道を遮られ袋小路のエリアの上空から魔法弾の弾幕が降り注ぐ。
「にぃに任せて!⦅花魔法:ラフレシア・ガードナー⦆」
一緒に回避していたアーシャが上空を巨大なラフレシアで覆い攻撃を防いでくれます。
「ありがと、アーシャ」
「えへへ。あ、上を見て」
上空を見ていると飛行手段を持つプレイヤー達がフェリアスに接近しようとしている。レーザーや弾幕などの攻撃を受けている間もプレイヤー達はフェリアスに遠距離攻撃を行っているのだが黒いオーラではじかれてしまいダメージが与えられていない。そこでプレイヤー達は近距離攻撃を加えようと動いたようだ。
しかしプレイヤー達がある一定距離に近づくと背中から生えている木の枝が強雨劇に伸び拡散し上空のプレイヤー達を迎撃していく。更に
「みんな、地上にも降ってくるぞ」
木の枝の攻撃は地上にも降ってくる。レーザーと弾幕だけでもつらいのにさらに攻撃の追加なんてきつい。これは受けていい攻撃とヤバい攻撃を見極めて動いた方がいいな。
上空では木の枝をすり抜けてプレイヤーが攻撃しようとするが
ドン
「え?」
プレイヤーが頭上からすごい速さで落下してくる。一体何があったの?そのお答えはすぐに分かった。再びフェリアスにプレイヤーが攻撃を加えようとするとフェリアスがすごい速さで槍を払いプレイヤーたちを吹きとばしていく。たださすがに10人以上で攻撃を叩きこむと1~2発は攻撃が届く。遠距離攻撃も地上の攻撃に球体の数を消費すると当たるようにはなった。
「上空の魔法陣が黒く染まってます」
いつの間にか上空に浮かんでいた巨大魔法陣が黒く染まっていた。
「うふふ、完成したようね。耐えられるかしら?⦅イヴィル・アポカリプス⦆」
上空の魔法陣から禍々しい剣が大量に降ってくる。
「⦅魔力ペンタゴン⦆」
ハクが上空に手をかかげ魔力でできたドームができる。その魔力のドームに⦅イヴィル・アポカリプス⦆が突き刺さる。少し耐えたがすぐに均衡は破れ魔力のドームは消滅する。そして多数の禍々しい剣が刺さりHPを吹きとばす。
次に目を覚ましたのは待機ルーム。一度死んだらここで1分間のインターバルを挟む。周りを見るとほとんどのプレイヤーが死んでいた。これは生き残ったプレイヤーに話を聞かないと。