1チーム目②一本道の罠
1チーム目のダンジョン作成の続きです。これで一層目は終了。次回の話ではとうとう迷宮に挑戦
「これでひとまず完成だな。ナツ、ヒビキ一度試してみてくれ」
ガイウスさんの指示で私とヒビキは一緒にボタンを踏む。するとボタンから一定区画透明な壁に囲まれ天井から槍が落ちてくる。私は剣で、ヒビキは銃で槍(罠)を撃ち落としていく。ただダメージの確認のために1,2発はわざと受ける。
最初罠は破壊不能でひたすら避けることも考えたが、それだとつまらないので罠を破壊できることにした。ただし罠によっては耐久度が違うし、とある仕様も組み込んでいる。罠のマスは全部で10×10の100マス。ボタンのトラップも侵入者(挑戦するプレイヤー)を撃退するだけではなく、侵入者を手助けするトラップも用意している。
さらに侵入者はボタンの間(仮)限定で5回『トラップアナライズ』というスキルが使える。このスキルは指定したマスの罠の種類が分かる。撃退用なら赤、お助け用なら青、それ以外(次のフロアへの扉の解除)なら白。このトラップアナライズだがパーティーに【罠解除】を持っているプレイヤー1人につき使用回数が2増える。
私達は全ての罠の確認を終える。罠の発動やダメージ、『トラップアナライズ』にも問題なし。ただ何か物足りない。でもその何かが分からない。
「どうかしたのか、ナツ?」
「何でもないですよ」
みんなには原因がわかったら伝えようかな。次の作業に取り掛かろう。相談の結果、一層目前半はボタンエリア(仮)、後半が今から作るエリアでコンセプトは決まっているが名前はまだついてません。コンセプトは単純で侵入者はひたすらまっすぐ進み様々な試練を乗り越える。
まずは人一人が通れる幅の道をのばします。その道の両脇には落ちたら一発でアウトの深い溝を作ります。イメージは振り子の刃が往復する遺跡の一本道です。次は罠の設置です。最初はやっぱり遠距離攻撃。一本道の両側から石や矢が飛んでいきます。
「ヒビキ、盾を構えて進んでくれるか?」
「わかりました」
ヒビキは機構盾を構えながら一本道を進みます。そこへ両脇から石や矢が飛んでいきます。ヒビキは機構盾で防いだり、避けたりして対応していきます。
「まだ、余裕がありそうだな。今の3倍くらいにしてみるか?」
それから調整を加えながら罠を仕掛けていく。時折道幅を広くして地面を砂や氷に変えたり突風を吹かせたりとバリエーションを増やしていく。ふふふ、完成が楽しみ。ちなみにこのエリアだけど【飛行】系のスキル持ちがいると一気に次の層の階段まで移動できます。まあ、一人で移動できてもどうしようもないですけど。