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『Wonderful Mystery Marvel Planet』  作者: アマテン
公式イベント『ファーストフェスティバル』
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新人プレイヤーへの支援⑧ユキ、銃を手に入れる

キングミノタウロスを倒した僕たちの前にcongratulations!(おめでとうございます)とウインドウが現れミノタウロスとキングミノタウロスの皮や角などの素材が手に入った。どうやらミノタウロス戦に参加していなくても報酬はもらえるみたい。僕はそのままヒミコたちを連れてハク・ユキのもとに向かう。


「イベントクリアおめでとう」

「あの~、先生が『イベントゲッター』なんですか?」


 二人はヒミコたちを見ながら僕に聞いてくる。まあ、さすがにばれるよね。じゃあ、改めて自己紹介しようかな。


「改めて僕はケン、『WMMP』内では『イベントゲッター』として有名なプレイヤーだよ。まあ、自分でいうのは少し恥ずかしいけど。とりあえず出口がないから扉の方に進もうか?」


「掲示板では『イベントゲッター』のプレイヤー名はレンとなってましたが、あれはなぜですか?」

「多分僕のジョブの一つが『錬金術師系』のジョブだから、それで名前が変わったんじゃない?」

「普段は最前線にいるんじゃないんですか?」

「別に僕たちは攻略最前線を走るプレイヤーじゃないんだ。ジョブのおかげでイベントが見つけやすいだけで普通のエンジョイ勢なんだよ。たまたま今までは前線で活躍しただけでね」


僕達は扉の奥に進むとそこには大きな宝箱と転移陣がある。転移陣はおそらく洞窟から出るためのものだろう。宝箱はイベント報酬かな?


「先生、開けてみていいですか?」

「ああ、こういうボス戦後の宝箱には罠はないから大丈夫」


 『WMMP』の世界にも宝箱は存在する。宝箱は大きく分けて2つ、フィールドやダンジョンで見つかるランダムに配置された宝箱(通称ランダム宝箱)と特定の場所に設定されている宝箱(通称固定宝箱)だ。

大きな違いはランダム宝箱には罠が設置されていることがあり、開けることで様々な状態異常に陥ることがある。解除方法としては現在スキルスクロールショップで買える『罠抜けのスキルスクロール』を買えば対応できる。ただし【罠抜け】だけでは成功率が低く、専用ジョブである【鍵開け師】がないと実用的ではない(【鍵開け師】は【罠抜け】のスキルレベルを上げることで習得できる職業で罠解除関連のスキルを覚えることができる)。

固定宝箱には罠はない。これは公式でも伝えられていることで、固定宝箱はボスの報酬やイベントの報酬で開ける宝箱だからみたい。


目の前の宝箱を開けてみると中には『上級ランダムスキルロール』×3、『指定スキルロール』、『キングミノタウロスリング』、『各強化草の種』が入っていた。


「これがイベントクリアの報酬かな?上級ランダムスキルロールは3人で分ければいいけど、他のはどうしよう?」

「えーと、キングミノタウロスリングはアタック+100、ガード+200上昇するアクセサリーで、各強化素材の種は食べるとわずかにレジスト・ラック以外が上昇する薬草の種セット、指定スキルロールって何?」

「指定スキルロールはリスト内のスキルを一つ選べるアイテムでリスト化されるスキルはランダムスキルロールに含まれているスキルのみだよ。どう分けるかは二人が決めていいよ」

「各強化草の種は僕たちがもらっても売るだけだから、『錬金術系』のジョブを持っている先生がもらってくれますか?」

「ああ」

「ミノタウロスリングは姉ちゃんがつけた方がいいかな?」

「ええ、私もそれでいいわ」

「となる僕が指定スキルロールだね」


「じゃあ、ガイウスのところ行こうか」


僕と姉ちゃんは銃を作ってもらうためにガイウスさんの元に向かった。ちなみに先生はヒミコさんたちは拠点に戻し、赤色(暗い)の錬金コートも脱いでいる。確かに今の先生を見たら『イベントゲッター』の情報とは合わない。


「いらっしゃい、ハク・ユキ・ケン。素材が集まったんだってな」

「はい。これです」


ガイウスの元に向かいユキがこれまで集めた素材を渡す。ガイウスはそれを一つ一つ手に取り確認する。普通のゲームなら『鉄鉱石』というアイテムは一つだけだが『WMMP』の世界では現実に近づけるため一つ一つ量や質が違う(例えば品質を数値化した場合、高品質という品質は100~200の範囲となるイメージだ。もちろん数値が高い方がいい素材となる)。その品質を見極めるのも良い生産者の条件で生産の醍醐味でもある。


「うん、悪くない。これならいい武器が作れそうだ」

「ハク・ユキ、アレも見せてあげて」


 僕が2人に伝えると二人はミノタウロスとキングミノタウロスの素材をガイウスの前に並べる。


「これは・・・」


ガイウスは初めて見るそれらの素材に目を奪われながら観察を始める。それから3分後、


「すまん、初めて見る素材で集中してしまった。これらの素材はどこでとったんだ?」

「それはザバン砂漠の洞窟のイベントで手に入ったんだ。情報は後でマリーさんに売っとくよ」

「そうか。わかった」

「聞きたいのはこれらの素材で銃の強化ができそう?」

「ああ、任せとけ。さすがに新素材だから日が欲しい。だからユキにはこれを渡しとく」


 ガイウスはユキに本来なら先ほどの素材で作れる『ピストル』を渡した。ユキは驚いた顔でピストルを受け取りガイウスに聞き返す。


「これ、受け取っていいんですか?」

「ああ、新しい素材を持ってきてくれたお礼と作るのが遅れるお詫びだ」

「ありがとうございます」



僕達はそのままマリーさんのところに向かう。


「あら、もうガイウスに銃作ってもらったの?早いわね」


 ユキの嬉しそうな雰囲気に気が付きマリーさんは質問してくる。


「いや、まだ作ってもらってないですよ。今回は情報を売りたくて。ほら、二人とも」


 僕はどんなことがあったか3人で説明する。ミノタウロス戦に関してはハク・ユキが中心に。キングミノタウロス戦に関しては僕が中心に。それらを聞いたマリーさんは少し情報を整理するために考える。


「ケン君、キングミノタウロスがあの洞窟のボスだと思う?」

「いや、まったく。もしボスならアナウンスが流れてるはずだし、どう見てもあのイベントは条件を達成したことによるイベントだと思う」

「やっぱりそうよね。問題は条件と再現できるかよね」

「条件は僕が拘束されていることから『新人星渡人』をパーティーに入れて洞窟に行くとか?」

「それだったらたくさんのパーティーでも発見できているはずよ。あと考えられるのは何かしら?」


僕達が考えているとふとユキが一言。


「他のゲームでよくあるイベント条件だと特定の場所にある時間帯に行くとかですよね」

「それかもしれないわね。ユキちゃん、ありがとう。その方向で進めてみるわ」




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