勉強会兼お泊り会⑪
僕達が港に着くと先ほど連絡したマリーさん、ライアさん、紅葉、ブリリアントがすでにいた。
「一体どうしたの?ケン君」
「何か海に関するイベントがあるって聞いたけど」
「一緒にいるのは『どこでもフィッシャーズ』よね。ということは海や釣りと関係があるの?」
「でも俺達のギルドは大体が【料理人】【農家】だぞ。戦闘は苦手なんだが」
「それについては・・・・」
イベントの内容とみんなを呼んだ理由を話した。
「なるほど。確かに超重要なクエストね。そのイベントを進めれば今まで名前しかわからなかった『凪の宝玉』が手に入るんだから」
「それでどんなクエストかわからないから私達を呼んだのね」
僕達は早速セレナーデと会った沖まで行く。すると海面から再びセレナーデが甲板に飛び上がってくる。その様子を初めて見た4人は飛び上がってくる水しぶきと現実では見ることができない人魚の幻想的な雰囲気に息をのむ。甲板に着地したセレナーデは僕達に確認を取る。
「この10人をマリンキングダムに連れて行けばいいのね?」
「ああ」
「じゃあ一か所に集まって」
僕達以外のメンバーが一か所に集まるとセレナーデはポケットから笛を取り出し息を吹き込む。するとその笛から巨大な泡が出てきて一同を囲む。
「その泡の中にいたら水中でも呼吸ができるから。でもあまり暴れないでね。その泡すぐに割れるから。ケン達は私についてきて」
セレナーデは泡の中にいるメンバーに注意事項を説明するとそのまま海に飛び込んでいく。メンバーを包み込んだ泡はそのまま空中に浮かびセレナーデを追いかける。僕達もその後を追いかけ海に飛び込んでいく。ちなみにカジキ丸だが釣りに行っていなかった『どこでもフィッシャーズ』のギルメンが乗って港に戻っていった。
セレナーデについていくと深海4000mの海底の洞窟にたどり着く。洞窟内に入ると壁に光るヒトデが張り付いており⦅夜目⦆や⦅ライト⦆が無くても内部の様子が見えた。そのまま洞窟内を進むと一番奥に転移魔法陣が描かれている。
「ここはマリンキングダムに繋がる転移門よ」
セレナーデの後に僕達も転移魔法陣をくぐると・・・水色の神殿の中に転移した。セレナーデはカジキたちを覆っていた泡を割る。
「いらっしゃい。ここが人魚たちが住む国マリンキングダムよ。国内は空気があるから普通に息ができるわよ」
神殿の門をくぐると最初に視界に入ったのは様々な色の巨大なサンゴだった。よく見ると窓や扉が付いている。どうやらアレが家のようだ。奥にはサンゴで作られた城の様なものが見える。周りを物珍しそうにきょろきょろ見ていると武装した集団が近付いてくる。
「姫様!その者達はお客様ですか?」
「こっちの10人はそうよ。でもこっちは私の後を自力でついて来たのよ」
「わかりました。申し訳ないのですが私達と一緒にもう一度外に出てもらえないでしょうか?」
「じゃあ、私達は先にあっちにあるマリンキングダム城に行ってるから」
セレナーデはそのままカジキたちを連れマリンキングダム城に向かった。僕達は先ほどの集団=衛兵たちに一度外につれられる。どうやら本当に深海で移動できたのか確認したみたいだ。確認後、再びマリンキングダムに入り神殿近くの駐屯所に案内される。そして
「こちらが『マリンキングダムの入国許可証』です。ようこそマリンキングダムに」
『『マリンキングダムの入国許可証』によりマリンキングダムへ転移が可能になっりました』
よし、これでいつでもマリンキングダムにはこれるな。街中を見回りたいけどまずは皆がいるマリンキングダム城に行こうかな。
そして時間は流れてアクアラグナの港の近くにある『どこでもフィッシャーズ』の拠点。マリンキングダムから戻った僕達はこれからの事を話すためにここに集まった。
「さてまず今後の方針を話し合いましょうか?まずはマリンキングダムの王様に頼まれたことは3つ
1.食料の提供
2.あるエリアの魔物の殲滅
3.あるエリアのボスの討伐
この3つをクリアすると『凪の宝玉』を貸してくれるそうよ」
「このうちの一つでもクリアすると俺たち招待されたプレイヤーはパーティー人数最大の8人までプレイヤーをマリンキングダムへ連れていくことができる。つまり最大60名になるってことだな。ただしマリンキングダムにいる間はパーティーを解散できなくて、パーティーは固定となり、再びマリンキングダムに入る時はそのパーティーメンバーしか入れなくなる」
「まずは食料の提供をクリアしてからね。そして魔物討伐、ボス撃破の流れね。ただ戦う場所は水中だから色々工夫がいるわね。それに固定メンバーだからちゃんと考えなくちゃ大変よ」
その場で大まかな方針を決めた後、今日は時間が来たため解散となった。




