勉強会兼お泊り会④
ファーラに牧場を紹介した後僕達は『WMMP』をログアウト。
「じゃあ、険人お休み」
「兄ちゃん、お休み」
「険人君、おやすみなさい」
立夏たちはお休みのあいさつを交わすと客室に戻っていく。今日はガールズトークをするそうだ。僕はそのままベッドで横になって眠りにつく。
翌朝目を開け洗面所に向かうと
「険人君、おはよう」
パジャマ姿の美冬がいた。朝の身支度を済ませていたようだ。
「おはよう、美冬。昨日はよく眠れた?」
「ええ、ぐっすり眠れたわ。今から立夏ちゃんと智秋と朝ごはん作るのよ」
「へえ、じゃあ楽しみに待ってるよ」
会話を終えると智秋はリビングに向かう。僕はそのまま洗面所に入り朝の身支度を終えるとリビングに向かう。リビングに入ると母さん、立夏、美冬、智秋はキッチンで朝食の準備を、テーブルでは父さんがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。僕はテーブルの椅子に座ると父さんに話しかける。
「父さん、おはよう」
「おはよう、険人」
「なんか面白いニュースあった?」
「ああ、『WMMP』なんだが第2弾プレイヤー募集を始めたんだとさ」
僕も記事を読んでみると『WMMP』は大好評につき夏休み前までに新しく3万人プレイヤーを募集するようだ。ふむふむ、これなら早期サービス終了はなさそうだな。
「険人、おじさん、朝ごはん用意できたわよ」
「ありがとう、美冬ちゃん。おいしそうだ」
美冬たちの手でテーブルの上にお皿を並べていく。今日のメニューはスクランブルエッグにソーセージ、サラダにご飯、味噌汁だ。僕達は朝食を食べ終えると2階に上がり客間で勉強を始める。そして10時ごろピンポーンとインターホンが鳴る。玄関に向かい覗き穴を覗くと扉を開ける。
「いらっしゃい、真二、春香」
二人は大きなバッグを肩に下げている。あの中には勉強道具の他にVRセットも入っている。2人を2階の客間に案内すると勉強を始める。
「智秋、ここ教えて!」
「ここはですね・・・」
「険人、ここなんだけどさ」
「ああ、ここは・・・」
そして12時、立夏たちは昼食の調理を始める。ちなみに父さんと母さんは2人で買い物に行っている。昼食は外で食べて来るそうだ。僕と真二は女性陣の料理の風景を見ながら雑談をする。
「険人、彼女がエプロンしながら料理してる姿はグッとくるな」
「そうか?」
「これだから異性の幼馴染がいるやつは。普通は家族以外が料理作ってくれるなんて珍しいんだぞ」
「そういわれても見慣れた光景だからな」
「このリア充め」
「ほら、料理出来たわよ」
春香たちが昼食を持ってきてくれた。今回は手作り餃子だ。さすがに皮は市販だが一口かむごとに肉汁とにらの風味が口中に拡がりご飯が進む。昼食を終えるとまた勉強を始める。そして3時間後勉強を終えた僕達は『WMMP』にログインする。
シンタロウ・コハルを加えた僕達は今ザバン砂漠のピラミッドの前にいる。今回はこのピラミッドを攻略しようと考えている。このピラミッドだが現在は別のパーティーに攻略されており、ボスはランク3のピラミッド・ガーディアン・スコーピオンという巨大な蠍だそうだ。今日はそこまでクリア出来たらいいな。
ナツ・シンタロウ・ヒミコ・ガルム・フェムを前衛、僕・ヒビキ・メイを中衛、ウィン・へスト・コハル・シズク・アーシャを後衛としてピラミッド内を進んでいく。
「みんな、前から巨大な玉が転がってくる」
これは『インフォ・プロダクト』のピラミッド攻略情報にもあった巨大岩トラップの場所。この場所は入ると出口が閉まり、内部は狭い通路で坂になっており、その頂上から巨大な玉が転がってくる。その球はそのまま坂を転がり坂の一番下にある穴に落ちていく。
この場所の攻略法は2種類、1つ目は坂のところどころにある隙間に隠れること。ただしある程度のスピードが無ければ隙間に隠れながら坂の上に進むことはできない。そのための2つ目。2つ目は球を50個穴に落とすとそれ以上球は転がってこなくなる。
僕達は2つ目の攻略法を試し、球が50個転がってくるのを待った。そして球が止まった坂を上がろうとしたが、ふと穴の底を見ると発見アイコンが現れる。僕は坂を上がるのをやめ、穴の中をのぞくが何も確認はできなかった。
「ケン、どうしたんだ?さっさと上に行くぞ」
「この穴で何か反応があるんだよね。ちょっと行ってくる」
「ちょっと!」
僕は穴に飛び込んでいく。




