イベントパーティー決定
センターの転移門で待っているとナツ、ウィン、ヘストがやって来た。
「兄ちゃん、今からマリー姉ちゃんのとこに向かうの?」
「いや、後2人僕のフレンドが来るんだ」
「そうなんだ。その人達ってどんな人?」
ナツからの質問に答えようとすると
「お待たせしました」
「大丈夫だよ、アカリ。久しぶり」
僕たちの元に来たのは以前一緒にAIの攻略を手伝った【見習い薬師】のアカリだ。以前はお金がなくて初期装備から変わっていなかったが、今は白いシャツに紺色のジーンズ、その上から暗い緑色の白衣の様な服を着ている。どうやらあれから問題なく『WMMP』を楽しんでるようだ。
「みんな、彼女が【見習い薬師】のアカリ。でこっちが僕のリアルでの妹のナツ、幼馴染のウィン、ヘスト」
「よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします。あと、ケンさん、私ある人の紹介で【見習い錬金術師】になったんです」
「へえ、それはよかったじゃん。錬金術師ってことはマイラさんからかな?」
「え?なんでわかったんですか?マリーさん達もまだ情報売ってないはずなのに」
「それは後で説明するよ」
アカリの事を自己紹介していると
「お待たせ、ケン君」
「久しぶり、ヴィオラ」
もう一人の待ち人であるヴィオラが到着した。彼女は【精霊テイマー】でヴィオラの周りには赤い鳥の姿をした火の下級精霊であるホムラ、茶色の狸の姿をした土の下級精霊である茶々、青い猫の姿をした水の下級精霊であるセイラ、さらにも一人?増えていた。
「ヴィオラ、精霊が一人増えたんだ」
「ええ。この子は・・・・」
アカリ、ヴィオラと合流した後、ギルド兼商店『インフォ・プロダクト』に向かうと、マリーさん達はすでに2階会議室で僕達を待っていた。僕たちが空いている席に座るとマリーさんは僕達を見ながら話し始める。
「さて、ケン君から連絡があったと思うんだけどこのメンバーで今回のイベントに挑戦するわ。そこでみんなに自己紹介をお願いしたいの。あ、最初に言っとくけどここでの内容は言った内容については本人の許可が無い限り広めないから安心して。じゃあ、私からね。私の名前はマリー、商業兼情報ギルド『インフォ・プロダクト』のギルドマスターで、今回のイベントは【裁縫師】【薬師】【槍使い】のジョブで行くつもりで、メイン武器は槍よ」
「次は儂じゃな、儂の名はガイウス。同じく『インフォ・プロダクト』所属、ジョブは【中級鍛冶師】【付与師】【大槌使い】じゃ。装備に関してはなんでも相談してくれ」
「俺の名はバイロン、同じく『インフォ・プロダクト』所属で、ジョブは【木工技師】【土魔法使い】【中級彫金士】。弓や杖などの木製製品、アクセサリーに関しては任せな」
「『インフォ・プロダクト』では最後ね。私の名はカオリ、ジョブは【中級裁縫師】【調理師】【細剣使い】よ。服関係に関しては任せて」
「私はヴィオラと言います。ギルドには入っていません。ジョブは【精霊テイマー】【付与士】【魔法使い】です。この子たちが私の従魔で、赤い鳥が火の下級精霊のホムラ、茶色の狸が土の下級精霊の茶々、青い猫が水の下級精霊のセイラ、緑の妖精が風の下級精霊のベルです、よろしくお願いします」
「私はアカリです。ギルドには入ってません。ジョブは【見習い錬金術師】【盾使い】【投擲師】です。薬品を作るのが得意で、戦闘では盾で受けて薬品を投げます。よろしくお願いします」
「私の名前はナツ。ジョブは【月の戦士】【曲芸師】【戦士】。ケン兄ちゃんの実の妹で、戦闘や高いところは任せて」
「私はウィン。ジョブは【ぬいぐるみマスター】【シューター】【裁縫師】よ。この子たちが私の従魔で狼のガルム、羊のメイ、クマのフェムよ、よろしく」
「私はヘストと言います。ジョブは【魔闘家】【僧侶】【付与士】です。回復は任せて下さい」
そして最後、僕の自己紹介だ。
「改めまして僕の名前はケン、今回のイベントでは【素材収集家】【異質なテイマー】【復活の錬金術師】、それとあとで説明するけど【開拓者】も時折入れ替えて使う。でこの子たちが僕の従魔のヒミコ、シズク、ヒビキです」
ガタン
「え?ケンさん、【錬金術師】だったんですか?それも初めて聞く職業ですけど」
アカリは僕のジョブについて聞くと驚いて椅子から立ってしまう。その後周りを見て落ち着きを取り戻すと顔を赤くして再び椅子に座る。
「そうよ。ケン君が『WMMP』内のプレイヤーで初めての【錬金術師】なのよ。今まで商業ギルドや私達のお店で売っていた効果の高い錬金術製の薬品はほとんどケン君が作った物なのよ。で特殊なイベントを通して、この世界に【錬金術師】というジョブを復活させたのよ」
「そうなんですか?じゃあマイラさんが言っていた恩人の錬金術師っていうのはケンさんの事なんですね?」
「ああ、そうだよ」
アカリは納得したようでウンウンうなずいている。さらにマリーさんが手を上げて注目を集める。
「私も質問していいい?あとで話すって言ってたけど、どうしてケン君だけ持ち込めるジョブが4つなの?」
「それは・・・・」
僕は運営から来たメールを見せながら説明する。この時〈発見〉のスキルについて、アカリとヴィオラに詳しく説明した。
「まさか、そんな制限が入ってるなんてね。ということは〈発見〉スキルについては使うタイミングは皆で考えましょう。とりあえず自己紹介は終わったから今度はイベントについて話しましょうか?まずは持ち込むアイテムについてね?これはなるべく被らないようにしたいわね」
そこで僕は手を上げる。
「どうしたの、ケン君?」
「アイテムなんですが、〈調合セット〉みたいに同系統の生産系の道具を一つにまとめられないですかね?例えば包丁を何本か入れた入れ物をつくって〈包丁セット〉みたいな」
「確かにそれができたら持ち運べるアイテムの量が変わるわね。でも今まで考えたことが無かったわ」
「ああ。ちょっとバイロンと考えてみる。うまくいけば他のパーティーよりリードできるぞ」
それから僕達はイベントが始まるまでいろいろな準備をしました。そして




