セリオル湖畔:湖へ
「ここが新エリア:セリオル湖畔。見た通り大きな川が流れていて、今いる側の森を少し歩いてみたよ」
「敵の強さはどうだった?」
「鑑定した感じ敵のランクは1つ上がってたけどトレントよりは弱いって感じかな。ただ毒の状態異常にしてくる敵もいたから、もしかするとボス以外の敵の状態異常攻撃が解禁されたかも」
RPGでもよくある設定だけど、最初は何も効果が無い物理攻撃だけど、エリアが進むと毒や麻痺、眠りなどの追加効果を与える攻撃・魔法を使ってくる。まだ毒しか見たことないけど、おそらく他の状態異常もあるはず。このエリアの説明を終えるとへストは杖を握りしめて気合を入れる。
「だったら私の出番ね」
確かにへストの出番だな。一応状態異常を回復できるポーションは有るが常に状態異常の可能性のあるこのエリアでは数が心配だ。そこでへストの状態異常回復魔法⦅キュア⦆と組み合わせるとより安定するはず。ただ⦅キュア⦆は熟練度により回復できる状態異常の種類・回復確率が変わるみたいだ。現在のへストの⦅キュア⦆は毒100%麻痺50%となっている。
川沿いに探索を進める。少し歩いていると
「シャー」
茂みから巨大なバッタが飛び出してきた。
---------------------
メガホッパー
ランク2
解説:大きなバッタの魔物。群れで行動する
---------------------
解説文の通り次々と茂みから飛び出し計8匹に囲まれる。風咆熊のガントレットを装備して拳同士を打ち付ける。さあ、久々の戦闘だ。他のメンバーがそれぞれの立ち位置で戦闘を始める。僕も駆け出しメガホッパーの懐に入り⦅三連撃⦆を叩きこむ。
「シャ」
技の衝撃でメガホッパーは吹き飛ぶ。その後を追うが地面を滑りながら衝撃を殺したメガホッパーはこっちに突っ込みながら噛みついてくる。僕はぎりぎりで躱すと後ろに回り込み
「これでとどめ⦅回し蹴り⦆」
僕の一撃でとどめを刺したと思ったが、まだメカホッパーはガクガク震えながら立ち上がろうとする。
「ハイ」
しかし、いつの間にか回り込んでいたへストが⦅回し蹴り⦆を放ち、今度こそとどめを刺した。ナイスヒット!僕がグッと親指を突き上げるとへストもグッと返してくる。周囲を確認すると全員戦闘が終了していた。戦闘が終了すると真横を赤い塊が通過した。へ?何?急いで赤い塊を見てみるとそこには大きなテントウ虫がいた。
---------------------
パラライズテントウ
ランク2
解説:黄色と赤色のテントウムシ。触れるとしびれてしばし動けない
---------------------
その解説を見た瞬間、振り向きみんなに伝えようとするがすでにナツ、へスト、ヒミコ、シズクがパラライズテントウの攻撃を受けてしびれていた。というか連戦かよ。いそいで残ったヒビキに指示をするとヘストに『低級麻痺回復ポーション』を使う。
ふう、危なかった。まさか戦闘終了後、パラライズテントウの強襲があるなんて。どうにか撃退し、さらに進んでいくと少しづつ道の勾配が高くなっていき巨大な湖が見えてくる。よく見るとところどころにプレイヤーがいて探索や採集をしている。そこで僕の発見アイコンが反応する。皆に伝えて少し歩きまわってみるとどうやらこの湖に反応してるみたいだ。
全員で湖に潜り様々な場所を探してみる。この時シズクのスキルをみんなに伝えて、地上で呼吸することなく探索は進む。しかし1時間後
「全然何も見つからないよ、兄ちゃん」
「ここまで探して見つからないとなると何かキーアイテムが必要なのかも」
ウィンの言う通り、ここまで探しても何もないなら何かのイベントかキーアイテムがいるのかも。湖の探索を切り上げて地上に戻ろうとすると
「・・・て」
うん?今何か聞こえたような。でも水の中だし。
「どうしたのケン君?」
立ち止まったのに気づいたへストが声を掛けてきた。その声を聞き皆が振り向く。
「・・って」
やっぱり何か聞こえる。皆に静かにするように伝え、集中してみると
「待って」
聞こえた。声が聞こえたほうを見ると湖の底に何かがいる。急いで近づいてみると姿がおぼろげだが球体の様な物体があった。
「やっと気づいてくれた。水の中で自由に動けるあなた達にお願いがあるの」
詳しく話を聞くとこの球体はこの湖の精霊であり周辺の森の守護霊だそうだ。しかしある日ある魔物に襲われ力が維持できなくなりこの森の守護者の地位を奪われた。そしてその魔物は周囲に結界を張りこの湖から先に行けないようにした。
「その魔物は何なの?」
「その魔物は・・・よ」
え?なんだって
「だから・・・よ」
やっぱり聞き取れない。どうやらシステムで制限されてるみたい。でここからもよくある展開。その魔物がいる場所は守護者の間と言われる場所でその場所に行くにはこの球体の力を戻す必要があるらしい。それには『濃厚な蜂蜜』と『隠密鳥の鶏肉』をここに持ってきてほしいらしい。と言い残し消えていった。
「RPGによくあるアイテム探し系ですね。どこにあるんでしょう?」
「それなんだけど一つは持ってるよ」
「「「えっ?」」」
濃厚な蜂蜜を見せつつあの時の説明をした。
「じゃあ、後は隠密鳥の鶏肉ね。ケン、情報は無いの?」
首を振る。よし、一回インフォ・プロダクトに戻って情報を集めてみよう。




