初めての火おこし
今回は魔法を使わない火おこしです。なるべくリアルに近づけたらこんな話になりました
ゲーム内表記
ゲームアナウンス『』
アイテム名〖〗
スキル名⦅⦆
職業【】
湖から先ほどとは違う道で小屋に帰ってみると、道中幾つかの新しいアイテムを見つけた。
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小枝(乾燥)
ランク1
重さ:100g
耐久度:50
品質:低品質
解説:クルの樹の小枝。落ちて大分経つため水分が抜けきっており、燃えやすい。
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小枝
ランク1
重さ:100g
耐久度:50
品質:低品質
解説:クルの樹の小枝。落ちて間もない為枝の中に水分が残っている。
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ワタの花
ランク1
重さ:10g
耐久度:50
品質:低品質
解説:白いモコモコした花が付く植物。花の部分は非常に燃えやすい。
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小枝とワタの花が見つかったのは嬉しい。これで小屋に戻って火を点けることができるはず。
現在ゲーム世界の夕方の4時。あと2時間で辺りは暗くなり、月の光しか明かりがなくなってしまう。なので火を点けて焚き火を作らなければならない。簡単な方法としては⦅火の魔法(初級)⦆を覚えれば、魔法で火をつけることが出来る。だけど今回は火打石で点けたい。何故かって? それは僕がやってみたいから。
『WMMP』の情報が解禁されてから色々調べた結果、火打石で火を点けるには火種にするための綿や繊維、火を大きくするための小枝などがいるらしい。まずは火打石から使ってみよう。TVで見てみると水晶の部分に金属を強く当てると火花が出るらしいから、
カチン。
ん? 音が出るだけで特に何も起こらない。そこから試行錯誤していくこと30分。
カチン、バチ
よし! 高確率で小さい赤い火花が出るようになった。どうやら水晶の部分のとがった場所に金属の板を特定の角度で当てることで火花が出るらしい。次はこの火花をワタの花に着火しよう。
カチン、バチ、カチン、バチ、カチン、バチ、カチン、バチ。
うーん、難しい。火花は出てるからもうちょっとだと思うんだけど。そして、
カチン、バチ。
よし! 綿の一部分が赤く変色して煙が出始めた。確か次はこの綿に息を吹きかけて空気を流し発火させるはず。ワタを口に近づけ、
フーフーフー。
息を吹きかけると綿が全体的に赤く変わり煙がたくさん出てきた。そして、
ボッ。
「うわぁ! 熱」
よっしゃぁぁぁぁ、とうとう綿に赤い火が付いた。あまりの熱さに綿を地面に落としてしまったけど結果オーライ。火を大きくするために先ほど拾った小枝(乾燥)を沢山火のついた綿に入れていくと、
『おめでとうございます。初めて光源を作りました。新しくスキルを一つ獲得できます』
『初めてアイテムを作成しました。新しくスキルを一つ獲得できます』
お、焚き火(光源)を作ること、アイテムを作ることがスキル獲得のイベントみたい。焚き火ができたと同時に完全に陽が落ち辺りは暗くなった。その中で僕が作った焚き火はその周りを照らしている。
焚き火を見つめていると焚き火の上に燃焼と書かれているゲージが現れた。そのゲージは時間が経つと共に緑のゲージが減っていく。時間が経つと減っていることからこれってアレじゃない? と考え小枝を焚き火に入れると緑のゲージは回復した。やっぱりこの燃焼ゲージというのは焚き火の寿命みたいなものだ。焚き火に植物などの燃料を入れることで回復するみたい。
僕は焚き火の近くに腰を下ろし今回手に入ったスキル獲得の権利でどのスキルを獲得するか考えることにした。メニュー画面の『スキル獲得』を開くと幾つかの新しいスキルが増えていた。これは悩む…………結果、新しく⦅工作⦆と⦅伐採⦆を獲得することにした。
『⦅工作⦆を獲得しました』
『⦅伐採⦆を獲得しました』
⦅工作⦆はおそらく物を作った時に補正が入るはず。⦅伐採⦆は木材を手に入れるために必要だと思う。だって道中、小枝以上の大きさの枝が見つからないんだよな。何かによって切り倒されている大きい樹は見たけど…………。⦅工作⦆については明日確認して今日は寝ようかな。
ここで睡眠について少し説明しよう。プレイヤーはどこでも寝ることが出来て、寝ることでHP、MPなどを回復することが出来る。ただし寝ている場所によって回復量が変わったり、敵が襲ってくる。ただ序盤は貴重な回復手段だからなるべく安全な場所で寝たい。
僕は焚き火が消えるのを確認して、小屋のベッドで横になると起きる時間を設定するウィンドウが出てきたので6時に設定するとすこしずつ視界が暗転する。