3章 第0話 予告編
ナナは異界に戻るまでのひと時を、エリーシア、サラ、シンディの三人と親交を深め、有意義に過ごす。
「始末をつけるまでと、大事にしまっておったのじゃ。……どうじゃろう、似合っておるかのう?」
ヒルダとノーラに贈られたワンピースと紅いリボンをつけ、三人の前でくるっと回ってみせるナナ。
「うん……とっても可愛いわ、ナナ」
「似合ってる」
「世界一かも」
エリーシア、サラ、シンディの三人はナナを優しく抱きしめ、幸せな時間を過ごすナナ。
「目がいやらしいのじゃ、こんな子供相手に向ける目ではないのじゃこの変態め」
「あ、いや……ごめん、すげえ可愛いって思ったら、つい」
そんなナナのワンピース姿を見て、赤面するヒデオ。
そして別れの日が訪れる――
「おぬしがみなのリーダーなのじゃ。もっとしゃきっとせんか、『同士』よ!」
「ああ、そうだな……『同士』だ。次に会うときには、もっと強くなってるからな。それじゃあ『またな』ナナ」
「うむ。期待しておるぞ? ……それじゃあ『またな』ヒデオ」
ヒデオへの気持ちに気付きつつあったが、それは叶えてはいけないものであった。自分は女が好きなのだと自分に言い聞かせ、友人であるエリー達の幸せを願いつつ、ナナは地上界を後にする。
ナナは一人の時間を有意義に使い、義体とスライム体を同時に操り遊んでいた。女の体にも慣れねばと、風呂で自分の体を触ろうとするナナに一体何が起こるのか!?
ダグ・アルト・リオ・セレスに自分がスライムであると明かすと、アルトとダグはがっくりと肩を落とした。果たしてその理由とは?
迫るリオと、セレスのいやらしく蠢く手。ナナの貞操は守られるのか?
「見つけたのじゃ、この馬鹿猫があああ!」
「ぎにゃああああ!」
再度訪れた地上界で、ナナはミーシャを見つけて蹴り飛ばす。呆然とする地人族ペトラと、化粧をしていないジルフィード。
「あたしはどうなってもいいにゃ、みんなの命だけは助けて欲しいにゃ……」
懇願するミーシャだが、仮面をつけたナナは無慈悲な命令を下す。
「アルト、ダグ、リオ、セレス。皆殺しにするのじゃ」
地に落ちたフォルカヌス神皇国の英雄レーネハイトに迫る、神皇国の新たな英雄――
戦争に駆りだされたヒデオ達に迫る、プロセニアの英雄――
どや顔のナナの肩の上で、水色の手乗りスライムがぷるるんと揺れる。
「ここがわしの国、プディング魔王国じゃ!」
その真新しい都市のあちこちに掲げられた、スライムをモチーフとした国旗が、太陽の光を浴びて揺れていた。
英雄とスライム第三章 英雄編
かみんぐすーん、なのじゃ!
「お、おい嬢ちゃん、あの美人も側近の一人なのか?」
「そういえばジルフィールはオーウェンの好みど真ん中じゃのう。いや、紹介するのは構わんのじゃが……」
オーウェンの視線の先には、ふわっと広がる紫色の長い髪を背中まで垂らした、背が高く肉感的な女性の姿があった――




