4 事の始まり3
■ ■ ■ ■
「はあっ!!」
俺は、凪先輩との間合いを一気に詰め、切りかかる。 この試合のルールは、お互いに防具なし、そして刀は、ゴム製、致命傷となると判断した場合のみ、一本判定、というものだ。
「──っ!?」
俺がいきなり詰めてきたことに虚をつかれたか、凪先輩の反応が一瞬遅れる。
(取った!)
と思ったのも束の間、胴を薙ぐように打った俺の技を凪先輩は、あろうことか前に出てゴム刀を押さえることで回避する。
「はあっ!?」
まさか前に出てくるとは思ってなかったので俺の動きが一瞬止まる。 凪先輩がその硬直を見逃すはずもなく、刀を巻き上げて突きをしてくる。
「くっ……」
それを俺は刀を放して体を回転させることですんでのところで避ける。刀を放すのは本来の剣道のルールでは反則をとられるのだが、今回の試合ではそもそも反則自体存在しない。ちょうど凪先輩とすれちがうような形にもっていった瞬間、さらに凪先輩が右手だけで横薙に刀を振るう。落ちてくる刀を取ろうとしていた俺は舌打ちしながらしゃがむことでそれを避け、刀を取る。そしてそのまま、上に刀を振るう。
「なっ……」
凪先輩の刀を弾き飛ばすのが目的の技なのだが、今まで武器を狙ったことは一度もないので凪先輩の顔に、驚きの表情が浮かぶ。 そして凪先輩の刀を弾き、あとは、一本取るだけというところで、
「痛っ……」
頭痛によって動きが止まる。
「……? おい、恭平? 大丈夫か?」
凪先輩も試合を中断し、俺を気遣う。
「……すみません、凪先輩。今日はもう終わりでいいですか?」
さすがに、この頭痛で試合を続けるのは無理がある。
「あ、ああ。それはいいが……本当に大丈夫か?」
凪先輩は心配そうに見るが、
「大丈夫です。……多分」
俺はそういい、片付けをして武道場を後にした。
そして、帰り道、
「いっ……てぇ……」
俺はふらふらになりながら、家路を歩く。
(さっきの頭痛は一体……?)
尋常な痛みではなかった。まるで脳のなかが焼けるような痛み、今はそうでもないが、これが続くようなら病院も考えなくちゃなと思いながら歩いていると、
「────?」
急に足下が覚束なくなる。そして、視界も暗くなっていく。
「あれっ……? もしかしなくても……ヤバいやつ?」
その言葉を最後に、俺は意識を失った。
どうも皆さんrengeです。 今回は戦闘に挑戦してみました(笑) 因みに、この神薙恭平君は、かなり強いという設定にしてます。 結構俺Tueeeee 見たいな感じの小説なんでそこだけご了承下さい。 あと、r15とはしていますが、そこまでの描写は入らないと思います。 自分自身、そういうグロ系は得意じゃないんで、R15は念のためです(笑)