3 事の始まり2
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練習終了後
「はぁ〜……」
結局6時半まで部活をした。とはいっても部活開始は3時半なので半分以上サボってはいたのだが。
「とにかく、やっと帰れる……」
そう思っていたが、
「ああ、そうだ。恭平は居残りな?」
無理だった。
「え? 俺っすか?」
一応聞いてみる。が、
「ほう? お前以外に神薙恭平がこの部にいるか?」
「……うい」
しぶしぶ俺は居残り練習の準備に入る。この流れはよろしくない。下手したらサボった分の練習時間の居残りになるか最悪それ以上になる可能性もある。
「ちなみに、どのくらいするんですか?」
俺が聞くと、
「まぁ安心しろ。居残りとはいっても練習ではないから」
凪先輩は笑いながら言う。正直、まだ練習のほうが良かったかもしれ
ない。練習ではない、つまり……。
「試合をするぞ、恭平」
そう、試合である。凪先輩は高校全国大会2位の実力者だ。 はっきり言って、勝てるかどうかとかいう問題ではなく挑むのすら馬鹿馬鹿しいレベルの達人である。
「試合……ですか……」
確かに俺も自分で言うのもあれだがかなりの実力者だ。県大会でもトップクラスの選手ではあるけれど、正直凪先輩との対戦成績は3割程度。それなのになぜ試合なのか。
「お前の戦い方からは学ぶべきところがたくさんある。それに、今までの私との試合では、本気ではなかっただろう?」
「…………」
言葉につまる。 しかし、その沈黙は、雄弁に真実を語る。
「沈黙は是なり、だぞ恭平。さっ、早く準備しろ」
凪先輩はやる気満々といった様子で拒否権はないらしい。 俺は嘆息しながら準備に入るのだった。
どうもrengeです。 凪先輩のような話し方の女性は、個人的に大好きです(笑) 凛とした感じの女性って素敵ですよね(笑)