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1 プロローグ
■ ■ ■
「おい……一体……何で……?」
暗い森の中、二人の少年のうちの1人が、戸惑いの声を上げる。
詳しく状況を知らない人が見たらなにやってんだと言うような光景だろう。しかし、もう一方の少年の周りにはかつて二人の少年の仲間だった人達の亡骸が多数ある。この状況でもう一方の少年の仕業じゃないというのは無理があるだろう。
「答えろよ! 何で……こんなことを!」
少年は声を荒げて問い詰める。
「ゴメン……けど、この世界は、もうダメなんだ。失敗した。」
「は……? 信也お前、なに言って……」
チャキ。信也と呼ばれた少年が銃を構え、少年に向ける。
「俺じゃあダメだった……。けど……もしかしたら、恭平、お前なら…」
「だからっ……説明しろっ────」
パァン! 銃声。
「理不尽だってわかってる。でも、頼む恭平、この世界を……救ってくれ」
その言葉を最後に恭平の意識は途絶えた。