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架空パンクとロストソング
夢が与えた 未来が照らした
光は僕らの中 折り重なって毒になる
希望の中に顔を出して
思い知った真冬の空気に
毒を吐き出した僕らの季節
もう少しだけリアリティを
もう少しだけ存在感を
あの頃の僕らが掴めたのなら
さよなら架空パンク
さよならロストソング
もう歌えないよ 曖昧な歌詞
百円玉で買えてしまう温もりに
ブラウン管が見せてしまう世界に
さよなら架空パンク
さよならロストソング
もう歌えないよ 曖昧な歌詞
僕が吐き出した 君が言葉にした
暗号の群像が 積み重なって形を変える
「今度こそ」と手を伸ばして
握りしめた真冬の枯れ草に
毒も吐けなかった僕らの季節
さよなら架空パンク
さよならロストソング
もう歌えないよ 曖昧な歌詞
漫画「ソラニン」に向けての詞でした。
架空パンクは「改題」と表現しています。