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王国主催のスポーツモンスター  作者: nekorovin2501


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第1話:転生作家のチート無双デビュー

俺の名前は佐藤太郎。三十路目前のしがないライトノベル作家だ。デビュー作は『異世界チート無双 ~モンスター狩りで最速クリア~』というタイトルで、異世界に転生した主人公がチート能力でモンスターを狩りまくり、王国主催の大会で頂点を目指す話だった。売れ行きはまあまあだったけど、途中でプロットを詰めきれなくて、未完のまま放置。続きを書こうか迷ってるうちに、いつものように徹夜で執筆してたら……。

「うわっ、トラック!?」

ありきたりな転生フラグだ。俺はベタな展開を自分で書いておきながら、現実でトラックに轢かれるなんて笑えない。目が覚めたら、そこは見覚えのある森だった。木々の間から差し込む光、遠くで唸る獣の声。俺の小説の冒頭シーンそのままじゃないか。

「マジかよ……転生した? 自分の作品に?」

慌ててステータスを確認しようと手を振ってみる。すると、半透明のウィンドウが浮かび上がった。

【名前:佐藤太郎(原作者)】

【レベル:1】

【スキル:原作知識(全知)、チート修正(ストーリー改変)、スピード無双(敏捷∞)】

「は? 原作者特権チートかよ! これで俺、無敵じゃん。」

興奮が抑えきれない。原作知識でこの世界のすべてを知ってるし、チート修正で気に入らない部分をリアルタイムで直せる。スピード無双は、サマーウォーズのキングカズマみたいに、うさぎみたいな敏捷で敵を翻弄できるはず。試しに近くの木にダッシュしてみたら、風を切る音がして一瞬で反対側に到着。体が軽い、軽すぎる!

だが、喜んでる暇はなかった。森の奥から、低い唸り声が聞こえてきた。出てきたのは、俺の小説で登場する低レベルモンスター、グリーンスライム。緑色のゼリーみたいな体で、ゆっくり近づいてくる。

「よし、初狩りだ。」

スピード無双を発動。体が加速し、視界がスローモーションになる。スライムの核を狙って拳を叩き込む。パチン! と音がして、モンスターは霧散した。経験値が入り、レベルが2に上がる。タイムは……感覚で0.5秒くらいか。速い!

「ふう、爽快だな。原作じゃ主人公が苦戦するはずだったのに、俺のチートで一撃か。」

森を抜けると、開けた平原に出た。遠くに城壁が見える。あれは王国アストリアの首都だ。俺の設定通り、王国では毎年『スポーツモンスター』という大規模な大会が開催される。モンスターを狩るのを競技化したオリンピックみたいなイベントで、参加者はチート持ちの転生者たちがメイン。原作では主人公一人だけが転生者だったけど、俺が転生した今、世界が変わってるみたいだ。チート修正スキルで確認すると……他の転生者も複数存在する設定に変わってる!

「面白くなってきたぞ。俺の未完作を、俺自身が完結させるチャンスだ。」

首都に近づくと、街は活気づいていた。看板に『第10回スポーツモンスター大会 参加者募集中!』と大々的に掲げられている。街の人々が噂してる。

「今年は転生者たちのレベルが高いらしいぞ。チート持ちが10人以上だってよ。」

「スピード種目で優勝したら、王女の褒賞があるんだってさ。」

耳を澄ますと、俺の原作知識通りだ。大会は王国主催で、モンスターを題材にした各種目で競う。賞金や名誉だけでなく、勝てば王国騎士団入りも可能。俺はすぐに参加登録所へ向かった。受付のエルフっぽい女性が、俺を見て目を丸くする。

「あなたも転生者さん? ステータス見せてください。」

ウィンドウを表示すると、彼女が頷く。「原作者……珍しいスキルですね。参加OKです。予選は明日から。種目はタイムトライアル、背越え、仲間収集などですよ。」

宿屋で一泊し、翌朝の予選会場へ。コロッセウムみたいな巨大アリーナで、観客席は満員。参加者は20人くらいいて、その半分が転生者らしい。俺と同じく、地球から来た奴らだ。一人、ガタイのいい男が近づいてくる。

「よお、新入りか? 俺は田中次郎。力押しチート持ちだぜ。大会で無双して、王女ゲットするつもりよ。」

「へえ、俺は佐藤太郎。スピード特化だ。」

他にも、魔法チート持ちの女や、召喚チートの少年がいる。みんな原作知識を持ってないみたいで、俺のアドバンテージはデカい。アナウンスが響く。

「第一種目、モンスター狩りタイムトライアル! 指定のグリーンスライム10体を、最速で狩れ!」

スタートラインに並ぶ。俺の隣は田中。「負けねえぞ!」と威勢がいい。合図の笛が鳴る。

スピード無双発動! 体が弾丸みたいに飛び出す。視界がぼやけるほど速く、森エリアに配置されたスライムを次々粉砕。1体目0.2秒、2体目0.1秒……10体全部で2秒かからずフィニッシュ。観客がどよめく。

「何あれ!? うさぎみたいに素早い!」

田中は力で押しつぶしてるけど、タイムは10秒オーバー。他の転生者も苦戦中。俺のタイムは新記録だ。王女らしき女性がバルコニーから拍手してる。

だが、予選はこれだけじゃない。第二種目、背の高いモンスター越え。相手は巨木みたいなトレント。高さ10メートルの背を飛び越える。俺は助走なしでジャンプ。スピード無双で加速し、軽く越えて着地。失敗した奴はトレントの枝に絡まってリタイア。

「こいつ、チートすぎるだろ……」

転生者たちの視線が集まる。第三種目、モンスター仲間収集リレー。チーム戦で、俺は単独だけどチートでカバー。制限時間5分で、狼型モンスターをテイムしまくる。原作知識で弱点を突き、10体収集。仲間を並べてリレー形式でデモすると、観客大ウケ。

予選終了。俺は全種目トップ通過。本戦進出だ。宿に戻ると、謎の転生者が訪ねてくる。黒いローブの男。

「佐藤太郎。お前、この世界の原作者だろ? 俺たち転生者はお前の設定で苦しんでる。大会で潰すぜ。」

「へえ、対立か。面白い。」

チート修正スキルで、ストーリーを少し改変。明日の本戦で、もっとカオスにしよう。俺の未完作が、今始まる。

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