バレンタイン後夜祭
「バレンタイン、終わっちゃったね」
らむが少し寂しそうに言った。
2月15日。バレンタインデーの翌日。街のチョコレート売り場も、もう片付けられているころだろう。
「でもさ」
らむが冷蔵庫を開けた。
「材料、まだ余ってるんだよね」
チョコレート、生クリーム、ナッツ。バレンタイン用に買った材料が残っている。
「もったいないし...後夜祭しちゃおうかな」
らむが振り返って、らむぬいを見た。
「一緒に作ろう?」
頷く。
「よし!バレンタイン後夜祭、開催!」
らむが嬉しそうに材料をキッチンに並べた。
「今日はね、あげる人とか気にしないで、好きなの作る」
らむがエプロンをつける。
「自分が食べたいやつ!」
らむぬいを机の上に置いて、準備が始まった。
「まずはチョコを溶かすね」
らむがチョコレートを刻んで、ボウルに入れる。湯煎で溶かし始めた。
「ボウル、押さえててくれる?」
らむぬいの体で、ボウルの縁に手をかける。前回のクッキー作りと同じだ。
「ありがとう」
らむがゆっくり混ぜる。チョコレートが溶けていく。
「次、生クリーム入れるね」
生クリームのパックが、少し離れた場所にある。らむぬいの体で、パックを押して動かす。らむの方へ。
「あ、運んでくれた。助かる!」
らむが笑顔で生クリームを注ぐ。混ぜると、なめらかなチョコレートクリームになった。
「これを型に入れて...」
らむが小さな型をいくつか並べる。ハート型、丸型、四角。スプーンでクリームをすくって、型に流し込んでいく。らむぬいも、小さなスプーンを持って手伝う。少しずつ、型に入れる。
「上手上手」
らむが嬉しそうに見ている。全部の型に入れ終わった。
「ナッツも飾ろう」
砕いたナッツを、チョコの上にトッピングしていく。らむぬいも、小さなナッツを一つ持って、チョコの上に置く。
「可愛い!いいアクセントになってる」
らむが満足そうだ。
「じゃあ、冷蔵庫で冷やそう」
らむが型を冷蔵庫に入れた。
「固まるまで、ちょっと待とうね」
らむがらむぬいを抱き上げて、ソファに座った。
「楽しかったね。また一緒に作れて嬉しい」
らむが優しく撫でてくれる。
しばらくして――
「そろそろ固まったかな」
らむが冷蔵庫を開けた。
「おー、完璧!」
チョコレートがきれいに固まっている。型から外して、お皿に並べた。
「わー、美味しそう!」
らむが嬉しそうに一つ食べる。
「うん、美味しい!」
それから、らむぬいとチョコを並べて写真を撮った。
「バレンタイン後夜祭!余った材料でチョコ作った♪あげる人いないけど、自分用に本気出した!」
らむがSNSに投稿した。すぐにコメントが流れてくる。
「いいね!」
「私もやろう!」
「後夜祭、素敵!」
「自分チョコ最高!」
らむが笑顔でコメントを読んでいる。
「みんな共感してくれてる」
らむがもう一つチョコを食べた。
「バレンタイン本番じゃなくても、楽しいね」
らむがらむぬいを見て、微笑んだ。
「一緒に作れたから、特別な日になった」
うん。
イベントの日じゃなくても。あげる相手がいなくても。らむと一緒なら、どんな日も特別だ。楽しい時間を、一緒に過ごせる。それだけで、幸せだ。
「また何か作ろうね」
らむが優しく言った。
また作りたいな。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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そして、「らむぬいにこんな風に動いてほしい」「こんなシーンが見たい」といったリクエストも大歓迎です。ぬいぐるみができる範囲で、皆さんのアイデアを物語に取り入れていきたいと思っています。気軽にコメント欄でお聞かせください。
それでは、次回もよろしくお願いします。
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