いまでも推してる応援してる
らむの不安そうな顔が、頭から離れない。
「何かあったのかな」
「私の配信がつまらなくなったのかな」
違う。そんなことない。
今もずっと応援してる。そばにいる。
でも、伝えられない。
らむぬいの体では、声が出せない。コメントもできない。
どうしたら、伝わるだろう。
ピンポーン。
「はーい」
らむが玄関に向かう。
「やっほー」
ウーロンだ。最近毎日来てる。
部屋に入ってくると、らむはまだ少し元気がない様子だった。
「どうしたの?元気ないね」
「あ...うん。この前話した、リスナーさんのこと、まだ気になっちゃって」
らむが寂しそうに笑う。
ウーロンがちらっと、らむぬいの方を見た。
それから、にっこり笑った。
「あ、そういえば」
「ん?」
「この前、事務所の箱推しのリスナーさんから聞いたんだけど」
らむが顔を上げる。
「らむちゃんの熱心なファンの人のこと、知ってるって言ってたよ」
「え...?」
らむの目が大きくなる。
「環境が変わって、配信見れなくなっちゃったんだって。でも、今もずっと応援してるって」
「本当...?」
「うん。本人に直接伝えたいけど、連絡取れないから、もし機会があったら伝えてほしいって頼まれたんだ」
ウーロンが優しく微笑む。
「だから、伝えるね。その人、らむちゃんのこと今もずっと応援してるって」
らむの目が、じんわりと潤んだ。
「そっか...環境、変わったんだ」
「うん。でも、元気でやってるって」
「良かった...」
らむが胸に手を当てた。
「心配してたんだ。何かあったのかな、私の配信つまらなくなったのかなって」
「そんなことないよ。今も応援してるって、ちゃんと言ってたから」
らむが安心したように、深く息を吐いた。
「ありがとう、ウーロン先輩。伝えてくれて」
「ううん。私も、らむちゃんが心配してたから、伝えられて良かった」
ウーロンがらむの肩を軽く叩いた。
「元気出して。その人、きっと今も応援してるから」
「うん...!」
らむが笑顔になった。
さっきまでの不安そうな顔じゃない。
らむがらむぬいを抱き上げた。
「ね、聞いた?あの人、元気でいるんだって」
らむが嬉しそうに話しかけてくる。
「今も応援してくれてるって」
頷く。
うん、知ってる。
良かった。
伝わった。
らむが安心してくれた。
ウーロン先輩が、ちらっとこちらを見て、小さくウインクした。
ありがとう、と心の中で何度も言った。
伝えられた。
応援してるって、気持ちが。
今は、これでいい。
いつか、直接伝えられる日まで。
今は、そばにいることが、応援だ。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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それでは、次回もよろしくお願いします。
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