てのりらむぬい爆誕ぬい
サブタイトルを変更しました。
らむが針を持って、小さな布と格闘している。
昨日から始まった、てのりらむぬい作り。らむぬいの体で、机の上からその様子を見ていた。
「うー、小さすぎて縫いにくい...」
らむが眉を寄せる。針に糸を通すだけでも一苦労のようだ。小さな布を指で押さえながら、慎重に針を進めていく。
「あ、また縫い目ずれた...」
らむがため息をついて、糸をほどき始めた。やり直しだ。
でも、諦めない。もう一度、丁寧に縫い直す。
「綿、詰めすぎかな...」
今度は綿の量に悩んでいる。小さな体に、ちょうどいい量を詰めるのは難しいらしい。少し取り出して、また詰めて、を繰り返す。
「目の位置も...もうちょっと上?」
ボタンで作る目の位置を何度も確認している。定規で測って、印をつけて、慎重に縫い付けていく。
時間が経つにつれて、らむの表情が真剣になっていく。集中して、黙々と作業を続ける。時々伸びをしたり、首を回したり。疲れているのがわかる。
でも、手は止めない。
「もうちょっと...」
らむが小さくつぶやく。
夜が更けていく。らむは机のライトだけをつけて、作業を続けた。
そして――
「できた...!」
らむが針を置いた。
最後の一針を縫い終えて、糸を切る。小さな、手のひらサイズのぬいぐるみを、両手で包むように持ち上げた。
「やっと完成した...」
疲れた表情だけど、満面の笑みだ。
らむが僕――らむぬいの体を持ち上げて、並べて見せてくれた。
「ほら、見て!小さいけど、らむぬいだよ」
確かに、小さい。手のひらに乗るサイズ。でも、ちゃんとらむぬいの形をしている。丸い目、小さな耳、ふわふわの体。
「ちょっと歪んでるけど...まあ、手作りだからね」
らむが照れくさそうに笑う。
それから、部屋にある他のぬいたちも集めてきた。クマ、Vtuberぬい、らむぬい、そして新しいてのりらむぬい。4体が並ぶ。
「これで4体だ。全部私が作った」
らむが嬉しそうに眺めている。
サイズは全然違う。でも、どれもらむの手で作られた。同じ温かみがある。
「さて...移動できるかな?」
らむが小さなてのりらむぬいを、机の上に置いた。
そして、僕――らむぬいの体を見る。
「試してみて」
頷く。
ドキドキする。もし移動できなかったら...せっかくらむが頑張って作ってくれたのに。
でも、やってみなきゃわからない。
集中する。
意識を、小さなてのりらむぬいへ向ける。あの感覚を思い出す。ふわりと浮くような――
視界が、切り替わった。
低い。
机の上なのに、すごく低く感じる。周りのものが、全部大きく見える。
そして、目の前に――大きならむぬいの体が座っている。さっきまで僕がいた体だ。
「...あ」
らむの声が、すごく大きく聞こえる。
見上げると、らむの顔が、とても高い位置にある。
「移動できた...!」
らむが嬉しそうに笑った。
それから、そっと手を伸ばして、てのりらむぬいを持ち上げる。僕の体を。
「わ...」
手のひらの上に乗った。
温かい。らむの手のひらの温もりが、すぐ近くで感じられる。
軽い。この体、すごく軽い。持ち運ばれる感覚が、今までと全然違う。
らむの指が、優しく頭を撫でる。大きな指だ。
「小さいね。可愛い」
らむが微笑む。
この角度から見るらむは、初めてだ。見上げる角度も、今までより遥かに高い位置から。
「これで、一緒におでかけできるね」
らむが鞄を持ってきて、てのりらむぬいをそっと中に入れた。
鞄の中は暗い。でも、少し開いた隙間から外が見える。
「明日、一緒に出かけよう」
らむが優しく言った。
外。外の世界。らむと一緒に。
ずっと夢見ていたこと。
やっと、叶う。
胸が高鳴る。
明日が待ちきれない。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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そして、「らむぬいにこんな風に動いてほしい」「こんなシーンが見たい」といったリクエストも大歓迎です。ぬいぐるみができる範囲で、皆さんのアイデアを物語に取り入れていきたいと思っています。気軽にコメント欄でお聞かせください。
それでは、次回もよろしくお願いします。
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