第27話 おっさん、ダンジョン攻略する
「なん……だと」
見事に復活したフレア達の活躍によって、ダンジョン核は破壊された。
核を失った仮面の紳士からは、黒く凶々しいオーラは消え去り、肥大した筋肉は元に戻っており、俺との激闘で蓄積したダメージが彼の膝を再び折る。
「くっ、……まさか核が……破壊されるとは……」
膝を折り、驚愕の声を上げる仮面の紳士に俺は言ってやる。
「だから小さいと言ったんだ。確かにアンタのその力、個としては破格だろうよ、だがな、俺と仲間達の絆の前では小っぽけな個でしか無かったわけだ」
「…………」
俺の言葉に無言で佇む仮面の紳士。核は砕け、身体強化も解けた今、奴に反撃の力は残されていないようだ。
「核は破壊され魔力供給も途絶えた今、この身体では勝ち目は有りませんか……認めましょう、女神の使いで有る、ヨシダ殿、貴方の力を。ですが、これで終わりでは有りません、私は必ず復讐を遂げて見せます。それ迄勝負は預けておきます」
仮面の紳士はそう告げると、転移魔法を使いその場から消えた。
………………
…………
……
「やったにゃー、ヨシダっち、かったにゃー」
キャトリーヌが叫びながら、背中におぶさってくる。
「ああ、"わからせ"完了だな、それにしても仮面の紳士はマジヤバかったな」
「そうだな、アタシ達も一時はどうなるかと思ったけど、ヨシダと、瑠奈のお陰で大逆転だ」
「うむ、此れは肉で宴、決定」
「オイオイ『竜ころし』だけは勘弁してくれよ?」
「ヨシダはんはウチが面倒見るさかい、安心してや」
「「「アハハハー!」」」
「さあ、野郎ども凱旋だ!」
「「「「おおー!」」」」




